Column コラム

店舗採用・応募支援 更新

採用代行と人材紹介の違い(費用と向き不向き)

この記事の結論

人材紹介は採用が決まった「候補者」に成功報酬を払うサービス、採用代行は応募が集まる「仕組みと運用」に月額などで払うサービスです。年間を通じて人数を採るなら採用代行、単発の専門職や管理職の採用なら人材紹介が向いています。

「採用代行と人材紹介、うちにはどちらが合っているのか」。採用の外部サービスを探し始めると、必ずぶつかる分かれ道です。どちらも「採用を手伝ってくれる会社」に見えますが、実は売っているものが違います。人材紹介が売っているのは「候補者」、採用代行が売っているのは「応募が集まる仕組みと、その運用」です。私自身、前職では求人広告の営業とあわせて、アルバイトの紹介事業の立ち上げも経験しました。両方の側に立ってみて感じるのは、どちらが優れているかではなく、買っているものが違うということです。この違いを押さえると、費用の見え方も向き不向きも一気に整理できます。この記事では、課金の仕組み・費用の構造・向き不向き・併用の考え方の順に整理します。

一言でいうと「人を連れてくる」か「仕組みを作る」か

人材紹介会社は、自社に登録している求職者の中から条件に合う人を探し、企業に紹介します。企業が採用を決めた時点で成功報酬が発生する。企業側の作業は面接と判断が中心です。

採用代行(RPO)は、企業の採用活動そのものを代行します。求人媒体に何をどう出すか設計し、原稿を作り、数字を見て改善し、場合によっては応募者への連絡までやる。集まる応募者は「その企業に応募した人」であり、代行会社が抱えている人ではありません。

法的な位置づけも別です。求人者と求職者の間で雇用関係の成立をあっせんする職業紹介は、手数料を受けて行う場合に厚生労働大臣の許可が必要です(出典: 石川労働局「職業紹介事業とは」)。一方、採用代行は企業の採用業務を受託する立場。ここが根本的な違いです。

比較表: 課金・成果物・向き不向き

比較軸 採用代行(RPO) 人材紹介
何にお金を払うか 採用活動の設計と運用(作業) 採用が決まった人材(結果)
課金タイミング 月額固定や作業量に応じて継続的に 入社決定時に一括
費用の決まり方 任せる業務範囲に応じた月額、または作業単価×件数 紹介会社ごとの手数料表に基づく成功報酬。職種や採用者の賃金によって変わる
別途かかる費用 求人媒体への広告費(別建て) 紹介手数料が中心で、媒体費は発生しない
母集団 自社の求人に応募してきた人 紹介会社の登録者
スピード 掲載の設計と準備の期間が必要 条件に合う登録者がいれば早い
社内に残るもの 求人原稿・媒体の運用ノウハウ・応募データ 採用した人材
得意な採用 継続的に人数を採る(店舗スタッフ・現場職) 単発・専門職・管理職

人材紹介の手数料は、紹介会社が厚生労働大臣に届け出た手数料表などに基づいて決まります(出典: 厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第6 手数料」)。紹介会社には手数料表と返戻金制度の情報提供が求められており、2024年4月からは自社ホームページなどでの提供も認められています(出典: 厚生労働省「職業安定法施行規則改正(令和6年4月)」2024年)。検討中の紹介会社があれば、契約前に手数料表と返戻金制度を必ず確認してください。採用代行の費用は業務範囲で大きく変わるため、同じ範囲を指定して見積もりを取るのが基本です。

費用構造が根本的に違う: 人数が増えるとどちらが得か

人材紹介はフロー型、採用代行はストック型の費用構造です。ここが判断の肝になります。

人材紹介は1名決まるごとに費用が積み上がります。年に1名なら費用は1名分。ただし年に10名採るなら10名分です。一方、採用代行は採用人数が増えても月額は基本的に変わらないため、採用人数が増えるほど1名あたりの費用は下がっていきます。

つまり、どこかに損益分岐点があります。ざっくり言えば「年間の採用人数が一定を超えると採用代行が有利、少人数なら人材紹介のほうがリスクが小さい」。自社の年間採用予定人数を紙に書き、想定される紹介手数料の合計と、代行費+媒体費の年額を並べてみると、判断は驚くほど簡単になります。

注意点として、採用代行を使う場合は代行費のほかに求人媒体への広告費がかかります。比較するときは必ず「代行費+媒体費」の総額で見てください。

あわせて、採用代行の会社を選ぶときは「その会社の報酬が、広告費に連動するかどうか」も確認しておくと安心です。広告費が増えるほど報酬が増える仕組みなら、提案は「もっと広告を出しましょう」に寄りやすくなります。私たちクルスタが求人広告費に手数料を乗せていないのは、「その広告費は止めましょう」と言える立場でいたいからです。総額で比べるなら、広告費を減らす提案が出てくる相手かどうかは、そのまま費用に効いてきます。

採用代行が向くケース、人材紹介が向くケース

採用代行が向くのは、次のような状況です。

  • 店舗スタッフやパート・アルバイトを、年間を通じて継続的に採用している
  • 欠員が出るたびに求人を出し直しており、その作業自体が現場の負担になっている
  • 求人を出しても応募が来ない、または応募は来るが面接に至らない
  • 採用のやり方を社内に残していきたい(原稿・データ・運用の型が残る)

飲食店・店舗のアルバイト採用で採用代行を使うときに、何を任せて何が店に残るかは飲食店・店舗の採用代行で整理しています。

人材紹介が向くのは、次のような状況です。

  • 採用は年1〜2名で、しかも専門性が高い(有資格者、店長候補、管理部門)
  • 母集団形成が難しい職種で、そもそも求人媒体に出しても人が動かない
  • 採用の失敗リスクを金銭面で抑えたい(決まるまで費用が発生しない)

なお、店舗ビジネスで「応募が来ない」と感じている場合、原因が求人の見せ方にあるケースは少なくありません。私たちが相談を受ける中でも、文言は何度も直しているのに写真は最初のまま、といった求人をよく見かけます。求人が表示されていないのか、表示はされているがクリックされていないのか、クリックはされているが応募されていないのか。この切り分けをせずに人材紹介へ切り替えても、コストだけが上がることがあります。

併用という選択肢

実務では、二択にせず使い分けるのが現実的です。

  • 現場スタッフの継続採用 → 採用代行で仕組みを作り、応募が回り続ける状態にする
  • 店長候補・専門職の単発採用 → 人材紹介やダイレクトリクルーティングを使う

また、リファラル採用(社員紹介)やスポットワークからの引き抜きなど、媒体以外の入口も併せて設計すると、1つの手段への依存を減らせます。どの手段も万能ではないので、「継続的に必要な人材」と「たまに必要な人材」を分けて考えるのが現実的です。採用代行の中にも、成果報酬型・月額の店舗特化型・面接代行型などのタイプがあり、その比べ方は採用代行のおすすめの選び方と比較にまとめています。

まとめ

  • 人材紹介は「候補者」を、採用代行は「応募が集まる仕組みと運用」を買うサービス。法的な位置づけも別
  • 費用はフロー型(1名ごと)とストック型(月額)。年間採用人数が多いほど採用代行が有利になりやすい
  • 継続採用は代行、単発・専門職は紹介。二択にせず使い分けるのが実務的

次の一歩は、直近1年で採用した人数と、それにかかった費用の総額を洗い出すことです。1名あたりいくらかかったのかが出れば、どちらの方式が自社に合うかは自ずと見えてきます。

動画で見る

代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。

【完全版】採用コンサルタントの全貌!業務内容から独立秘話まで徹底解説
採用代行(RPO)が採用設計から応募集め、面接設定までを担う仕事であることを代表が解説しています。

よくある質問

採用代行と人材紹介の一番の違いは何ですか?

人材紹介は紹介会社の登録者から候補者を紹介してもらい、採用が決まったら成功報酬を払います。採用代行は自社の求人に応募が集まる仕組みづくりと運用を任せ、月額や作業量に応じて費用を払います。

採用人数が多い場合、どちらが割安ですか?

人材紹介は1名ごとに費用が積み上がり、採用代行は採用人数が増えても月額が基本的に変わらないため、年間の採用人数が多いほど採用代行が有利になりやすいです。比較するときは採用代行の代行費に求人媒体の広告費を足した総額で見てください。

人材紹介の手数料はどこで確認できますか?

有料職業紹介事業者には手数料表と返戻金制度の情報提供が求められており、2024年4月からは自社ホームページなどでの提供も認められています。契約前に検討中の紹介会社の手数料表と返戻金制度を確認してください。

採用代行と人材紹介は併用できますか?

できます。現場スタッフの継続採用は採用代行で仕組みを作り、店長候補や専門職の単発採用は人材紹介を使う、というように採用の種類で使い分けるのが現実的です。

← コラム一覧へ 店舗採用データ 2026 →