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店舗運営・集客

年末年始・繁忙期に向けた店舗運営の準備|集客・シフト・採用を逆算する

この記事の結論

年末年始や繁忙期の準備は、去年の数字でいつ・どれだけ忙しくなるかを確かめ、そこから採用・シフト・集客を逆算して決めます。採用は年末に近づくほど難しくなるので秋のうちに動き、シフトは希望休を早めに集めて忙しい日から埋め、集客は営業日と営業時間の告知と、人の数に合った予約の受け皿を先に整えます。

年末年始は、飲食店にとっても美容やリラクゼーションの店にとっても、1年でいちばんお客様が動く時期の1つです。一方で、人手と予約がいちばん詰まりやすい時期でもあります。12月に入ってから「人が足りない」「予約を受けきれない」と慌てても、打てる手はほとんど残っていません。

私たちも自分たちで店舗を運営していて、忙しい時期に入るほど、目の前のことしか考えられなくなるのを何度も経験してきました。だから準備は、まだ落ち着いている秋のうちに済ませておくのが鉄則です。この記事では、年末年始や繁忙期に向けて、採用・シフト・集客をどの順番で準備すればよいかを、10月から1月までのカレンダーにしてまとめます。

まず去年の数字で「山」の大きさを確かめる

準備の出発点は、去年の同じ時期の数字です。去年の11月から1月にかけて、日ごと・曜日ごとの売上、予約や来店の数、その日に入っていた人数を並べてみてください。

見るべきは、合計よりも「いちばん忙しかった日」です。その日に何人いれば回ったのか、実際には何人足りなかったのか。ここが分かると、今年あと何人、どの時間帯に必要かが決まります。年によって曜日の並びや休みの取り方が変わるので、去年の日付ではなく「年末の最後の週末」「仕事納めの日」のように、出来事で並べ直すと比べやすくなります。

去年の記録がない店は、今年の年末を記録する年にしてください。私たちは月に1回の店舗のミーティングで、売上だけでなくスタッフが動ける行動の目標も数字で決めています。繁忙期の数字も同じ場で振り返っておくと、翌年の準備がそのまま始められます。

採用: 年末に近づくほど難しくなる。動くなら秋

年末の人手不足を採用で埋めようとすると、時期が遅いほど苦しくなります。

代表・中野谷のひとこと

正直な話、年末から年始は採用が取りづらいですよ。むしろ11月、12月がきつい。飲食は特に年末がきついですね。どの企業も10月から求人をかけて、居酒屋の業態では求人数がかなり増えてきますし、しかも離職もそのタイミングで多くなるんです。

(YouTube「【年末年始対策】もう遅い? 2026年の店舗運営トレンドと、今からできる準備」より)

人がほしい店が一斉に求人を出すので、同じ予算でも応募が集まりにくくなります。働く側から見れば、同じように忙しい職場なら条件の良い店へ移る、という動きも起きます。代表の中野谷は、店舗の採用は春から初夏にかけてうまくいっていると、その後が楽になると話しています。年末に向けた採用は、本来は夏までに済ませておきたい仕事です。

それでも今から採るなら、次の3つを意識します。

  • 求人を止めない — 繁忙期の直前だけ出すのではなく、ふだんから出し続けておく。小さな店ほど、止めずに出し続けておくのが基本です
  • 1つの媒体に予算を集めない — どうしてもこの時期に採るなら、1つの媒体に積むより、複数の媒体に分けて出すほうが採用につながりやすい、というのが私たちの見立てです
  • 採ったあとの教える時間まで逆算する — 12月の山に間に合わせるには、それまでに一人で立てるようになっている必要があります

もう1つの打ち手が、期間を区切った時給の上乗せです。

代表・中野谷のひとこと

例えば期間限定で、今のスタッフも含めて、繁忙期だけ時給を上げる。その後はこの金額になりますということを、あらかじめ伝えながらやっていく、という方法もあります。

上乗せするなら、期間と終わったあとの時給を、求人と労働条件通知書の両方に書いておきます。新しく入る人だけでなく、今いるスタッフも同じ扱いにするのがポイントです。新人だけ時給が高いと、今いる人の気持ちが離れます。

あわせて、最低賃金の発効日も確かめてください。2026年度の地域別最低賃金は都道府県ごとに発効日が違い、11月や12月に発効する県もあります。最も遅いのは沖縄県の12月2日です(出典: 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」)。年末のシフトを組む時点の時給が、その月の最低賃金を下回っていないかを見ておきます。時給の決め方はアルバイトの時給の決め方で詳しく書いています。

シフト: 希望休を早めに集め、いちばん忙しい日から埋める

年末年始のシフトで揉めやすいのは、休みたい日が全員同じになることです。次の順番で進めると、調整が楽になります。

  1. 年末年始の希望休の締切を、ふだんより早く設定して伝える
  2. いちばん忙しい日から先に、誰が入るかを決める
  3. 休みが重なった日は、年末と年始で交代するなど、全員が同じ条件になるように振り分ける
  4. 確定したシフトは早めに全員に出す

秋のうちに、一人ずつ年内の働き方の希望を聞いておくことも大切です。扶養の範囲を気にして、年末が近づくと働く時間を減らしたいという人がいます。学生なら、帰省や試験で抜ける時期があります。12月になってから分かると、穴を埋める手立てがありません。学生スタッフの時期ごとの動きは学生バイトの採用のコツにまとめています。

正月に店を開けるかどうかも、売上だけで決めないようにしてください。開けるなら、その日に働きたいと思っている人がいるか。無理に人を入れて満足度が下がり、年明けに辞められてしまえば、正月の売上以上のものを失います。希望の出し方と確定日のルールは店舗の定着率を上げるシフト設計、短い時間だけ入れる人を増やす方法は時短勤務・短時間シフトでスタッフ不足を乗り切るを参考にしてください。

集客: 営業日の告知と、予約の受け皿を先に整える

年末は、黙っていてもお客様が来やすい時期です。だからこそ集客で大事なのは、新しいお客様を呼ぶことより、来てくれるお客様を取りこぼさないことです。

まず、年末年始の営業日と営業時間を早めに決めて、店頭・予約サイト・SNS・Googleビジネスプロフィールに出します。Googleビジネスプロフィールには、祝休日や特別なイベントのときに使える特別営業時間の設定があり、通常の営業時間と変わらない場合でも、祝休日の営業時間を設定しておくことが勧められています。連続して7日以上休業する場合は、特別営業時間ではなく臨時休業として扱います(出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「特別営業時間を設定する方法」2026年10月確認)。

次に、予約の受け皿を人の数に合わせます。予約サイトの受付枠を、確定したシフトで回せる数にしておかないと、受けた予約をこなせずにお客様にもスタッフにも負担をかけます。私たちの店舗では、人がそろうまでは集客の広告を強めないと決めています。体制が整う前にお客様だけ増やしても、満足してもらえずに次につながらないからです。

年末の予約は、いつものお客様から埋まっていきます。来店したお客様に年内最後の予約や、年明けの予約をその場で案内しておくと、1月の落ち込みも小さくできます。「年末限定」の案内を出すときは、ふだんの価格を偽って安く見せるような書き方にならないよう注意してください。

10月から1月までの準備カレンダー

ここまでの準備を、時期ごとに並べるとこうなります。

時期 採用 シフト 集客
10月 去年の数字から必要な人数を出し、足りなければすぐ求人を出す 一人ずつ年内の働き方の希望を聞く 年末年始の営業日と営業時間を決める
11月前半 採用した人の研修を詰めて進める 年末年始の希望休を締め切る 店頭・予約サイト・SNSで告知を始め、Googleの特別営業時間を登録する
11月後半 時給の上乗せをするなら期間と条件を伝える。最低賃金の発効日を確かめる 12月のシフトを確定して全員に出す 予約の受付枠を確定したシフトに合わせる
12月 来年の採用をいつ動かすかを決める 欠員が出たときの連絡の順番を決めておく 来店したお客様に年明けの予約を案内する
1月 年末に足りなかった人数を記録する 年末年始の休みの振り分けを記録する 年末年始の売上・予約の数字を残す

表の1月の行がいちばん大事です。今年の年末に何が起きたかを記録しておけば、来年は10月を待たずに、夏のうちから採用を始められます。どの時期に採用ができたかを店ごとに集計しておくと、翌年に求人を出す時期や、止める時期の判断にも使えます。

まとめ

  • 準備は去年の数字から。合計ではなく、いちばん忙しかった日に何人必要だったかを確かめる
  • 採用は年末に近づくほど難しい。求人を止めず、媒体を分け、教える時間まで逆算する。時給の上乗せは期間と終わったあとの時給を先に伝え、今いる人も同じ扱いにする
  • シフトは希望休を早めに締め切り、忙しい日から埋める。扶養や帰省・試験の事情は秋のうちに聞く
  • 集客は営業時間の告知と、人の数に合った予約の受け皿が先。今年の年末を記録して、来年の準備を夏から始める

次の一歩は、去年の11月から1月の売上と出勤人数を、日ごとに1枚の表に並べることです。いちばん忙しかった日に何人いたかが分かれば、今年あと何人必要かが見えてきます。

動画で見る

代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。

【年末年始対策】もう遅い? 2026年の店舗運営トレンドと、今からできる準備
年末年始に向けて採用が取りづらくなる理由と、求人を止めない・媒体を分けるといった、この時期の採用の考え方を代表が話しています。

よくある質問

年末年始に向けた店舗の準備は、いつから始めればよいですか?

秋のうちに始めるのがおすすめです。採用は年末に近づくほど競争が激しくなり、シフトの希望休も早く集めるほど調整がしやすくなります。12月に入ってから動くと、人の手当ても告知も間に合わないことが多くなります。

年末に向けてアルバイトを採用するのは難しいですか?

難しくなります。年末に人がほしい店が一斉に求人を出し、飲食店の求人は特に増えます。同じ時期に辞める人も出やすいので、どうしても採るなら、求人を止めずに出し続け、1つの媒体に予算を集めず複数に分けて出します。

年末年始のシフトは、どう組めばよいですか?

希望休を早めに締め切り、いちばん忙しい日から先に埋めます。扶養の範囲を気にして年末に働く時間を減らしたい人や、帰省や試験で抜ける学生もいるので、秋のうちに年内の希望を一人ずつ確かめておきます。

年末年始の営業時間は、どこで知らせればよいですか?

店頭と予約サイト、SNSに加えて、Googleビジネスプロフィールの特別営業時間に登録しておくと、Googleマップで店を調べた人にも正しい営業時間が伝わります。休業が長く続く場合は、臨時休業の扱いになることもあるので、ヘルプで確かめてください。

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