学生バイトの採用のコツ|募集の時期、時間帯の分け方、18歳未満を雇うときのルール
この記事の結論
学生バイトの採用は、新学期や春休み明けなど学生が動く時期に合わせて募集を始め、放課後・土日・長期休みといった時間帯で求人を分けて出すのが近道です。高校生など18歳未満には深夜に働かせられないなどの決まりがあるため、深夜を含む時間帯は別の求人にして、年齢は時間帯と並べて書きます。
学生のアルバイト採用は、同じ求人を出していても、出す時期によって反応が大きく変わります。私は前職でアルバイト向けの求人媒体に約10年携わり、いまは店舗の採用を支援しながら自社でも店舗を運営しています。その経験から言うと、学生採用で結果を分けるのは、原稿の言い回しよりも「いつ出すか」と「どの時間帯で切るか」です。
この記事では、学生が動く時期のつかみ方、放課後や土日に合わせた求人の分け方、高校生など18歳未満を雇うときの法律の決まり、応募が来てからの連絡までを順に整理します。法律の部分は、2026年10月時点で厚生労働省が公開している案内に沿っています。
学生が動く時期に、募集の山を合わせる
学生のアルバイト探しは、生活の区切りに集まります。時間割が決まり、部活やサークルの予定が見えてきて、空いた時間を埋めようと考えたときに探し始めるからです。
私がいちばん分かりやすいと感じているのは4月です。新しく大学に入った学生がアルバイトを探し始めますし、3月で前の仕事を辞めたフリーターの方も動きます。一方で、時間割が固まってから探し始める学生もいるので、4月の下旬から5月にかけて、もう一度動きが出ることがあります。
時期ごとの動きを、私たちの見立てとしてまとめると次のとおりです。
| 時期 | 学生・求職者の動き | 店がやること |
|---|---|---|
| 12月 | 年末で、求職者全体の動きが鈍くなる | 広告費をかけすぎない。年明けの準備をしておく |
| 1〜2月 | 年明けから探す人が増える。3月末で辞める人の穴を埋めたい店の求人も増える | 春に抜ける人数を読んで、早めに出す |
| 3月末〜4月 | 新学期。新しく大学に入った学生が探し始める。ほかの店は募集を緩め始める | 学生が働ける時間帯の求人をそろえて出す |
| ゴールデンウィーク | 休みの間は、求人があまり見られない | 連休の前までに応募を集めきる |
| 4月下旬〜5月 | 時間割が固まってから動く学生が出てくる | 春に出した求人を止めずに続ける |
ゴールデンウィークは「休みだから求人を見る人が多いだろう」と思われがちですが、私は逆だと見ています。休んでいる間は仕事のことを考えたくない人が多く、求人が見られるのはむしろ連休が明けて忙しさが戻ったころです。連休に合わせて広告費を厚くするより、連休の前に集めきるほうが効率的です。
個人的には、ほかの店が募集を緩める4月から6月が、1年でいちばん採用しやすい時期だと考えています。学生を戦力にしたい店にとっては、ここが勝負どころです。
もう一つ見落とされやすいのが、春休み明けです。春休みの間は昼間にも入ってくれていた学生が、授業が始まると昼に入れなくなります。春休み中の人数を前提にシフトを組んでいると、4月に昼の時間帯が急に回らなくなります。私たちの店舗でも、忙しくなる時期から逆算して採用を始めるようにしています。抜ける人数を先に読み、その前に募集を出しておくのが基本です。
放課後・土日・長期休みで求人を分ける
求人サイトは、求職者が探している条件に合わせて求人を表示します。すべての時間帯をまとめた1本の「スタッフ募集」では、「授業のあと、夕方から働きたい」と探している学生の条件とかみ合いません。学生に来てほしいなら、学生が働ける時間帯で求人を切り出します。
- 平日の夕方から夜(授業のあとに入れる時間帯)
- 土日祝が中心の枠
- 夏休みや春休みなど、長期休みの間だけの枠(実際に短期の募集がある場合)
分けた求人は、時間帯・主な仕事・時給を実態に合わせて書き分けてください。文面を複製しただけの求人は、媒体側で重複とみなされることがあります。
そのうえで、学生が気にすることに先回りして答えます。
| 学生が気にすること | 求人での書き方の例 |
|---|---|
| 試験期間に休めるか | 試験期間はシフトを減らせます。2週間前までに相談してください |
| 週に何日、何時間から入れるか | 週2日・1日3時間から相談できます |
| 授業のあとに間に合うか | 平日は17時以降の開始もできます |
| 初めてでも大丈夫か | 最初の数回は、先輩と一緒に入ります |
| どんな人と働くか | 一緒に働くスタッフの写真をそのまま載せる |
とくに試験期間の扱いは、学生にとって応募するかどうかを分ける項目です。厚生労働省も、高校生などのアルバイトについて、学業とアルバイトの両立に配慮して勤務シフトを作ることが望まれるとしています(出典: 厚生労働省・都道府県労働局「高校生等のアルバイトに関する労働基準法等の基礎知識」2026年7月版)。求人に書いておけば応募のきっかけになり、入ってから試験のたびに気まずい思いをさせることも減らせます。シフトの組み方は店舗の定着率を上げるシフト設計にまとめています。
求人の中で学生に呼びかけるのは問題ありません。厚生労働省のQ&Aでは、「学生歓迎」は年齢制限に当たらない一方、「35歳未満の方歓迎」のような書き方は実質的な年齢制限で適当ではないとされています(出典: 厚生労働省「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」)。4月の求人なら、「学生歓迎」「アルバイトが初めての方も歓迎」を前に出すと、新しい生活が始まった学生に届きやすくなります。反対に、学年や年齢で応募を断る書き方は、年齢制限と受け取られるおそれがあるので避けてください。
写真は、実際に一緒に働くメンバーをそのまま写すのが基本です。学生のスタッフが働いている店なら、その姿が見えるだけで「自分にもできそう」と感じてもらいやすくなります。
高校生など18歳未満を雇うときの決まり
高校生を採用する店は、労働基準法の年少者(18歳未満)に関する決まりを押さえておく必要があります。厚生労働省の案内にある主なものは次のとおりです(出典: 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「高校生等を使用する事業主の皆さんへ」2026年4月版)。
- 深夜業の制限: 原則として、午後10時から翌日の午前5時までの深夜の時間帯に働かせることはできません(第61条)
- 時間外・休日労働の制限: 時間外労働や休日労働をさせることはできません(第60条)
- 年齢証明書の備え付け: 年少者の年齢を証明する公的な書面を、事業場に備え付けなければなりません(第57条)
- 危険・有害な業務の制限: 重い物を扱う業務など、就かせることができない業務が決まっています(第62条)
- 最低年齢: 原則として、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで(中学生以下)は使用できません。例外は、健康や福祉に有害でない軽い仕事について労働基準監督署長の許可を受けた場合などに限られます(第56条)
閉店が遅い店では、高校生に入ってもらえるのは22時までに終わる枠に限られます。高校生にも来てほしい店と、深夜帯を埋めたい店とでは、求人の組み方そのものが変わります。
- 高校生にも入ってもらいたい時間帯は、22時までに終わる求人として切り出す
- 深夜を含む時間帯は、別の求人にする
- 深夜を含む求人には、時間帯と年齢を並べて書く
深夜を含む求人の書き方には決まりがあります。募集や採用で年齢を制限することは労働施策総合推進法で原則として禁止されていますが、18歳未満の深夜業の禁止のように、法令で年齢の制限が設けられている場合は例外として認められています(出典: 厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」、同「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」)。同じQ&Aでは、深夜業がある求人には下限の年齢を書く必要があり、その際は「午前1時〜4時までは深夜業のため18歳以上」のように、深夜の時間帯と年齢を並べて書くことが望ましいとされています。
つまり、求人全体を「18歳以上」にするのではなく、「22時以降の勤務は深夜業のため18歳以上」のように書き、22時までの時間帯は年齢を問わずに募集します。なお、中学生以下を雇えないという最低年齢の決まりは、社会通念上当然に認識されているものとして、求人にわざわざ書く必要はないとされています(同Q&A)。
時給と保険も確認しておきます。学生であっても、都道府県ごとに決められた最低賃金以上を支払う必要があります。2026年度の最低賃金は、10月1日から12月2日までの間に都道府県ごとに順次発効します(出典: 厚生労働省「令和8年度最低賃金額答申」2026年9月)。また、昼間の学生は雇用保険の対象になりません(定時制高校の生徒など、昼間学生に当たらない人は別です)。労災保険は、アルバイトかどうかにかかわらず対象です(出典: 厚生労働省・都道府県労働局「高校生等のアルバイトに関する労働基準法等の基礎知識」2026年7月版)。細かい適用で迷ったときは、労働基準監督署やハローワークに確認してください。
連絡は、メールだけに頼らない
学生の応募でよく起きるのが、応募は来たのに連絡がつかないケースです。私がよくお伝えしているのは、応募した人が求人サイトからのメールをほとんど見ていないことも多い、ということです。メールを1通送っただけ、電話を1回かけただけでは、そもそも気づいてもらえないことがあります。
連絡がつかない人の中には、気づいたときには数日たっていて、いまさら連絡しづらいと感じてそのまま離れてしまう人もいます。だから最初の目標は、相手に「気づいてもらう」ことです。
- 応募が来たら、その日のうちに連絡する
- 媒体のメッセージ、メール、SMS、電話を重ねて使う
- SMSには「面接の案内をメールで送りました」と一言だけでも書く
- 面接の候補には、授業のあとの時間帯や土日も入れておく
面接の時間帯については、当社のデータも参考になります。当社がAI面接を導入した支援先6社で、面接を受けた1,117人のうち50.9%は、平日9〜18時以外(夜間・早朝・土日祝)に受けていました(出典: 当社「店舗採用データ 2026」AI面接、2026年5月19日〜9月26日。学生に限った数字ではなく、店舗ビジネスを中心とした当社支援先の実績で、市場平均ではありません)。日中に授業がある学生ならなおさら、店が平日の昼にしか面接を用意していないと、それだけで機会を逃します。
面接の日は、できるだけ近い日で決めます。前日には確認の連絡を入れ、店までの道順と、迷ったときの連絡先を添えておくと安心です。応募から面接までの流れは応募対応のスピード設計に、当日来ない問題への備えは面接ドタキャンと連絡がつかない問題の対策にまとめています。
入ってからの最初の数回で、続くかが決まる
採用できても、最初の数回で「自分には無理かもしれない」と感じると、学生は早く離れてしまいます。私がおすすめしているのは、仕事を覚える最初の期間をできるだけ短い間に詰めることです。週1回ずつだと、前回覚えたことを忘れかけたところから始まり、教える人も日によって変わるので、いつまでたっても新人のままになってしまいます。最初だけは間を空けずに入ってもらい、できれば同じ人が続けて教えると、覚えたことが積み上がります。
授業がある時期は、最初の期間を詰めにくいこともあります。長期休みに合わせて採用すると、この期間を組みやすくなります。また、初日を店がいちばん忙しい日にするのは避けてください。手が回らない中に新人が入ると、居場所がないと感じさせてしまいます。入社後の流れは新人がすぐ辞める店舗の共通点と、3ヶ月のオンボーディング設計で詳しく書いています。
学生の採用では、スタッフからの紹介も試す価値があります。いつでも募集している状態にしておくより、期間を決めて店のみんなで声をかけるほうが動きやすくなります。紹介された人にも求人ページから応募してもらうと、ほかの応募者と同じ流れで選考でき、合わなかったときにも気まずくなりにくくなります。
まとめ
- 学生が動く時期に募集の山を合わせる。4月から6月はほかの店が募集を緩める時期で、春休み明けに昼間の人が抜けることも先に読んでおく
- 放課後・土日・長期休みで求人を分け、試験期間の扱いを書く。「学生歓迎」はよいが、学年や年齢で応募を断らない
- 18歳未満は原則として午後10時から午前5時までは働けない。深夜を含む求人は別に分け、「22時以降は深夜業のため18歳以上」のように時間帯と年齢を並べて書く
- 連絡はメールだけに頼らず、SMSや電話を重ねて、まず気づいてもらう
まずは、次に学生が動く時期を逆算して、募集を始める日をカレンダーに入れてみてください。時期を外さないことが、学生採用でいちばん効く打ち手です。
動画で見る
代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。
4月に学生、とくに新しく大学に入った学生がアルバイトを探し始めることや、ゴールデンウィーク中は求人が見られにくいこと、4月から6月が採用しやすい理由を代表が話しています。
メールを見ない応募者にも気づいてもらうための連絡の重ね方と、新人が仕事を覚える最初の期間を短く詰める考え方を代表が話しています。
よくある質問
学生バイトの募集はいつ始めるのがよいですか?
学生が動く新学期の前後に合わせるのが基本です。4月は新しく大学に入った学生が探し始め、時間割が固まったあとにもう一度動きがあります。春休みが明けると昼間に入っていた学生が抜けるので、その前に募集を出しておくと穴が空きにくくなります。
高校生をアルバイトで雇うときに気をつけることは何ですか?
厚生労働省の案内では、18歳未満の人は原則として午後10時から午前5時までの深夜に働かせることができず、時間外労働や休日労働もさせられません。また、年齢を証明する公的な書面を事業場に備え付ける必要があります。
求人に「18歳以上」や「高校生不可」と書いてもよいですか?
募集で年齢を制限することは原則として禁止されています。深夜の時間帯がある場合は法令による例外として年齢を書けますが、厚生労働省のQ&Aでは、深夜の時間帯と年齢を並べて書くことが望ましいとされています。「22時以降は深夜業のため18歳以上」のように書き、それ以外の時間帯は年齢を問わずに募集してください。
「学生歓迎」と書くと年齢制限になりますか?
厚生労働省のQ&Aでは、「学生歓迎」は年齢制限に当たらないとされています。一方で、年齢を区切って歓迎する書き方は、実質的な年齢制限として適当ではないとされています。
中学生をアルバイトで雇うことはできますか?
原則としてできません。労働基準法では、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童は使用できないとされています。例外は、健康や福祉に有害でない軽い仕事について労働基準監督署長の許可を受けた場合などに限られます。