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店舗のSNSで採用もする|集客アカウントと採用の発信の分け方

この記事の結論

店舗のSNSで採用もするなら、最初から採用専用のアカウントを作るより、いまある集客のアカウントの中に「働く人が見える投稿」と「応募の入口」を足すほうが続きます。分けるべきなのはアカウントより、働きたい人からの問い合わせに返事をする人と、応募者の情報を置く場所です。採用専用のアカウントは、発信を続ける人と時間を確保できてから考えます。

店のInstagramは、お客さまを呼ぶために続けている。そこで求人も出したいけれど、集客のアカウントに求人を流してよいのか、採用専用のアカウントを作るべきなのか。店舗の経営者からよく受ける相談です。

結論から言うと、店舗が少ないうちは、採用専用のアカウントを作るより、いまある集客のアカウントの中に「働く人が見える投稿」と「応募の入口」を足すほうが続きます。分けるべきなのはアカウントより、働きたい人からの問い合わせに返事をする人と、応募者の情報を置く場所です。

この記事では、アカウントを分けるかどうかの比べ方、集客のアカウントに足す採用の発信、投稿で守るルール、問い合わせの返し方を整理します。店のInstagramを集客の受け皿として整える順番は店舗のInstagram活用、こちらからDMを送って採用するやり方はInstagram採用(SNSスカウト)の始め方で書いているので、この記事は「1つの店のSNSを、集客と採用でどう使い分けるか」に絞ります。

お客さまと、働きたい人は同じ投稿を見ている

求人サイトで店を見つけた人も、応募する前に、店のホームページやSNSを開いて雰囲気を確かめています。

代表・中野谷のひとこと

求人サイトを見て、ホームページを見て、応募するとか、実際に行ってみて応募するとか、インスタを見て応募するとか。最終的に応募する場所はIndeedだったりするんですけど、いろんなところを見ていく中で、御社のカラーっていうのは出ているはずなので。

つまり、店のSNSは、すでに採用の場になっています。集客のために載せている店の中の写真や、スタッフの接客の様子を、働きたい人も同じように見ています。

もう一つ、SNSには、仕事を探していない人にも届くという特徴があります。代表の中野谷は、Instagramに求人の広告を出すことについて、「今働いている人でも見てくれるし、今転職しようと思っていない人も見てくれる。これがメリット」と話しています。求人サイトに来るのは、いま仕事を探している人だけです。店のSNSは、いつか働いてみたいと思う人に、先に店を知ってもらう場所にもなります。

1つのアカウントでやるか、分けるか

集客と採用を1つのアカウントでやるか、採用専用のアカウントを分けるかは、店の数と、発信を続けられる人の数で決めます。

集客のアカウントの中でやる 採用専用のアカウントを作る
向いている店 店舗が少ない。発信する人が限られている 店舗が多い。採用を一年中している。発信を担当する人がいる
よいところ いまのフォロワーと投稿をそのまま生かせる。店の雰囲気がそのまま伝わる 採用の情報だけを探しやすい。仕事の中身や働き方を深く書ける
気をつけること 求人の投稿ばかりにしない。募集している期間を絞る 立ち上げに時間がかかる。更新が止まると、見た人をかえって不安にさせる

私たちの見立てでは、1店舗から数店舗のうちは、集客のアカウントの中でやるほうが現実的です。採用専用のアカウントは、立ち上げてもフォロワーがいないところから始まります。発信を続ける人と時間が確保できないまま作ると、更新が止まったアカウントが残るだけになりがちです。

集客のアカウントに足す、採用の発信

集客のアカウントで採用もするときは、求人の告知をたくさん流すより、働く人の様子が自然に伝わる投稿を、ふだんの投稿の中に混ぜていきます。

ふだんの投稿に混ぜるもの - スタッフの1日の流れ(開店前の準備、休憩、閉店後) - 新しく入った人が、最初にどう教わるか - 休みやシフトの決め方 - スタッフ自身の言葉による、この店で働いて感じていること - お客さまからは見えない店の裏側(スタッフの休憩の場所など)

こうした投稿は、お客さまにとっても「この店の人たちはこういう人たちなんだ」と分かる投稿になります。集客と採用のどちらかに偏らず、両方に効く投稿です。

応募の入口を決めておく - プロフィールのリンクから、求人のページか応募のページへ行けるようにする - 採用の投稿を、プロフィールからまとめて見られるようにしておく - 募集している期間だけ、求人の案内の投稿を出す

私たちの店舗でも、お客さま向けのInstagramを自分たちで運用しています。スタッフの紹介や店の雰囲気を伝える投稿に「働きたい」とコメントしてくれた人へ、求人の案内を返す入口を準備しています。お客さまとして店を気に入ってくれた人が、働く場所としても店を見てくれるきっかけにしたいと考えています。

投稿で守ること

採用の発信は、集客の投稿よりも気をつけることが増えます。

写っているスタッフの同意を取る 顔や名前を出してよいか、本人に確かめてから載せます。辞めたあとに投稿をどうするかも、先に決めておきます。写真の撮り方の考え方は求人写真の撮り方でまとめています。

性別や年齢で、来てほしい人を絞らない 求人の投稿の言葉や写真で、性別や年齢を限るような表現は避けます。写真は、実際に一緒に働いているメンバーをそのまま写します(出典: 厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」)。

求人の条件は、正確で最新に保つ 職業安定法では、労働者の募集を行う者が広告などで求人の情報を出すときは、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確で最新の内容に保たなければならないとされています(出典: e-Gov法令検索「職業安定法」第5条の4、2026年10月確認)。この広告などには、インターネットで情報を発信する方法も含まれます(出典: 同法施行規則第4条の3、2026年10月確認)。厚生労働省は、求人企業が求人情報を正確・最新に保つための措置として、募集を終えたり内容を変えたりしたら速やかに情報の提供を終了・変更すること、いつの時点の求人情報かを明らかにすることなどを挙げています(出典: 厚生労働省「職業安定法 改正のポイント」)。

SNSの投稿は、あとから直し忘れやすいものです。給与や勤務時間などの条件は求人のページにまとめて書き、投稿からはそのページにつなぐ形にすると、直す場所が1か所で済みます。募集を終えたら、求人の投稿を消すか、終了したことを書き添えます。

問い合わせの返事は、予約とは分けて扱う

SNSで採用もすると、DMやコメントで「働いてみたい」という連絡が届くようになります。ここで大事なのは、予約や問い合わせの返事と同じ流れに混ぜないことです。

  • 働きたい人への返事を、誰がするかを決める(店長に任せきりにしない)
  • 予約のDMと見分けられるようにして、返し忘れを防ぐ
  • 返事は早めに。お礼と、求人のページや応募の方法を伝える
  • 履歴書の写真など、細かい個人情報をDMで集めない

職業安定法では、労働者の募集を行う者が応募者の個人情報を集めるときは、業務の目的の達成に必要な範囲で、目的を明らかにして集め、その範囲で保管・使用することが求められています(出典: e-Gov法令検索「職業安定法」第5条の5、2026年10月確認)。応募の情報は、DMの中に置いたままにせず、応募のフォームや決めた場所に集めます。

お客さまに求人を案内するときは、来店中にその場で返事を求めないようにします。「もし興味があれば、プロフィールに求人のページがあります」と場所だけ伝えれば十分です。お店のLINEの友だちへの案内の考え方は店舗のLINE公式アカウント活用でも触れていますが、お客さまとしての関係を大事にしたまま、働く場所としても見てもらう、という順番は同じです。

見るべき数字は「SNSから何人応募したか」

SNSでの採用の手応えは、フォロワーの数では分かりません。応募のフォームや面接のときに「何を見て応募しましたか」と聞き、SNSを見て応募した人の数、そのうち面接に来た人と採用した人の数を記録します。採用の投稿を出した月と出さなかった月で比べると、どの投稿が応募につながっているかが見えてきます。

まとめ

  • お客さまと働きたい人は、同じ投稿を見ている。店舗が少ないうちは、集客のアカウントの中に、働く人が見える投稿と応募の入口を足す
  • 写るスタッフの同意を取り、性別や年齢で絞らず、条件は求人のページで正確・最新に保つ。募集を終えたら投稿を消すか終了を書き添える
  • 働きたい人からの連絡は、予約とは分けて、返事をする人と情報を置く場所を決める

次の一歩として、いまの店のアカウントのプロフィールを、働きたい人の目で開いてみてください。求人のページまで迷わずに行けるか、働く人の様子が分かる投稿があるかを確かめると、足すべきものが見えてきます。

よくある質問

採用専用のSNSアカウントは作ったほうがいいですか?

店舗が少なく、発信する人も限られているうちは、集客のアカウントの中で採用の発信を足すほうが続きます。店舗が多く、採用を一年中している、発信を担当する人がいる、といった条件がそろったら、採用専用のアカウントを考えます。更新が止まったアカウントは、かえって見た人を不安にさせます。

店のアカウントに求人を載せると、お客さまに嫌がられませんか?

求人の投稿ばかりになると、お客さまにとって見たい情報が埋もれます。ふだんは、働く人の様子や店の裏側を、お客さまにも楽しめる形で発信し、求人の案内は募集している期間に絞ります。働く人が見える投稿は、お客さまの安心にもつながります。

SNSの投稿に給与や条件を書くときの注意点はありますか?

職業安定法により、求人の情報を広告などで出すときは、虚偽や誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確で最新の内容に保つ必要があります。インターネットでの発信もこの広告などに含まれます。条件は求人のページにまとめて書いて投稿からつなぎ、募集を終えたら投稿を消すか、終了したことを書き添えます。

DMで「働きたい」と連絡が来たら、どう返せばいいですか?

誰が返事をするかを先に決め、予約の連絡とは分けて扱います。お礼と、求人のページや応募の方法を早めに返し、履歴書の写真など細かい個人情報はDMで集めません。応募者の個人情報は、使う目的を明らかにして、必要な範囲で扱います。

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