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店舗のLINE公式アカウント活用|予約とリピートにつなげる基本

この記事の結論

店舗のLINE公式アカウントは、一斉配信で新しいお客さまを呼ぶ道具というより、来てくださったお客さまと予約・問い合わせ・来店前の確認をやりとりし、次の来店につなげる「店の連絡口」として使うと効きます。始める前に決めるのは、誰がいつ返信するか、何を自動にするか、配信を誰にどのくらいの頻度で送るか、の3つです。

お店のLINE公式アカウントを作ったものの、友だちはあまり増えず、たまにクーポンを配信するだけになっている。あるいは、問い合わせには返しているけれど、誰がいつ返すのか決まっておらず、気づくと返事が遅れている。店舗の経営者から、そんな声をよく聞きます。

採用の仕事のかたわら、私たちはリラクゼーションとホワイトニングのサロンを自分たちで運営しています。お店の予約のやりとりや来店前の問診には、LINE公式アカウントを使っています。新しいお店のLINEも、いまのお店の使い方を見直しながら立ち上げました。この記事では、その経験をもとに、店舗のLINE公式アカウントを予約と次の来店につなげる基本をまとめます。

LINE公式アカウントは「新規を呼ぶ道具」より「店の連絡口」

最初に考え方をそろえておきます。LINE公式アカウントの友だちになってくれるのは、多くの場合、すでに来店したことがあるか、お店を知っている人です。だから、見知らぬ人を呼ぶ広告とは役割が違います。

私たちが店舗でLINEに任せているのは、次のような仕事です。

  • 予約の相談や日時の変更、キャンセルの連絡
  • 場所や営業時間、メニューのように、よく聞かれることへの案内
  • 来店前の問診(体の状態や、施術の希望を事前に答えてもらう)
  • 来店後のお礼と、次の予約の案内
  • 空き状況や季節のお知らせの配信

どれも、お客さまと店のあいだのやりとりです。このやりとりがLINEにまとまると、電話や予約サイトのメッセージに散らばっていた連絡が1か所に集まり、次の来店のきっかけもつくりやすくなります。

できることと料金(2026年10月時点)

LINE公式アカウントの主な機能は次のとおりです(出典: LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント」2026年10月確認)。

機能 店舗での使い道
メッセージ配信 友だち全体や、条件で絞った相手にお知らせを送る
LINEチャット お客さま一人ひとりと、予約や問い合わせをやりとりする
リッチメニュー トーク画面の下に固定のメニューを出す。アクセス・メニュー・予約の方法などを置く
ステップ配信 友だち追加からの日数など、決めたタイミングでメッセージを自動で送る
ショップカード LINE上でポイントカードを発行する
クーポン 来店時に使えるクーポンを作って配信する

料金は、2026年10月時点で3つのプランがあります(出典: LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」2026年10月確認)。

プラン 月額(税別) 無料で送れるメッセージ 追加のメッセージ
コミュニケーションプラン 0円 200通 送れない
ライトプラン 5,000円 5,000通 送れない
スタンダードプラン 15,000円 30,000通 追加で送れる(単価は配信数で変わる)

ここで大事なのが通数の数え方です。通数は「メッセージを送った回数×送った友だちの数」で数えます。仮に友だちが800人いるお店が月に2回一斉配信すると、それだけで1,600通です。一方で、友だちとの1対1のチャット、応答メッセージ、あいさつメッセージは通数に数えられません。つまり、予約や問い合わせのやりとりが中心なら、無料のプランでも十分に回ることがあります。コミュニケーションプランとライトプランは無料の通数を超えると追加で送れないので、配信を増やす前に、友だちの数と配信の回数から必要な通数を見積もっておきます。

使い道1: リッチメニューで「よく聞かれること」を減らす

LINEを店の連絡口にするとき、最初に整えたいのがリッチメニューです。トーク画面の下にいつも出ているメニューなので、お客さまが自分で答えにたどり着けます。

私たちの店舗では、リッチメニューに「アクセス」「メニュー」「スタッフ紹介」「問診票」を置いています。ボタンを押すと、それぞれの案内が自動で返る形です。電話やチャットで毎回同じ質問に答える手間が減り、スタッフは予約の調整のような、人が判断すべきやりとりに時間を使えます。

置くボタンは、実際によく聞かれていることから選びます。店のスタッフに、ここ1ヶ月でいちばん多かった質問を3つ挙げてもらうと、最初のメニューはだいたい決まります。

使い道2: 来店前の問診をLINEで受け、来店ごとに記録する

サロンや整体のように、施術の前に体の状態や希望を聞くお店なら、問診をLINEで受けると便利です。私たちの店舗では、初めての方用と、2回目以降の方用の問診票を分けて、来店前にLINEで答えてもらっています。2回目以降の方の問診は、その日の過ごし方の希望や、触ってほしくない部分など、来店のたびに変わることだけに絞っています。

初めての方の問診には、「どこでお店を知ったか」の質問を入れておくと、集客の打ち手がどれくらい効いているかを数えられます。新しいお店を開けたときには、選択肢に「既存のお店から」を足して、元のお店から来てくださった方を数えられるようにしました。

紙の問診票やカルテのままだと、お客さまの記録がまとまりにくいことがあります。

代表・中野谷のひとこと

この人は来たの、来てないの? っていうところが、きれいにまとまっていないじゃん、お客さまの管理が。それも電子でできないかなって、ちょっと思っちゃってるんです。

記録は、来店ごとに1件ずつたまる形にしておくと、担当が替わっても前回の様子が分かります。体の状態に関わる答えなど、扱いに気をつける情報は、見られる人を絞り、聞く項目も必要なものだけにします。何のために聞くのかを問診票に書き添えておくと、お客さまも答えやすくなります。

使い道3: 次の来店につなげる配信は「少なく、確かに」

一斉配信は、次の来店のきっかけになる一方で、送りすぎるとブロックされやすくなります。自分が必要なとき以外に何度も通知が来れば、うるさいと感じて連絡を断つのは、お客さまとして自然なことです。

私たちの店舗で続けている形は、次のとおりです。

  • 来店後のお礼 — お礼と一緒に「次のご予約はトーク画面下のメニューから」と、予約の方法を一言添える
  • 空き状況のお知らせ — 予約が取りやすい日をまとめて伝える
  • 一斉配信 — 月に1回ほど、画像1枚と短い本文のセット。季節のあいさつや空き状況、お知らせを載せる
  • 送る前の確認 — 本番の前に、店のテスト用のアカウントに1通送って、文面と画像の見え方を確かめる
  • 送らない相手を外す — 対応の状況ごとに目印を付けておき、配信の対象から外すべき人を外す

次回予約そのものを増やす声かけや記録のしかたは、サロンの次回予約率・リピート率を上げるにまとめています。LINEは、店で取りきれなかった次の予約を、あとから取りに行くための道具だと考えています。

友だちを増やす入口は、店の中に置くのがいちばん確実です。会計の場所のQRコード、予約確認のメッセージ、お見送りのときの一言などです。友だち追加の特典としてクーポンを出すなら、通常の価格と比べて誤解を招く表示にならないよう、条件と期限をはっきり書きます。口コミのお願いと同じ場所にQRコードを並べる場合は、口コミのほうには特典を付けないように気をつけてください。理由はGoogleの口コミを増やす方法で説明しています。

運用のルール: 誰が返信し、誰が配信を押すか

LINEを店の連絡口にすると、返信の遅れや漏れが、そのままお客さまの不満になります。始める前に、次の3つを決めておきます。

  1. 誰がいつ返信するか — 営業中は誰が見るのか、営業時間外の連絡にはいつ返すのか。決めておかないと、全員が「誰かが返すだろう」と思って放置されます
  2. 誰が返したかが分かるようにする — 私たちの店舗では以前、管理画面に入るログインを1つ、スタッフ全員で共用していました。そのため、誰がどのお客さまに返信したのかがシステム上は区別できず、メモに名前を手で書いていました。新しいお店では、返信した人の名前が残る形にしています
  3. 一斉配信を押せる人を限る — 一斉配信は、一度送ると取り消せない、影響の大きい操作です。私たちの店舗では、一斉配信の操作は店長と代表に限り、スタッフは1対1のやりとりとテンプレートの送信を担当しています

LINE公式アカウントには、メンバーを追加して権限を分ける仕組みがあり、2026年10月時点では、1つのアカウントに権限の種類を問わず100人まで登録できます。権限ごとにできる操作は、管理画面の表で確認できます(出典: LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 権限設定マニュアル」2026年10月確認)。よく使う返信(アクセスの案内、予約の確認、キャンセルの受け付けなど)はテンプレートにしておくと、誰が返しても同じ品質になります。

フランチャイズに加盟しているお店は、作る前に、本部にLINE公式アカウントの決まり(アカウント名やアイコン、管理の権限など)がないかを確認しておくと安心です。

お店のLINEの友だちは、採用の入口にもなる

最後に、集客とは別の使い道です。お店のLINEの友だちは、そのお店に何度か来てくれた人たちです。お店の雰囲気も、働いている人の様子も、すでに知っています。

代表・中野谷のひとこと

メニューをオーダーするものを使うと、そのままLINEに登録されちゃったりするじゃないですか、みなさん。そのLINEで登録したお客さんに対して、「うちで働きません?」っていうような仕組みづくりをしています。

求人サイトで出会う人には、お店のことを一から説明する必要があります。お店をすでに知っている人なら、その説明がいりません。お店のLINEで求人を案内するなら、何度も送るのではなく、一度だけ、きちんと理由を添えて伝えるのが基本です。お客さまとしての関係を大事にしたまま、働く場所としても見てもらう、という順番です。SNSでお店を知っている人に求人を届ける方法はInstagram採用(SNSスカウト)の始め方も参考にしてください。

まとめ

  • 店舗のLINE公式アカウントは、新規を呼ぶ道具より、予約・問い合わせ・問診・来店後のお礼をやりとりする「店の連絡口」として使う
  • 通数は「送った回数×友だちの数」。1対1のチャット・応答メッセージ・あいさつメッセージは数えられない。配信を増やす前に必要な通数を見積もる
  • 誰がいつ返信するか、誰が返したかが分かる形、一斉配信を押せる人、の3つを決めてから始める

最初の一歩は、お店でここ1ヶ月にいちばん多かった質問を3つ書き出して、リッチメニューのボタンにすることです。

よくある質問

LINE公式アカウントは無料で使えますか?

2026年10月時点では、月額0円のコミュニケーションプランがあり、無料で送れるメッセージは月200通までです。友だちとの1対1のチャット、応答メッセージ、あいさつメッセージは通数に数えられません。一斉配信を続けるなら、友だちの数と配信の回数から通数を計算して、有料のプランを検討します。

店舗のLINE公式アカウントで、最初に設定すべきことは何ですか?

友だち追加のあいさつ、よく聞かれることに答えるリッチメニュー(アクセス・メニュー・予約の方法など)、返信を誰がいつするかのルールの3つです。一斉配信は、この土台ができてからで間に合います。

一斉配信はどのくらいの頻度で送ればよいですか?

決まった正解はありませんが、送りすぎると通知をうるさく感じた人からブロックされやすくなります。私たちの店舗では、一斉配信は月に1回ほど、画像1枚と短い本文のセットを基本にしています。送る前に、店のテスト用のアカウントに1通送って見え方を確かめます。

スタッフ全員でLINE公式アカウントを返信してもよいですか?

できますが、誰がどのお客さまに返信したかが分かる形にしておくことが大切です。LINE公式アカウントには、メンバーを追加して権限を分ける仕組みがあります。一斉配信のように影響の大きい操作は、押せる人を限っておくと事故を防げます。

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