サロンの次回予約率・リピート率を上げる|店舗で決めている声かけと仕組み
この記事の結論
サロンの次回予約率を上げる基本は、施術の最後に「次はいつ頃がおすすめか」をお客さまの今日の状態に合わせて必ず一言伝え、その場で取れた予約を漏れなく記録し、新人も含めた店全体の数字としてみんなで追うことです。押し売りにはせず、「今日よかったから次も」という流れを施術とお見送りでつくるのが、私たちの店舗で決めているやり方です。
新規のお客さまは来てくれるのに、2回目につながらない。広告やクーポンで集客を続けているのに、売上が積み上がっていかない。サロンを経営していると、一度はぶつかる悩みです。
私たちは、店舗の採用を支援しながら自社でもリラクゼーションとホワイトニングのサロンを運営していて、その店舗の毎月の目標に、売上と並べて次回予約率を置いてきました。この記事では、その店舗で決めている声かけと記録のしかた、目標の置き方をまとめます。効いたことだけでなく、まだ試している途中のことも書いておきます。
次回予約率とリピート率は、見ているものが違う
似た言葉ですが、分けて考えると打ち手がはっきりします。
| 数字 | 何を表すか | 動かし方 |
|---|---|---|
| 次回予約率 | 来店したお客さまのうち、その場で次の予約を入れてくれた人の割合 | 施術の最後の声かけと、予約の取りやすさで動く |
| リピート率 | ある期間のうちに、再び来店した人の割合 | 次回予約に加えて、来店後の連絡や、店そのものの満足度の結果として動く |
次回予約率は、店の中で決まる数字です。その日の施術、最後の一言、受付での予約の取りやすさで変わります。だから、店のスタッフ全員で追いかける目標に向いています。リピート率は、その結果として少し遅れて動く数字として見ます。
もう1つ、新規のお客さまと既存のお客さまは分けて見ます。初めての方は次の予約を決めにくく、何度も来ている方は決めやすい傾向があります。合わせた数字だけでは、どこで取りこぼしているのかが見えません。私たちの店舗でも、最初は新規のお客さまの次回予約率を店の目標に置き、のちに新規・既存を合わせた次回予約率も目標にしました。
なぜ次回予約から手をつけるのか
売上は、ざっくり言えば「お客さまの数×一人あたりの単価」です。お客さまの数を増やすには、新しいお客さまを増やすか、来てくれたお客さまに続けて来てもらうか、の2つしかありません。
新しいお客さまを増やすには、多くの場合、広告やクーポンにお金がかかります。続けて来てもらうほうは、店の中の工夫で変えられます。広告費を足す前に、まず来てくれたお客さまを次につなげているかを確かめる。私たちが次回予約を店の目標に置いているのは、この順番を大事にしているからです。
声かけの基本: 押し売りではなく「次の目安」を伝える
次回予約の声かけで一番避けたいのは、押し売りに聞こえることです。私たちの店舗では、売り込むことを仕事の中心にしていません。
代表・中野谷のひとこと
セールス感はないですよ。僕たちは施術がメインで、これだけ良かったから次回予約してね、っていう流れなんです。
この考え方をもとに、施術の最後と受付で、次のことを決めています。
- 新規のお客さまには、帰る前に「次はいつ頃がおすすめか」を必ず一言伝える
- 目安は、その日のお客さまの状態や、話してくれた生活のリズムに合わせて伝える。「〇〇が治ります」のような効果の言い切りはしない
- 受付で、空いている日時をその場で見せる。「また連絡します」で帰ると、そのままになりやすい
- 断られたら追わない。LINEやWebから、あとで予約できる方法を伝えて終わる
声かけは、施術のあいだの会話とつながっています。どんな過ごし方をしたいか、どこが気になっているかを聞けていれば、次の目安も自然に伝えられます。来店前の問診で希望を聞いておく方法は店舗のLINE公式アカウント活用で紹介しています。
記録しないと、次回予約率は上がらない
声かけと同じくらい大事なのが記録です。取れた予約を記録していなければ、店全体でいくつ取れているのかが分かりません。
私たちの店舗では、施術の報告に「次回予約日」の欄を設けて、取れたら必ず記入するようにしています。それでも、ある月に次回予約率が急に下がって見えたことがありました。そのときは、まず「書き漏れなのか、本当に取れていないのか」を確かめるところから始めました。数字が急に動いたときに、いきなりスタッフの声かけを疑うと、責める話になってしまいます。
次回予約は、数えにくい数字でもあります。月の途中で「いまいくつ取れているか」を全員が把握するのは簡単ではありません。私たちが試したのは、目標を「月末の時点で、翌月の予約がいくつ埋まっているか」の形にすることです。予約の画面を見ればすぐ分かるので、月の途中でも進み具合を確かめられます。
目標は個人ではなく「店全体」で追う
次回予約率を目標にするとき、私たちは個人の目標にはしていません。新人も含めた店全体の平均で追いかけ、目標を超えたらみんなで褒める、という形にしています。
個人の率にしない理由は2つあります。1つは、担当するお客さまや入るシフトによって、取りやすさに差が出ることです。もう1つは、入ったばかりの人にとって、自分だけの率が目標に届かない月が続くと、それだけで続ける気持ちが折れやすいことです。店全体の数字なら、新人が取れなかった分を先輩が支えられますし、新人が取れた月には「店の数字に貢献した」と実感してもらえます。新人も含めた全体の数字が安定してくれば、新人が一人立ちしてきた目安にもなります。
その代わり、一人ひとりには自分で動かせる行動を置きます。「全員に次の目安を伝える」「取れた予約を必ず記録する」といった行動です。目標の決め方と、決めたあとの振り返りは店舗の月1ミーティングの進め方にまとめています。
来店後の仕組みと、まだ試している途中のこと
店の中で取りきれなかった次の予約は、来店後に取りに行きます。
- 来店後のお礼のメッセージに、次の予約の方法を一言添える
- 予約が取りやすい日を、まとめてお知らせする
- 担当が替わっても前回の様子が分かるように、来店ごとの記録を残す。同じ説明を毎回しなくてよいことは、通い続ける理由の1つになる
一方で、まだ答えが出ていないこともあります。回数券を使い切ったあとに、次の回数券や定額のプランへどうつないでいくかは、私たちの店舗でもまだ試している途中です。割引の大きさや期限の決め方は、価格の表示が誤解を招かないかも含めて、慎重に決めています。
次回予約を支えるのは、結局「人」
最後に、私たちがいちばん大事だと考えていることです。次回予約は、声かけの言葉や仕組みだけでは続きません。同じ言葉でも、楽しそうに働いているスタッフから言われるのと、疲れきったスタッフから言われるのとでは、お客さまの受け取り方が違います。
代表・中野谷のひとこと
楽しく働ける店は、接客にも活気が出ます。するとお客さまが「また来たい」と思ってくれて、売上が伸びる。その成果が給与や休みとして働く人に返り、もっと楽しく働けるようになります。
人が足りずに毎日ぎりぎりで回している店では、施術の最後に一言添える余裕もなくなります。リピートを増やしたいなら、働く人が続けられる店にすることが土台です。施術者の採用と、入ってから辞めない店の作り方は、リラクゼーション・整体サロンのセラピスト採用のコツと新人がすぐ辞める店舗の共通点と、3ヶ月のオンボーディング設計にまとめています。
まとめ
- 次回予約率は店の中で動かせる数字、リピート率はその結果として見る数字。新規と既存を分けて見る
- 声かけは押し売りではなく、今日の状態に合わせた「次の目安」を必ず一言。取れた予約は必ず記録し、数字が急に動いたら書き漏れから確かめる
- 目標は新人も含めた店全体で追い、超えたらみんなで褒める。個人には自分で動かせる行動を置く。土台は、働く人が続けられる店にすること
最初の一歩は、明日から新規のお客さま全員に、帰る前に「次はいつ頃がおすすめか」を一言伝え、取れた予約を必ず書き残すことです。
よくある質問
次回予約率とリピート率は何が違いますか?
次回予約率は、来店したお客さまのうち、その場で次の予約を入れてくれた人の割合です。リピート率は、ある期間のうちに再び来店した人の割合を指すことが多く、あとから予約して来てくれた人も含みます。次回予約率は店の中の声かけで動かしやすく、リピート率はその結果として見る数字です。
次回予約をすすめると、押し売りだと思われませんか?
「予約してください」とお願いするのではなく、今日の状態を踏まえて「次はいつ頃に来ると良いか」という目安を伝える形にすると、押し売りに感じられにくくなります。断られたら追わず、あとから予約できる方法を伝えて終わります。
次回予約率はスタッフ一人ずつの目標にしたほうがよいですか?
私たちは、個人ではなく店全体の目標にしています。担当するお客さまや入るシフトによって差が出やすく、個人の率にすると達成できなかった月に責められている気持ちになりやすいからです。個人には「全員に次の目安を伝える」「取れた予約を必ず記録する」のような行動を置きます。
新規のお客さまと既存のお客さまは分けて見たほうがよいですか?
分けて見るのがおすすめです。初めての方は次回予約が取りにくく、2回目以降の方は取りやすい傾向があるので、合わせた数字だけでは、どこで取りこぼしているかが分かりません。新規だけの数字と、新規・既存を合わせた数字の両方を見ます。