採用サイト(自社の求人ページ)は必要か|店舗の採用で「受け皿」を無料でつくる方法と、費用をかける判断
この記事の結論
採用サイトは、それだけで応募を集める道具ではなく、求人サイトで興味を持った人が応募する前に確かめに来る「受け皿」です。店舗の採用なら、まずはAirワーク 採用管理やengageの無料の採用ページで受け皿をつくり、一緒に働く人の顔と1日の流れを載せる。費用をかけて作るのは、伝えたいことが無料のテンプレートに収まらなくなってからで十分です。
「採用サイトを作りませんか」。求人を出し始めると、こうした提案が来るようになります。見せられる制作事例はどれも見栄えがよく、ただ費用は小さくありません。作れば応募が増えるのか、それとも求人サイトに予算を回したほうがいいのか。判断がつかないまま保留になっている店舗は多いはずです。
先に結論を言います。デザインに凝った採用サイトは後回しで構いません。ただし、求人を見て会社や店の名前を調べた人の「受け皿」は必要で、それは費用をかけずに用意できます。 この記事では、なぜ受け皿が要るのか、無料でどこまでできるのか、どんな会社なら費用をかける価値があるのかを、店舗の採用の目線で整理します。
※各サービスの機能・連携先は、2026年10月時点で公式ページを確認した内容です。変わることがあるため、使う前に最新の公式情報をご確認ください。
採用サイトの役割は「集める」ではなく「後押しする」
まず役割を取り違えないことが大切です。採用サイトを作っても、それだけで応募は集まりません。仕事を探す人はIndeedなどの求人サイトで探すのであって、いきなり店舗の会社のサイトを訪ねてくることはまずないからです。応募の母数をつくるのは、求人サイトの役割です。
では採用サイトは何をするのか。求人サイトで見つけてもらったあとの後押しです。気になる求人を見つけた人は、応募する前に、会社や店の名前で調べて確かめることがあります。そこで何も出てこない、あるいは古い情報しか出てこないと、せっかく興味を持った人が離れていきます。逆に、働いている人の顔が見えるページが出てくれば、不安が消えて背中を押せます。
代表・中野谷のひとこと
使い方は二つあると思っていて、一つは受け皿です。Indeedを見て「このお店いいな、どういう人ができるのかな、もっと詳しく知りたいな」と思った人に見てもらう。もう一つは攻めで、Meta広告などで回していく使い方です。採用に困ったらすぐこれを作ろう、というわけではなくて、困らないためにもしっかり作っておいたほうがいいと思います。
広告から人を呼び込む「攻め」の使い方は、ページがあってこそできることです。ただ、店舗の採用で最初に必要なのは、受け皿のほうです。
受け皿は無料でつくれる
「受け皿が必要」と聞くと制作を思い浮かべますが、最初の一歩に費用はかかりません。無料で採用ページを作れる採用管理ツールがあるからです。
- Airワーク 採用管理 — 採用ホームページの作成、求人の作成と公開、応募者とのやり取りが、すべて無料で使えると案内されています。有料オプションのIndeed PLUSでは、連携先の求人サイトの中から、その求人に最もふさわしいとIndeedが判断したサイトへ自動で載ります(出典: Airワーク 採用管理 公式トップ 2026年10月確認)
- engage — 基本機能は無料で、件数の制限のない求人掲載、自社の採用ページの作成、応募者管理が使えます。公開した求人は、求人サイトのエンゲージのほか、求人ボックス、スタンバイ、キャリアインデックス、Googleしごと検索、Yahoo!にも自動で載ると案内されています(出典: engage「費用」2026年10月確認)。なお、engageの求人をIndeedへ転載する連携は、2026年6月11日に終わっています(出典: engageサポートセンター「株式会社エンゲージの設立に伴う提供サービスの変更のお知らせ」)
代表・中野谷のひとこと
店舗をやっている身からすると、これを無料で作れる、ということをまず知っておいたほうがいいと思います。採用ページを見て、最後に応募するところまでを一か所で作れるんですよ。どんな会社なのか、どんな事業をやっているのか、どんな仕事があるのか。そのあとに求人を一本ずつ作れて、最後にそこから応募できる。
(YouTube「【驚愕】無料で作成できる求人サイト!ATSツールを使えるエンゲージ・インディード連携で応募を増やす」より)
まず無料で作り、実際にどれくらい見られているかを確かめる。足りないところがはっきりしてから費用を考える。この順番なら判断を誤りません。どちらのツールを使うかは、求人をどこに載せたいかで決めます。それぞれの使い方は「Airワーク(AirWork)の使い方」「エンゲージの使い方」で、Googleの求人検索に載る仕組みは「Googleしごと検索に自社求人を載せる方法」で扱っています。
載せるのは、条件ではなく「働くイメージ」
受け皿を作るなら、中身で手を抜かないでください。求人サイトに書いてある条件をそのまま写しただけのページでは、不安を消せません。応募を後押しするページには、次のような中身が入っています。
- 誰と働くか — 一緒に働くスタッフや店長の顔が分かる写真。いちばん効くところです
- どこで働くか — 店内、外観、休憩スペース。ビルの上の階にある店など、外から中が見えない店舗では特に欠かせません
- 何をしているか — 仕事中や研修中の様子。人が写っているほうが伝わります
- 1日の流れと、入ってからの流れ — 出勤から退勤まで、そして入ってからどんな研修があるか
- 店長や代表の一言 — 「面接は私がします」といった一文で、会う相手の顔が見えると安心につながります
- どんな人が活躍しているか — 条件の一覧ではなく、働いている人の様子で伝えると、読む人が自分のことに置き換えやすくなります
写真は作り込むより、ふだんの様子が伝わるもののほうが反応がよい、というのが私たちの現場での実感です。画質の高さより、本当の職場であることが伝わるほうが効きます。
複数の業態やブランド、店舗を運営している会社は、全部をまとめて載せておくと、会社の実像が伝わります。求人を何本も出す必要があるなら、無料の採用管理ツールのほうが、ブランドや店舗ごとの求人をきちんと出し分けやすい、というのが代表の中野谷の見立てです。
費用をかける価値がある会社、後回しでいい会社
そのうえで、制作に費用をかけるかどうかの目安です。
費用をかける価値がある
- 応募はあるのに、辞退や連絡がつかない人が多い(後押しが弱い可能性が高い)
- 社員の採用が中心で、会社の考え方や、店長になるまでの道筋をじっくり伝えたい
- 複数のブランドや店舗があり、会社全体の姿を1か所で見せたい
- 広告から採用ページに人を呼び込む「攻め」の使い方をしたい
- 応募の前に会社を調べることが前提になる採用(紹介での採用など)をしている
後回しでいい
- そもそも応募の数が足りていない(先に求人サイトの職種名と原稿を直す)
- 1店舗のアルバイト採用が中心で、条件と仕事内容で応募が決まりやすい
- 更新する人がいない(古い情報のまま放置された採用サイトは、かえって不信感を生みます)
無料のテンプレートで困るのは、伝えたいことが枠に収まらなくなったときです。テンプレートは決まった項目を埋めていく作りなので、守りは固い一方、会社の考え方やキャリアの描き方を自由に見せるには向きません。そこまで来たら、自社で作り込む段階です。
まず確かめること: どの段で人が減っているか
とくに「応募の数が足りていない」状態で採用サイトを作るのは、順番が逆です。採用は、求人が表示され、クリックされ、応募され、連絡がつき、面接、内定の承諾、入社と進みます。どの段で人が減っているかで、打つ手が変わります。表示が足りていないのに後押しの材料を整えても、通る人数は増えません。
表示・クリック・応募のどこで止まっているかの見分け方は「Indeedで応募が来ない7つの原因と改善チェックリスト」にまとめています。まずはそこを数字で確かめてから、受け皿に手をかけてください。
まとめ
- 採用サイトは、応募を集める道具ではなく、応募を後押しする受け皿。応募の母数をつくるのは求人サイト
- 受け皿は、Airワーク 採用管理やengageの無料の採用ページで用意できる(2026年10月時点)。求人がどこに載るかはツールごとに違う
- 載せるのは条件の転記ではなく、一緒に働く人の顔、店内、1日の流れ、入ってからの研修、店長の一言
- 費用をかけるのは、辞退が多い、社員の採用で考え方を伝えたい、複数ブランドを見せたい、などがはっきりしてから。応募の数が足りない段階なら、先に求人サイトを直す
次の一歩は、自社の会社名や店の名前をスマートフォンで検索してみることです。求人を見た人が応募の前に見る画面は、それと同じです。そこに何も出てこないなら、無料の採用ページを1本作るところから始めてください。
動画で見る
代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。
Airワークで作った採用ページを画面で見せながら、無料の採用管理ツールで採用ページを持つ考え方を代表が話しています。収録はengageのIndeedへの求人転載が終わる(2026年6月)前なので、連携先はこの記事と公式情報でご確認ください。
よくある質問
店舗の採用に採用サイトは必要ですか?
デザインに凝った採用サイトは後回しで構いませんが、求人を見て会社や店の名前を調べた人が確かめに来る受け皿は必要です。受け皿は、無料の採用管理ツールの採用ページで用意できます。
採用サイトを作れば応募は増えますか?
採用サイトだけで応募が集まることはほとんどありません。応募の母数をつくるのは求人サイトで、採用サイトは興味を持った人の不安を消して、応募を後押しする役割です。
無料で採用ページを作る方法はありますか?
2026年10月時点の公式情報では、Airワーク 採用管理は採用ホームページの作成、求人の作成と公開、応募者とのやり取りが無料で、engageも基本機能は無料で採用ページを作れます。求人がどこに載るかはツールごとに違うので、使う前に確かめてください。
採用ページには何を載せればよいですか?
条件の転記ではなく、働く様子が思い浮かぶ中身です。一緒に働く人の写真、店内や休憩スペース、仕事の様子、1日の流れと入ってからの研修、店長や代表の一言、どんな人が活躍しているかを載せます。
費用をかけて採用サイトを作るのはどんなときですか?
応募はあるのに辞退や連絡がつかない人が多い、社員の採用で会社の考え方やキャリアを伝えたい、複数のブランドや店舗を1か所で見せたい、といったときです。応募の数が足りない段階なら、先に求人サイトの職種名と原稿を直します。