Column コラム

店舗経営とAI

AIで店舗の売上・予約の数字を毎朝そろえる|見える化を手作業でやめる

この記事の結論

店舗の売上や予約の数字を毎朝そろえるには、置き場所を1つに決め、項目と形を人が1ヶ月ほど手で作ってから、集める作業をAIに任せます。AIに任せるのは集計と抜け・ずれの指摘までで、数字を見て次に何をするかは店長と経営者が決めます。

店舗の数字は、あちこちに散らばっています。売上はレジ、予約は予約の管理画面、ネット予約は集客サイト、入金は会計ソフト、その日の様子はスタッフの日報。毎朝それぞれを開いて、表に書き写して、合計を出す。この作業が、気づけば店長や経営者の朝の時間を占めていないでしょうか。

私たちも、店舗の数字と採用の事業の数字を、それぞれの場所から集めて見ていました。いまは、その集める作業の多くをAIに任せ、人は「そろった数字を見て決める」ことに時間を使えるようにしています。

代表・中野谷のひとこと

僕は店舗と採用の事業があって、ちょっと離れているので。店舗もシフト制で、会わないこともあるので、こういうところで会話できるようにしています。店舗だと、売上の報告もここでやっています。

経営者が毎日店に立てない、スタッフ同士もシフトで顔を合わせない。そういう店ほど、数字を1か所にそろえる価値があります。この記事では、店舗の売上・予約の数字を毎朝そろえる仕組みを、手作業をやめる順番に沿ってまとめます。

毎朝そろえる数字は「売上・予約・人」の3種類で足りる

最初に決めるのは、何をそろえるかです。項目を増やしすぎると、集めるのも見るのも大変になり、結局誰も見なくなります。店舗なら、次の3種類で十分です。

種類 そろえる数字 見て決めること
売上 前日の売上、月の累計、月の目標との差 目標に届くペースか。届かないなら今週何をするか
予約 今日・今週の予約の埋まり具合、空いている枠 空き枠をどう埋めるか。告知や声かけをするか
人 今日のシフト、欠員、来週の手薄な日 誰に頼むか。採用を動かすか

「人」を入れておくのがポイントです。予約が埋まっていても、その日に入れるスタッフが足りなければ受けられません。3種類を並べて見ると、「予約は入るのに人が足りない」「人はいるのに予約が空いている」といったずれが、毎朝目に入るようになります。

手作業をやめる順番

いきなり全部を自動にしようとすると、うまくいきません。私たちがおすすめしている順番は次のとおりです。

  1. 置き場所を1つに決める — 数字を見る場所を、表計算のシート1枚でも、社内のページ1つでもいいので1か所に決めます
  2. 形を決めて、人が手で埋める — 上の3種類の数字を、毎朝同じ形で1ヶ月ほど手で埋めてみます。いらない項目、足りない項目がここで分かります
  3. 集める作業をAIに渡す — 形が決まったら、各管理画面や日報から数字を集めて表に入れる作業をAIに任せます
  4. 抜けとずれをAIに見つけさせる — 入っていない数字や、前日と比べて不自然な数字を、AIに指摘してもらいます
  5. 見る人の目に入る場所に出す — そろった数字を、店長とスタッフが毎日開く場所のいちばん上に出します

2番目を飛ばさないことが大切です。何を毎朝見たいのかは、実際に使ってみないと決まりません。形が決まらないうちに自動化すると、項目が変わるたびに作り直しになります。採用の数字で同じ考え方を書いた採用データの見える化の始め方も参考にしてください。

AIへの頼み方は、普段の言葉で十分

集める作業をAIに渡すとき、難しい指示は要りません。代表がAIに売上を見る仕組みを頼んだときは、「売上をここで見られるように作ってください」とお願いしたところ、AIの側から「会計ソフトと連携したほうが楽なので、連携しましょう」と提案があったそうです。人がやったのは、AIに聞かれた画面の場所を伝えるといった、普通の会話の受け答えくらいだったといいます。

AIに任せる道具の選び方はClaude Code・Codexとは?にまとめています。会計ソフトの数字とつなぐ場合は、経理の作業の置き換え方を書いた経理・バックオフィスをAIで減らす方法も合わせて読んでください。

抜けとずれを見つけるのも、AIの仕事にする

数字を集めるのを自動にすると、次に困るのが「数字が入っていない日」や「明らかにおかしい数字」です。日報の出し忘れ、レジの締め忘れ、予約の二重登録。こうした抜けやずれは、人が毎朝表を眺めていても見落とします。

直す作業はAIに頼めます。代表も、集計の表に入っていない数字があったときに、AIに「この人の分が入っていないですよ」と伝えて、内訳を直してもらっています。さらに、毎朝数字をそろえたあとに「抜けている数字と、前日と比べて不自然な数字を教えて」と頼んでおけば、見つけるところからAIに任せられます。人は、指摘されたところだけを確かめればよくなります。

見る場所の「いちばん上」に出す

数字は、そろえただけでは使われません。店長やスタッフが毎日必ず開く場所の、いちばん目に入るところに出すことで、初めて行動につながります。

代表・中野谷のひとこと

店舗で言うと、ブログを書いて「それ読んでね」としていたり。あと、店舗の数字を、ブログを書いているページの一番最初に必ず出しているので、今月の目標はここだよ、というのが浸透しやすかったりします。

(YouTube「ブログも採用もAIで自動化!店舗運営で今すぐ使える活用法とは?」より)

私たちの店舗では、スタッフが日報を出したり、連絡を見たりする社内のページの先頭に、今月の目標と数字を出しています。わざわざ数字を見に行かなくても、毎日の作業の流れの中で目に入る形です。店舗が増えてきたときの数字のそろえ方は多店舗展開の店舗採用を仕組み化する方法の考え方も使えます。

自動化は「止まる前提」で作る

最後に、私たちが実際に困ったことを書いておきます。自動で数字を集める仕組みは、ずっと動き続けるとは限りません。外のサービスの画面や仕様が変わると、それまで集められていた数字が急に取れなくなることがあります。私たちも、自動で数字を集めていた仕組みがうまく入れなくなり、集め方を作り直したことがあります。

だからこそ、最初から次の3つを決めておきます。

  • 止まったら知らせが来る — 数字が入らなかった朝に、誰かに通知が届くようにする
  • 人が手で戻れる — どの画面のどの数字を拾えばいいか、手順を残しておく
  • 本業は止めない — 数字の仕組みが止まっても、店の営業や予約の受付には影響しないように分けておく

そして、そろった数字を見て、次に何をするかを決めるのは人です。AIは「目標まであといくら」「来週この日が手薄」と教えてくれますが、どの日に声かけを増やすか、誰にシフトを頼むか、採用を動かすかは、店の事情を知っている店長と経営者が決めます。

まとめ

  • 毎朝そろえる数字は、売上・予約・人の3種類で足りる。並べて見ると、予約と人のずれが目に入る
  • 置き場所を1つに決め、人が手で形を作ってから、集める作業と抜け・ずれの指摘をAIに任せる
  • 自動化は止まる前提で、通知・手で戻れる手順・本業と切り離すことを先に決める。数字を見て決めるのは人

まずは明日の朝、売上・予約・人の3つの数字を、1枚の表に手で書き出してみてください。何分かかったか、どこで手が止まったかが、AIに最初に渡す作業の候補です。

動画で見る

代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。

勝手に動くパソコン 採用のプロのAI活用術
求人サイトの数字を毎日見に行き、集計の表にまとめる作業をAIに任せている様子を代表が話しています。店舗の数字をそろえるときも考え方は同じです。

よくある質問

店舗の売上管理にAIを使うと、何が楽になりますか?

レジや予約の管理画面、スタッフの日報などに散らばった数字を集め、決まった形の表にまとめる作業がなくなります。抜けている数字や、前日と比べて不自然な数字をAIに指摘してもらえるので、確認の手間も減ります。

毎朝そろえる数字は、何を選べばよいですか?

売上、予約、人の3種類で足ります。売上は前日の実績と月の累計、目標との差。予約は今日と今週の埋まり具合と空き。人は今日のシフトと欠員です。最初から項目を増やしすぎると、誰も見なくなります。

いきなり自動化してもよいですか?

先に、人が手で同じ形の表を作ってみてください。何を毎朝見たいのか、どの数字はいらないのかは、実際に使ってみないと決まりません。形が決まってから集める作業をAIに渡すと、作り直しが少なく済みます。

自動で数字を集める仕組みが止まったら、どうすればよいですか?

外のサービスの画面や仕様が変わると、自動で数字を集める仕組みは止まることがあります。止まったときに知らせが来るようにしておくこと、人が手で数字を集める手順を残しておくこと、仕組みが止まっても店の営業は止めないこと、の3つを先に決めておきます。

← コラム一覧へ 店舗採用データ 2026 →