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店舗採用・応募支援

採用データの見える化の始め方|店舗の採用で集める8つの数字と、数でなく率で読むコツ

この記事の結論

採用データの見える化は、求人の表示から定着までの8つの人数を媒体別・店舗別に並べ、率に直して、いちばん落ちている段を1つ選ぶところから始めます。分析ツールも統計の知識も要りません。応募の数ではなく率で比べること、数字の出どころをそろえること、記録を早く始めることが要点です。

採用のデータ分析と聞くと、専門的な話に思えるかもしれません。ところが店舗の採用で最初にやることは、拍子抜けするほど単純です。採用の流れに沿って8つの数字を並べ、率に直し、いちばん悪い1か所を選ぶ。分析ツールも統計の知識も要りません。

私たちは店舗の採用を支援するなかで、毎月この数字を見て、何を変えるかを決めています。その積み重ねを、会社が特定できない形に集計して公開しているのが「店舗採用データ 2026」です。この記事では、何を・どこから集め、どう読むのかを、今日から始められる手順で説明します。

採用の「データ分析」は、8つの数字を並べることから

店舗の採用は、次の流れで進みます。求人が表示される、クリックされる、応募が来る、連絡がつく、面接が決まる、面接が実施される、内定を承諾してもらう、初日に出勤して続いてくれる。この各段の人数が、集めるべき8つの数字です。

多くの店舗が見ているのは、このうち「応募数」と「採用数」の2つだけです。両端だけを見ていると、うまくいかないときに「応募が足りない」としか言えません。間の6つがあって初めて、どこで人が減っているのかが分かります。

見える化とは、この間を埋める作業のことです。難しいのは分析ではなく、数字を集める習慣のほうです。

どこから数字を取るか

集め先は大きく分けて、媒体の管理画面と、自分たちの記録の2つです。

数字 どこから取るか
表示回数・クリック数・応募数 各求人媒体の管理画面
連絡がついた数・面接予約数・面接実施数 応募者に対応した記録(店長や担当者の手元)
内定数・承諾数 店長や採用担当の記録
初日出勤数・入社後3ヶ月の継続数 現場の記録

上の段は、媒体の管理画面を開けば取れます。手間がかかるのは下の段で、ここは記録する習慣がないと後から復元できません。まずは今月の分から、応募者1人ごとに「連絡がついたか」「面接に来たか」「入社したか」を書き足すところから始めてください。

また、必ず媒体別・店舗別に分けて残すこと。全体の合計だけでは、どの媒体に予算を寄せるべきかの判断に使えません。

数字の「出どころ」をそろえる

もう1つ気をつけたいのが、同じ「応募数」でも、どこから取ったかで中身が違うことです。たとえばIndeedでは、同じ求人に有料配信からの応募と無料枠からの応募が入ります。当社の支援先33社のIndeedの応募では、有料配信経由は約46%でした(出典: AccompanyOn「店舗採用データ 2026」2026年8月・概数。当社支援先の実績で、市場平均ではありません)。

有料配信の画面の数字だけで応募単価を出すと、無料枠からの応募が抜けて、1件あたりのコストが高く見えます。当社の支援先では、有料配信の応募単価が社ごとの中央値で3,556円(34社・2026年7月31日〜8月29日頃の30日間)だったのに対し、広告費を有料・無料を合わせた全応募で割った実質の応募単価は中央値1,893円(56社・2026年1〜8月)でした。期間も社数も違う集計なので単純な比較はできませんが、「どの画面の、どの数字か」をそろえないと、判断を誤りやすいことは分かります。Indeedの有料と無料の関係はIndeedの無料掲載と有料掲載の違い・使い分けで詳しく書いています。

数字は「率」に直して初めて意味を持つ

人数のままでは、月ごとの比較ができません。次の形で率に直します。

  • クリック率 = クリック数 ÷ 表示回数
  • 応募率 = 応募数 ÷ クリック数
  • 連絡がつく率 = 連絡がついた数 ÷ 応募数
  • 面接設定率 = 面接予約数 ÷ 連絡がついた数
  • 面接実施率 = 面接実施数 ÷ 面接予約数
  • 内定承諾率 = 承諾数 ÷ 内定数
  • 初日出勤率 = 初日出勤数 ÷ 承諾数

率にすると、母数が違う月や店舗どうしを並べて比べられるようになります。ここが見える化の効き目です。

代表・中野谷のひとこと

原稿がよかったかどうかは、応募数よりも転換率で測ります。数でやってしまうと、途中で予算を変えていたら、結論は「よかったね」になっちゃうんです。だから転換率を見ながら判断していきます。

物差しが欲しいときの参考値も置いておきます。Indeedの有料配信を当社の支援先34社で合算すると、表示→クリック率は6.4%でした。同じく支援先34社の合算で、クリック→応募率は3.27%です(いずれも2026年7月31日〜8月29日頃の30日間。出典: AccompanyOn「店舗採用データ 2026」。当社支援先の実績で、市場平均ではありません)。ただし率は職種やエリア、時期で変わります。最終的には、自社の過去の数字と比べて「いつもより落ちているか」で見るのが本筋です。

見る期間を決めておく

率で見るときは、期間もそろえます。私たちは、アルバイトの求人なら2週間、正社員なら1ヶ月を一区切りに数字を見ることが多いです。数日で判断すると、たまたまの増減に振り回されますし、長く待ちすぎると手を打つのが遅れます。

期間を決めたら、その間に変えるのは1か所だけにします。職種名と写真と給与の見せ方を同時に変えると、どれが効いたのか分からなくなるからです。

ボトルネックの見つけ方は「いちばん外れた段を1つ」

数字が並んだら、次はどこを直すかです。手順は4つに固定してください。

  1. 各段の率を出す
  2. 参考値や自社のいつもの値から、いちばん大きく外れている段を1つだけ選ぶ
  3. その段に効く打ち手を1つ実行する
  4. 決めた期間が過ぎたらもう一度見て、次に詰まっている段へ移る

これを続けると、社内に「うちは何をすると数字が動くか」の知見が貯まっていきます。

合計ではなく、求人ごとに見る

全体の合計では応募が来ていても、求人ごとに分けると景色が変わることがあります。当社の支援先でIndeedに有料配信した589求人を見ると、49.3%は30日間で応募が0件でした。ただし、その応募0件の求人に使われた広告費は、当社の集計で全体の13.3%にとどまり、広告費の大半は応募が出た求人で使われていました(出典: AccompanyOn「店舗採用データ 2026」2026年7月31日〜8月29日頃の30日間。当社支援先の実績で、市場平均ではありません)。

つまり課題は「お金が無駄になっていること」より、「求人の半数近くが応募まで届いていないこと」のほうにあります。合計の数字だけを見ていると、この求人ごとの差は見えません。店舗を複数持っているなら、全店の合計ではなく店舗ごと・求人ごとに並べてください。多店舗の並べ方は多店舗展開の店舗採用を仕組み化する方法にまとめています。

よくある誤診: 「応募が少ない」を分解する

見える化の価値がいちばん出るのが、この場面です。「応募が少ない」という同じ症状でも、原因は3つに分かれます。

  • 表示回数が少ない — そもそも求職者の画面に出ていない。職種名による分類や、求人の分け方の問題
  • 表示はあるがクリック率が低い — 見られているが選ばれていない。職種名・1枚目の写真・給与の見せ方の問題
  • クリックはあるが応募率が低い — 開かれているが応募されない。原稿の中身や応募条件の問題

打ち手がまったく違うのに、数字を見ないまま「原稿を書き直そう」「予算を足そう」と動くと空振りします。同じことは後半でも起きます。「採用できない」も、連絡がつかないのか、面接に来ないのか、承諾されないのかで、対処は別物です。表示・クリック・応募の段ごとの打ち手はIndeedで応募が来ない7つの原因と改善チェックリストで整理しています。

媒体別に定着まで見ると、予算の置き場所が変わる

もう一段進めるなら、媒体ごとに「採用数」だけでなく「入社後3ヶ月の継続数」まで追ってください。

ここまで見えると、応募が多くて採用もできるのに続かない媒体と、採用の数は少なくても長く続く人が来る媒体が分かれてきます。採用の数だけで評価していると、辞める人を集め続けることになりかねません。定着まで含めて評価し直し、予算をそちらに寄せる。これが、数字を見ることで得られる最も大きな見返りです。

代表・中野谷のひとこと

AIの時代だから、データはたくさんあった方がいいと思いつつも、面接とか定着のところで言うと、数よりも、いかに早く始めるか。「こんな人が長く続けたよね」が分かることのほうが大切かなと思っています。

(YouTube「AI面接で採用は変わる?茂木さんに新規事業を本気で相談!」より)

記録を続けると、季節の傾向も見えてきます。どの時期に応募が集まりやすく、どの時期に人が辞めやすいか。1年分の記録があれば、繁忙期の前に採用を始めるといった先回りができるようになります。

集める作業の自動化は、記録の形が決まってから

毎月の集計を手作業で続けるのは負担が大きいので、記録の形がそろってきたら、集める作業を自動化する方法を考えるとよいでしょう。私たちも、いくつもの求人媒体の数字を同じ表に集める作業は、いまは機械に任せています。

ただし順番は、記録が先で、自動化が後です。何を集めるかが決まっていないうちに自動化すると、項目が変わるたびに作り直しになります。私たちは広告費を止める提案をしたあとも、毎月応募数と採用数を見て、戻したほうがいいときは「戻しましょう」と言うようにしています。その判断ができるのは、同じ形の数字が毎月そろっているからです。

まとめ

  • 採用のデータ分析は、流れに沿った8つの数字を、媒体別・店舗別に並べるところから始まる
  • 人数ではなく率で比べ、数字の出どころと見る期間をそろえる。変えるのは1回に1か所だけ
  • 合計ではなく求人ごとに見て、媒体別に定着まで追うと、予算を置くべき場所が変わる

今日からできる一歩は、今月の応募者の一覧に「連絡がついたか」「面接に来たか」の2列を足すことです。この2列があるだけで、来月には見える景色が変わります。

動画で見る

代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。

勝手に動くパソコン 採用のプロのAI活用術
いくつもの求人サイトの数字を毎日集めて、集計の表にまとめる作業をAIに任せている話を代表がしています。
AI面接で採用は変わる?茂木さんに新規事業を本気で相談!
面接でどんな会話をした人が何日働いたかまでをデータにして、どんな人が定着するかを採用の時点で分かるようにしたい、という構想を代表が話しています。

よくある質問

採用のデータ分析では、どの数字を集めればよいですか?

求人の表示回数、クリック数、応募数、連絡がついた数、面接予約数、面接実施数、内定承諾数、初日出勤と定着の数の8つです。応募数と採用数の両端だけでなく、間の段の人数があって初めて、どこで人が減っているかが分かります。

採用の数字は、なぜ人数ではなく率で見るのですか?

人数は予算や掲載の本数で上下するので、月や店舗を並べても比べられないからです。途中で予算を変えた月に応募数が増えても、それが原稿のおかげかは分かりません。率に直すと、母数が違う月や店舗どうしを同じ物差しで比べられます。

採用の数字はどれくらいの期間で判断すればよいですか?

当社では、アルバイトの求人なら2週間、正社員なら1ヶ月を一区切りに見ることが多いです。数日で判断すると、たまたまの増減に振り回されます。1回に変えるのは1か所だけにして、期間を区切って見比べます。

採用データを集めるのに専用のツールは必要ですか?

最初は要りません。媒体の管理画面から取れる数字と、応募者ごとに「連絡がついたか」「面接に来たか」「入社したか」を書き足した表があれば始められます。毎月の集計が負担になってから、集める作業を自動化すれば間に合います。

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