採用代行を頼む前に店舗で決めておくこと|依頼前の準備リスト
この記事の結論
採用代行を頼む前に店舗で決めておくのは、何人をいつまでにどの店・どの時間帯で採るか、仕事の中身と変えられる条件、現場の情報、直近3か月の数字、求人媒体のアカウントの名義、応募が来たあとの窓口、予算の上限の7つです。これがそろっていると、代行会社は最初の月から求人を直す作業に入れ、契約後のずれも小さくなります。
採用代行に頼もうと決めたものの、何を準備すればいいのか分からない。とりあえず相談してみたものの、聞かれたことにすぐ答えられず、話が前に進まなかった。そんな経験はないでしょうか。
採用代行は、頼む側の準備で立ち上がりの速さが大きく変わります。この記事では、飲食店などの店舗が採用代行を頼む前に決めておくことを、準備リストの形でまとめました。代行会社に何を聞くかではなく、自分たちで先に決めておくことの一覧です。代行会社への確認項目は採用代行の契約前チェックリスト15項目にまとめているので、あわせて使ってください。
結論: 依頼前に決めておく7つのこと
| 決めておくこと | 用意するもの | |
|---|---|---|
| 1 | 何人を、いつまでに、どの店・どの時間帯で採るか | 店舗ごとの不足人数と期限 |
| 2 | 仕事の中身と、変えられる条件 | 仕事内容、時給、シフトの組み方、変えられる幅 |
| 3 | 現場の情報 | 一日の流れ、働いている人の様子、店内の写真 |
| 4 | 直近3か月の数字 | 求人広告費、応募数、面接数、採用数、辞めた人数 |
| 5 | 求人媒体のアカウント | いま使っている媒体、名義、ログインの方法 |
| 6 | 応募が来たあとの窓口 | 連絡する人、面接する人、面接できる曜日と時間 |
| 7 | 予算の上限 | 求人広告費と代行費を合わせた、月にかけられる額 |
全部が完璧にそろっていなくてもかまいません。分かるものから書き出しておくだけで、最初の打ち合わせがぐっと具体的になります。ここからは、1つずつ何を決めておけばいいかを説明します。
1. 何人を、いつまでに、どの店・どの時間帯で採るか
いちばん最初に決めておきたいのがこれです。採用代行の会社は、この情報がないと最初の一歩を踏み出せません。
代表・中野谷のひとこと
何人、いつまでに、どんな人が欲しいか。そこをまずいただかないと、僕も動けなかったりするんです。まずそこで動いてみて、結果がかんばしくなければ、よりこんな人がいいよねというところを詳しくしていく、という流れで進められればと思っています。
店舗の場合は、人数と期限に加えて「どの店の、どの時間帯か」まで分けておくと効きます。ランチのホールが足りないのか、夜のキッチンなのか、週末だけなのかで、出す求人も使う媒体も変わるからです。
もう一つ決めておきたいのが、新店のオープニングなのか、運営中の欠員補充なのかです。オープニングは期限までにまとまった人数をそろえる採用で、欠員補充は一年中続く少人数の採用です。同じ採用でも、進め方がまったく違います。新店の場合の段取りは新店オープニングスタッフ採用の段取りで書いています。
2. 仕事の中身と、変えられる条件
次に、仕事の中身と条件を書き出します。
- 仕事の中身 — 何をする仕事か。接客、調理、仕込み、レジ、清掃など、一日の中で何にどれくらいの時間を使うか
- 条件 — 時給、交通費、週に何日から、何時から何時まで、研修の期間と時給
- 変えられる幅 — 時給をいくらまで上げられるか、週1日や短時間を受け入れられるか、シフトの始まりの時間をずらせるか
3つ目の「変えられる幅」が分かっていると、代行会社は条件の見せ方まで含めて提案できます。逆に「条件は一切変えられない」なら、それも先に伝えてください。変えられない前提で、職種名や原稿の工夫に集中できます。
「どんな人に来てほしいか」も、ここで書き出しておきます。ただし、年齢や性別で書くのではなく、仕事と働き方で書きます。募集や採用で性別を理由に対象から外すことや、年齢で制限することは、法律で原則として禁じられています(出典: 厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」・厚生労働省「年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」2026年10月確認)。「平日の夕方に週3日入れる方」「飲食の経験がなくても、接客が好きな方」のように書けば、求人にもそのまま使えます。
3. 現場の情報
求人は、まだまだ文字で伝えるものです。だから原稿を書く人には、現場の情報が欠かせません。
代表・中野谷のひとこと
求人って、まだまだテキストの情報で掲載していく流れなので、そのテキストのどこを削って、逆にどこを書いていくかっていうのは、現場に行かないとなかなか分からないところなんです。
(YouTube「【完全版】採用コンサルタントの全貌!業務内容から独立秘話まで徹底解説」より)
代行会社が店に来られない場合もあるので、次のものを用意しておくと助かります。
- 一日の流れ — 開店前の準備から閉店後の片付けまで、どの時間帯に何をしているか
- 働いている人の様子 — 何人くらいで回しているか、どんな経歴の人が多いか、長く続いている人は何が気に入っているか
- 写真 — 店内、厨房、実際に一緒に働くメンバーの写真(本人の了解をとったもの)
- 辞めた人の理由 — 分かる範囲で。求人で先に伝えておくべきことが見えてきます
写真は、実際に一緒に働くメンバーと店の様子をそのまま写したものが、いちばん伝わります。
4. 直近3か月の数字
頼む前の数字は、頼んだ後に効果を測る物差しになります。直近3か月分の、求人広告費(媒体ごと)、応募数、面接数、採用数、辞めた人数を書き出しておいてください。店長や社長が採用の仕事に使っていた時間のおおよそも、あれば役に立ちます。
数字がそろわない店舗も多いので、まずは「いま出している求人のURL」と「直近3か月の広告費」の2つだけでも大丈夫です。私たちに相談をいただくときも、この2つを見せていただくところから始めています。頼んだ後の数字の見方は採用代行の費用対効果の測り方で説明しています。
5. 求人媒体のアカウントの名義
意外と準備が漏れやすいのが、求人媒体のアカウントです。いま使っている媒体と、そのアカウントが誰の名義で、誰がログインできるのかを確かめておいてください。
私たちが立ち上げのときにお願いすることが多いのは、使う媒体のアカウントを、お店の名義で作っていただくことです。代行会社には操作の権限を渡す形にしておけば、契約を終えたときに、求人も数字もお店の手元に残ります。以前に代理店が作ったアカウントのまま有料の配信をすると、使った広告費の一部が代理店の手数料になることもあるので、その場合は新しく作り直すほうがすっきりします。
6. 応募が来たあとの窓口
採用代行がどこまでを引き受けるかは、会社によって違います。私たちのクルスタが引き受けるのは応募が来るところまでで、応募者への連絡、面接の日程調整、面接、採るかどうかの判断は店舗に残ります。応募後まで任せられる会社に頼む場合も、最後の判断はお店に残ります。
そこで、応募が来たときに誰が受け取り、誰が何時間以内に連絡し、誰が面接をするのかを決めておきます。面接できる曜日と時間帯も、先に出しておくと日程の調整が速くなります。応募者の動ける時間は、店の営業時間とずれがちです。当社のAI面接の記録では、50.9%が平日9〜18時以外に面接を受けていました(出典: 当社「店舗採用データ 2026」AI面接を導入した6社・1,117人、2026年5月19日〜9月26日。当社支援先の実績で、市場平均ではありません)。夜や休日にも連絡できる人がいるかどうかも、ここで確かめておくといいでしょう。
7. 予算の上限
最後に、月にかけられる額の上限を決めます。代行費と求人広告費を合わせて、月にいくらまでか。そのうち広告費はいくらまでか。上限が先に決まっていれば、代行会社からの提案がその範囲に収まっているかを、すぐに判断できます。
広告費は、必ずしもかけなければいけないものではありません。無料で載せられる媒体や無料の枠を使い、求人の中身を整えて応募を集める方法もあります。「広告費はできるだけかけたくない」という希望も、遠慮なく先に伝えてください。
採用代行の導入の流れ
準備がそろったら、導入はおおむね次の流れで進みます。
- 相談と現状の確認 — いまの求人と数字を見てもらい、どこで応募を逃しているかを確かめる
- 提案と見積もり — 何をどこまで引き受けるか、月の総額はいくらかを書面で受け取る
- 契約 — 業務範囲、最低契約期間、止めるときの条件を確かめて契約する
- 情報の共有とアカウントの準備 — この記事の7つの情報を渡し、媒体のアカウントと権限を用意する
- 求人の作成と掲載 — 職種名・原稿・写真を整えて掲載する
- 月ごとの振り返り — 段ごとの数字を見て、次に直すところを決める
最初の1か月は求人を作り直す作業が中心になるので、判断は3か月くらいの単位で考えてください。どの業務を外に出し、どれを自社に残すかの分け方は採用代行はどこまでやってくれる?業務範囲と外注の判断基準にまとめています。
まとめ
- 採用代行を頼む前に決めておくのは、人数と期限、仕事と条件、現場の情報、直近の数字、媒体アカウントの名義、応募後の窓口、予算の上限の7つ
- 店舗では「どの店の、どの時間帯か」と「新店のオープニングか、欠員補充か」まで分けて伝えると、最初の求人から外しにくくなる
- 求人媒体のアカウントは自社の名義で作り、応募後の窓口と面接の時間は先に決めておく
次の一歩は、この記事の表を紙に写して、分かるところから埋めてみることです。空欄が残っても大丈夫です。その空欄こそ、最初の相談で一緒に決めればいいところです。
動画で見る
代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。
新店のオープニングと、運営中の欠員補充では採用の進め方が違うこと、業種や時期で採りやすさが変わることを代表が話しています。
お客さまのお店に足を運び、現場を見て求人原稿のどこを書きどこを削るかを決めていることを代表が話しています。
よくある質問
採用代行を頼む前に、何を準備すればよいですか?
採りたい人数と期限、仕事の中身と条件、現場の様子が分かる情報、直近3か月の求人広告費と応募・採用の数字、求人媒体のアカウントの情報、応募後に連絡や面接をする担当者、毎月の予算の上限です。全部そろっていなくても、分かる範囲で書き出しておくと話が早く進みます。
採用代行の導入の流れはどうなっていますか?
一般的には、相談と現状の確認、提案と見積もり、契約、情報の共有とアカウントの準備、求人の作成と掲載、月ごとの振り返りという順に進みます。どの段で何を用意するかは会社によって違うので、最初の相談で確かめてください。
求人媒体のアカウントは誰の名義にすればよいですか?
できるだけ自社の名義で作り、代行会社には操作の権限を渡す形がおすすめです。契約を終えたときに求人や数字が手元に残り、代理店とつながったままの状態で費用が差し引かれる、といったことも防げます。
依頼前に「どんな人に来てほしいか」はどう決めればよいですか?
年齢や性別ではなく、仕事の中身、入れる曜日と時間帯、あると助かる経験、続けてもらうために大切にしたい点で書き出します。採用の条件として年齢や性別を決めることは法律で制限されているので、条件は働き方と仕事で表します。