求人広告代理店の手数料(マージン)の仕組み|広告費のどこが代理店に入るのか
この記事の結論
求人広告代理店の手数料(マージン)は、掲載課金型の媒体では媒体社から代理店に販売手数料として支払われ、Indeedのようなクリック課金型では、広告費への上乗せか、入金した広告費から差し引く運用手数料として代理店に入るのが一般的です。率や含まれ方は媒体と会社で違うので、請求額と媒体の管理画面で実際に使われた額を見比べ、手数料の率と含まれ方を書面で確かめるのが基本です。
求人広告代理店に毎月払っている広告費。そのうち、実際に求人媒体で使われているのはいくらで、代理店の手数料はいくらなのか。請求書を見ても「求人広告費」としか書かれておらず、分からないまま払い続けている店舗は少なくありません。
私は独立する前の約10年、求人広告を売る側にいました。この記事では、その経験から、求人広告代理店の手数料(マージン)がどこで、どのように代理店に入るのかを、媒体の課金の型ごとに整理します。手数料を払うこと自体が悪いという話ではありません。仕組みを知ったうえで頼めば、提案の中身を自分で判断できるようになります。
結論: マージンが入る場所は、媒体の課金の型で決まる
求人広告代理店の報酬は、大きく次の2つの経路で入ります。
- 媒体社から入る — 代理店が媒体のプランを販売すると、媒体社から代理店に販売手数料(バックとも呼ばれます)が支払われる
- お客さまから入る — 代理店が広告の運用を請け負い、広告費に運用手数料を上乗せするか、入金された広告費の中から差し引く
どちらの経路でも共通しているのは、お客さまが使う広告費が増えるほど、代理店の報酬も増えるという点です。これは担当者の人柄の問題ではなく、報酬の数え方がそうなっている、ということです。求人広告代理店と採用代行の違いそのものは求人広告代理店と採用代行の違いで書いたので、この記事ではお金の流れに絞ります。
課金の型ごとに見る、手数料の入り方
求人媒体の課金は、おおむね3つの型に分かれます。手数料がどこに含まれるかは、型ごとに違います。
| 課金の型 | お客さまが払うもの | 代理店の報酬の入り方 | お客さまから見えやすさ |
|---|---|---|---|
| 掲載課金型 | 掲載期間と枠の大きさで決まるプランの料金 | 媒体社から代理店に販売手数料が支払われる | 見えにくい。請求額はプランの料金で、そのうち代理店の取り分は表に出ない |
| クリック課金型 | クリックされた分の広告費 | 広告費に上乗せする、または入金した広告費から差し引く | 契約による。管理画面と請求額を見比べれば確かめられる |
| 採用課金型 | 採用が1人決まるごとの費用 | 代理店経由で申し込むと、媒体社から代理店に支払われる形がある | 見えにくい |
掲載課金型では、お客さまが払う金額はプランの料金で、その中に代理店の取り分が含まれています。請求書を見ても、代理店の取り分がいくらなのかは分かりません。代理店によっては、自分の取り分の一部を値引きに回すこともあります。同じ媒体・同じプランなのに見積もりが代理店ごとに違うのは、このためです。採用課金型の料金の考え方は採用代行の成功報酬型とはで整理しています。
Indeedを代理店経由で使うときの手数料
店舗の採用でよく使われるIndeedは、クリック課金型です。Indeed自身は、固定の掲載料金や手数料はなく、スポンサー求人がクリックされたときにだけ費用が加算され、予算や上限金額も自分で設定できると説明しています(出典: Indeed「料金・有料オプションでの掲載について」2026年10月確認)。
つまり、Indeedを代理店経由で使うときにかかる手数料は、Indeedの料金ではなく代理店の運用手数料です。その取り方には2つの形があります。
- 上乗せ型 — 広告費とは別に、運用手数料が請求される。請求書を見れば手数料の額が分かる
- 差し引き型 — 代理店に入金した広告費の中から手数料が差し引かれ、残りが広告として使われる。請求書は「広告費」の1行だけになりやすい
差し引き型は、気づかないと「使ったつもりの広告費」と「実際に配信に使われた額」がずれます。仮に、入金額から2割を差し引く契約だとすると、100,000円を入れても、配信に使われるのは80,000円です。どちらの形が悪いということではありません。どちらの形なのかを、お客さまが知っているかどうかが大切です。Indeedの運用を頼むときの選び方はIndeed運用代行・代理店の選び方と費用で書いています。
媒体ごとに率が違うと、提案はどう偏るか
もう一つ知っておきたいのは、代理店に入る手数料の率が、媒体によって違うということです。お客さまにとって効く媒体と、代理店にとって手数料のいい媒体が、いつも同じとは限りません。
代表・中野谷のひとこと
これは僕のポジショントークだと思って聞いてもらっていいんですけど、マージンがいい媒体は、代理店側も売りたいんですよ。
同じことは、プランの価格帯にも言えます。アルバイト向けの求人媒体と、社員向けの転職媒体では、プランの価格帯がまったく違います。代理店の報酬が販売額に連動するなら、価格の高いほうをすすめたくなるのは自然なことです。アルバイトを採りたいのに社員向けの媒体を提案されたら、その媒体を選んだ理由を聞いてみてください。
手数料の仕組みが表に出やすいのは、媒体の選び方だけではありません。
代表・中野谷のひとこと
否定はしていないんです。ただ代理店さんは、簡単に言うと求人の掲載金額が欲しいので、求人の数を増やすよりも、お金をかけてもらったほうがいい。だから、わざわざ求人を増やしてはくれないかな、という感じです。だったら、まず自分たちで求人の数を増やす。そこから始めるのがいいです。
職種や時間帯ごとに求人を分けて出すと、広告費をかけなくても見てもらえる入口が増えます。当社の支援先33社では、Indeedの応募のうち有料配信を経由したものは約46%で、残りは無料枠からの応募でした(出典: 当社「店舗採用データ 2026」2026年8月・概数。当社支援先の実績で、市場平均ではありません)。求人の数と中身を整えることは、手数料のかからない応募を増やすことでもあります。
気づきにくい手数料: 間に入る会社とアカウントの名義
間に入る会社が増えると、手数料も重なる
媒体社が用意しているSNS広告などの商品を代理店経由で申し込み、実際の配信はさらに別の広告運用会社が行う、という形もあります。間に入る会社が増えれば、それぞれが手数料を取るので、配信に使われる割合はそのぶん下がります。申し込む前に「実際に配信を設定するのはどこの会社か」と「その広告から何件の応募があったかを、ほかの経路と分けて報告してもらえるか」を聞いておくと安心です。
代理店とつながったアカウントのまま有料にしない
もう一つ、私がお客さまによくお伝えしているのがアカウントの名義です。代理店が作った、または代理店とつながったままの求人媒体のアカウントで有料の配信を始めると、本人が気づかないうちに、使った広告費の一部が代理店の手数料になっていることがあります。代理店との契約を終えたあとも、アカウントのつながりだけが残っている場合もあります。自分で運用するなら、自社の名義で新しくアカウントを作ったほうが、話がすっきりします。
店舗が手数料を確かめる5つの方法
代理店に頼むかどうかに関係なく、次の5つを確かめておくと、手数料の見え方がはっきりします。
- 請求額と管理画面を見比べる — 代理店からの請求額と、媒体の管理画面に出ている「実際に使われた広告費」を同じ月で並べる。差があれば、その多くは手数料です。消費税の扱いで差が出ることもあるので、税抜きか税込みかをそろえて比べます
- 手数料の率と含まれ方を書面でもらう — 何%か、上乗せか差し引きか、最低手数料や初期費用はあるか
- アカウントの名義と権限を確かめる — 誰の名義のアカウントか、自社でもログインして数字を見られるか、契約が終わったらどうなるか
- 応募を経路別に出してもらう — その広告を経由した応募と、無料枠など広告以外から来た応募を分けて報告してもらう
- 相場を一度だけ聞き比べる — 同じ媒体・同じプランで、ほかの代理店や媒体社にも見積もりを取る
5つ目について、私自身も、お客さまの媒体費を決めるときは、知り合いの会社に「いまこの媒体はいくらぐらいで出していますか」と聞いて、費用を下げられないかを確かめることがよくあります。代理店はマージンをもらう立場なので、費用は放っておくと上がりやすいからです。
手数料は悪ではない。ただ、誰の得になる構造かは知っておく
代理店の手数料は、媒体の知識、掲載までの速さ、原稿や運用の手間を引き受けてもらうことへの対価です。新店のオープンで期限までに人数をそろえたいときなど、代理店に頼んだほうが早くて確実な場面はたくさんあります。
私が求人広告の会社にいたころに感じていたのは、お客さまの採用が決まると掲載が止まり、売る側の数字が下がる、という構造への違和感でした。誰かが悪いわけではありません。ただ、その構造の上では、提案はどうしても「出しましょう」「増やしましょう」に寄ります。
だから私たちのクルスタでは、報酬を月額だけにして、お客さまが媒体に払う広告費には手数料を一切乗せていません。広告費がいくらになっても私たちの報酬は変わらないので、効いていない広告費には「止めましょう」と言えます。どちらの仕組みが正しいという話ではありません。目の前の提案がどの仕組みから出ているのかを知ったうえで、選んでください。アルバイト採用で店舗が払う費用の全体はアルバイトの採用代行の費用にまとめています。
まとめ
- 求人広告代理店の手数料(マージン)は、掲載課金型では主に媒体社からの販売手数料、Indeedなどのクリック課金型では広告費への上乗せか差し引きで入る
- 媒体ごとに率が違い、報酬が販売額に連動するため、提案は手数料のいい媒体・高い価格帯・予算の増額に寄りやすい。求人の数を増やす提案は出にくい
- 確かめる方法は、請求額と管理画面の見比べ、手数料の率と含まれ方の書面化、アカウントの名義、経路別の応募、相場の聞き比べの5つ
次の一歩は、先月の請求書と、媒体の管理画面の「実際に使われた広告費」を並べてみることです。その差が、いま払っている手数料の目安になります。
動画で見る
代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。
求人広告の会社で約10年働き、お客さまの採用が決まると掲載が止まって売上が下がる構造に違和感を持って独立した経緯を代表が話しています。
アルバイト向けと社員向けの求人媒体ではプランの価格帯が違い、代理店の提案が価格の高い媒体に寄りやすい理由を代表が話しています。
よくある質問
求人広告代理店のマージンとは何ですか?
代理店が求人広告を販売・運用したことへの対価として受け取るお金です。掲載課金型の媒体では媒体社から代理店に販売手数料として支払われることが多く、クリック課金型の媒体では広告費に上乗せするか、入金した広告費から差し引く形で受け取るのが一般的です。
Indeedを代理店経由で使うと手数料はかかりますか?
Indeed自身は固定の掲載料金や手数料のないクリック課金型ですが、代理店に運用を頼むと、代理店の運用手数料がかかるのが一般的です。広告費とは別に請求される形と、入金した広告費の中から差し引かれる形があるので、どちらかを契約前に確かめてください。
代理店の手数料を確かめる方法はありますか?
代理店からの請求額と、媒体の管理画面に表示される実際に使われた広告費を見比べるのが確実です。あわせて、手数料の率、広告費に上乗せか差し引きか、最低手数料の有無、アカウントの名義を書面で確認しておきます。
代理店に手数料を払うのは損ですか?
損とは限りません。媒体の知識や掲載までの速さ、原稿や運用の手間を引き受けてもらう対価です。大切なのは、手数料がいくらで、どう含まれていて、提案がその仕組みにどう影響しやすいかを分かったうえで頼むことです。
求人広告の見積もりが代理店によって違うのはなぜですか?
同じ媒体・同じプランでも、代理店が自分の取り分の一部を値引きに回すことがあるためです。また、媒体によって代理店に入る手数料の率が違うため、どの媒体をすすめるかも代理店によって変わります。