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店舗の1on1の進め方|スタッフの本音を聞く場の作り方

この記事の結論

店舗の1on1は、業務の報告や評価の面談とは分けて、スタッフ本人のための短い時間として定期的に持つと本音が出てきます。間隔を決めて先に予定に入れ、最近の調子、困っていること、うまくいったこと、この先やってみたいことの順に聞き、答えを先に言わず、次にやることは本人に決めてもらいます。聞いた話の扱いと、勤務時間の中で行うことも先に決めておきます。

1on1を始めてみたものの、「特にないです」で5分で終わってしまう。結局、店の数字の確認や業務の連絡になって、本音は出てこない。シフトがばらばらで、時間を合わせるのも一苦労。店舗で1on1を続けようとすると、こうした壁にぶつかります。

私たちは店舗の採用を支援しながら、自分たちでもサロンを運営しています。店の責任者とは毎週、決まった時間に話していますし、会社としても1on1で、一人ひとりが仕事やこの先のキャリアに望むことを確かめています。この記事では、その経験から、店舗の1on1の進め方を、頻度、聞く順番、聞き方、注意点に分けてまとめます。

店舗の1on1は、報告や評価の場とは分ける

1on1は、上司とスタッフが1対1で、定期的に話す時間です。大事なのは、これをスタッフ本人のための時間にすることです。店の売上の報告を受ける場でも、時給や評価を伝える場でもありません。

報告や評価を同じ場に混ぜると、スタッフは「ここで言ったことが評価に響くかもしれない」と考え、困っていることほど話さなくなります。業務の確認は朝礼や日報、評価は別の面談、と分けておくと、1on1は本音を話してよい場になります。

店舗は、全員が同じ時間に店にいることが少ない職場です。シフトがずれていると、気づけば業務連絡しか交わさないまま何週間も過ぎてしまいます。話す時間を「空いたら」ではなく「決めて」取らないと、1on1は続きません。

誰と、どのくらいの間隔で

頻度と長さは、相手によって変えます。目安は次のとおりです。

相手 間隔のめやす 長さのめやす
店長・社員 週1回 30分前後
慣れたアルバイト 月1回 10〜15分
入ったばかりの人 入って1か月と3か月の頃 5〜10分

私たちは社員とは、週に1回、30分前後の面談の時間を取っています。月に1回だと、小さな困りごとが大きくなってから気づくことがあるからです。代表の中野谷は、文面で送ると重く受け取られやすいので、顔を見て話すことを大事にしたいと話しています。

アルバイトは、シフトの前後の時間を使えば、店を止めずに話せます。人数が多い店で、店長が全員と1on1をするのは無理があります。店長は社員やリーダーと話し、そのリーダーがアルバイトと話す、というように、誰が誰と話すかを決めておくと続きます。この考え方はスタッフが辞めたくなる店舗の特徴でも触れています。

1on1の型: 毎回同じ順番で聞く

毎回同じ順番で聞くと、話す側も準備がしやすくなります。私たちがすすめている順番は次のとおりです。

  1. 最近の調子 — 仕事以外の話でもかまわない。最初の数分は、相手が話しやすい話題から入る
  2. 困っていること — お客さま、スタッフどうし、シフト、仕事の進め方。「やりにくいことはある?」と具体的に聞く
  3. うまくいったこと — こちらが見ていた良かった場面を、具体的に伝える
  4. この先やってみたいこと — 覚えたい技術、任されたい役割、働き方の希望
  5. 次までにやることを1つ — 本人に決めてもらう

毎回5つすべてを話しきる必要はありません。「特にないです」と言われたら、無理に掘らずに、うまくいったことを伝える時間にしてもかまいません。続けているうちに、話してくれる日が来ます。

聞く内容は、仕事に関わることに絞ります。家族や家庭の事情、体調などは、本人が自分から話したときにだけ聞き、こちらから詮索しません。

聞き方のコツ: 答えを先に言わない、決めるのは本人

1on1でいちばん難しいのは、聞く側が話しすぎないことです。相手が迷っていると、つい「こうすればいいよ」と答えを言いたくなります。

代表・中野谷のひとこと

基本的には、スタッフが決める話だからね。こうなったら嬉しいな、という方向性で話し合いはするけど、こっちが決めちゃうと、絶対やりたくなくなっちゃうから。

こちらの希望は伝えてかまいません。ただ、最後に決めるのは本人です。自分で決めたことは、言われたことより続きます。

もう1つ大事なのが、うまくいっていないことの伝え方です。

代表・中野谷のひとこと

これができていないから、という話をしても、刺さらないんだよね。別にスキルの問題じゃなくて、マインドが整っていないんだよ。マインドを整えてあげてからのスキルセットだから、順番で言うとね。

できていないことを並べる前に、本人がいまの仕事をどう感じているか、何に引っかかっているかを先に聞きます。そのうえで、できることを一緒に決めます。問い詰めるような返し方をすると、相手は自分のやり方を否定されたと受け取り、次から話してくれなくなります。

1on1で気をつけること

  • 勤務時間の中で行う — 店が参加を求める1on1は仕事の一部です。厚生労働省のガイドラインは、使用者の指示で業務に従事する時間を労働時間とし、参加が業務上義務づけられている研修などもこれに当たるとしています(出典: 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」2026年10月確認)
  • 評価や時給の話は別の場で — 混ぜると、本音が出なくなる
  • 聞いた話を広げない — 本人の了解なく、ほかのスタッフに話さない。全員で話したほうがいいことは、本人と相談してから月1回のミーティングに出す。全員の場で個人の事情を扱わない進め方は店舗の月1ミーティングの進め方にまとめています
  • 聞いたことに、何か1つは応える — 話しても何も変わらないと思うと、人は話さなくなる。すぐに変えられないことは、いつまでに答えるかを伝える

記録は短く、次の1on1の最初に使う

記録は、相手の言葉をそのまま短く残すのがコツです。「シフトの前日に変更が来るのがつらい」「新しいメニューを覚えたい」のように、本人が言ったとおりに書いておきます。

次の1on1は、その記録から始めます。「前回、新しいメニューを覚えたいと言っていたけど、その後どう?」と聞かれると、スタッフは「ちゃんと覚えていてくれた」と感じます。この積み重ねが、本音を話してもいいと思える土台になります。

店長自身にも、話を聞いてもらう相手が必要です。私たちの店舗では、店の責任者と週1回、今週困ったこと、悩んでいること、売上の進み具合を確かめる時間を持っています。店長がスタッフの話を聞き続けるには、店長の話を聞く人がいることが欠かせません。店長に任せる仕事の順番は店長の育て方で書いています。

まとめ

  • 店舗の1on1は、報告や評価と分けて、スタッフ本人のための時間にする。話す時間は「空いたら」ではなく「決めて」取る
  • 店長・社員とは週1回、慣れたアルバイトとは月1回、新人は入って1か月と3か月がめやす。誰が誰と話すかも決めておく
  • 調子→困っていること→うまくいったこと→この先→次にやること1つ、の順で聞く。答えを先に言わず、決めるのは本人。できていないことより先に気持ちを聞く
  • 勤務時間の中で行い、聞いた話は広げず、記録は本人の言葉で短く残して次の最初に使う

まずは、来週のシフト表を開いて、店長かリーダーと話す15分を先に書き込んでください。予定に入っている1on1だけが、続いていく1on1です。

よくある質問

店舗の1on1は、どのくらいの頻度で行えばよいですか?

店長や社員とは週1回、慣れたアルバイトとは月1回くらいが回しやすいめやすです。入ったばかりの人には、入って1か月と3か月の頃に短い時間を取ります。間隔そのものより、決めた予定を飛ばさずに続けることのほうが大切です。

1on1では何を話せばよいですか?

最近の調子、困っていること、うまくいったこと、この先やってみたいこと、の順に聞き、最後に次までにやることを1つ本人に決めてもらいます。業務の報告や時給・評価の話は別の場にすると、本音が出やすくなります。

アルバイトにも1on1は必要ですか?

必要です。アルバイトはシフトの中で店長と話す時間が少なく、困っていることがあっても言い出しにくい立場です。10分ほどでも、決まった時間に話を聞く場があるだけで、小さな不満が大きくなる前に拾えます。

1on1の時間に給料は必要ですか?

店が参加を求める1on1は、仕事の一部として勤務時間の中で行います。厚生労働省のガイドラインは、使用者の指示で業務に従事する時間を労働時間としており、参加が義務づけられている研修なども労働時間に当たるとしています。

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