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店舗採用・応募支援

リファラル採用(社員紹介)の始め方|店舗・中小企業で紹介が出ない理由と動かし方

この記事の結論

リファラル採用(社員紹介)を動かすには、制度や金額を整えるより先に、期間を区切って経営者や幹部が「今月は紹介をお願いします」と全員に言い続けることです。紹介する人を選考の間に立たせず、紹介のお礼を出すなら職業安定法に沿った形を社会保険労務士に確かめてから始めます。

「紹介してくれたら、お礼をします」と休憩室に貼り出したまま、半年たっても紹介はゼロ。リファラル採用でいちばん多いのが、この状態です。制度はあるのに動かない。原因は金額ではなく、進め方にあります。

リファラル採用(社員紹介採用)は、うまく回れば求人広告とは別の入口になり、入る前から職場を知っている人を迎えられる方法です。この記事では、店舗や中小企業で紹介が出ない理由を分けたうえで、実際に紹介を生むための進め方を順に説明します。

リファラル採用が店舗・中小企業に向く理由

  1. 入る前から職場を知っている: 紹介した人から仕事の中身や雰囲気を聞いたうえで来るので、入ってからの「思っていたのと違う」が起きにくくなります
  2. 会社の名前で選ばれにくい店ほど効く: 知名度がなくても、「信頼している人が働いている店」という理由なら検討してもらえます
  3. 通える範囲の人とつながりやすい: 店舗では、スタッフの友人や知人が同じ地域に住んでいることが多く、通勤の条件が合いやすくなります

もう1つ、代表の中野谷は、紹介で入った人には頑張れるところがある、と話しています。紹介してくれた人の顔を立てるためにも簡単には辞められないと思っているうちに、仕事に慣れていく。最初のつらい時期を越えやすいのは、紹介ならではの強みです。入社直後の受け入れ方は「新人がすぐ辞める店舗の共通点」でも解説しています。

制度を作ったのに紹介が出ない4つの原因

原因1: 「いつでも紹介して」で終わっている

いちばん多い理由です。期限のないお願いは、優先順位が最後になります。スタッフは毎日の仕事で手一杯で、「そういえば紹介の制度があったな」と思い出す機会がありません。常に貼ってある掲示は、制度があることを知らせる役には立っても、行動してもらう力はほとんどありません。

原因2: どんな人に声をかければよいのか分からない

「いい人がいたら」と言われても、何をもっていい人なのかが共有されていなければ、スタッフは動けません。求める人物像が1行で言えるかが分かれ目です。「未経験で大丈夫、店から通える範囲に住んでいて、土日のどちらかに入れる人」くらい具体的なら、スタッフは自分の友人や知人の中から思い当たります。

原因3: 紹介した後が気まずい

根の深い原因です。「紹介した友人が落ちたら気まずい」「入ってすぐ辞めたら自分のせいになる」。この不安があると、制度がいくら整っていてもスタッフは動きません。気まずさは、後で説明する動線で消していきます。

原因4: スタッフが紹介したいと思える店になっていない

見落とされやすいのがこれです。代表の中野谷は、紹介のお願いをしても動きがない会社では、スタッフが紹介したくないと思っているケースも本当にある、と話しています。友人に「うちで働きなよ」と言えるかどうかは、今の職場をどう感じているかの表れでもあります。紹介が出ないときは、制度より先に、シフトの決まり方や教え方など、働く側の不満を確かめてください。シフトの面からの見直し方は「店舗の定着率を上げるシフト設計」にまとめています。

始め方: 期間を区切って、上から言い続ける

リファラル採用を動かすいちばんの近道は、期間を区切って会社全体で一気にやることです。「今月は紹介強化月間」と決め、経営者が自分で呼びかけます。年に数回、決めた月に集中して取り組むほうが、常に募集し続けるより紹介は出やすくなります。

代表・中野谷のひとこと

めちゃめちゃ期間を絞って、強く言います。お金を積まなくても、〇月末までリファラル強化月間なんで、皆さん紹介してください、お願いします、って言います。マジで効きます、リファラルは。

同じ業態の会社どうしでも、紹介で採れる人数に大きな差がつくことがあります。差を生むのは制度の細かさではなく、上に立つ人がどれだけ本気で言い続けたかです。代表の中野谷は、お金の量よりも周知の強さが大切で、何人採りたいのかをちゃんと言うこと、と繰り返しています。紹介を管理する仕組みを入れても、仕組みだけで動く人は多くない、というのが私たちの見立てです。

代表・中野谷のひとこと

社長とか幹部の方が、やれって言う力が強いほうが、リファラルはうまくいきます。この人がやれって言ってるからやらなきゃダメだよね、じゃあ声かけてみよう、っていう状態を作れてるかどうか。

強化期間の設計は、次の4点で足ります。

  • 期間: 1か月ほど。長すぎると緩みます
  • 求める人物像: 1行で。全店に同じ言葉で配ります
  • 紹介の手順: 後で説明する動線を、紙1枚にまとめて渡します
  • 途中経過の共有: 週に1回、「今週は何件の紹介がありました」を全体に伝える。動いている感じが、次の紹介を呼びます

人数の多い店なら、アルバイトの中に「紹介を増やす係」を置くのも1つの方法です。全員が人事のつもりで声をかけるのが理想ですが、難しければ、みんなが声をかけているかを気にかけ、紹介された人が来たときに迎える役を決めておきます。

紹介した人を、選考の間に立たせない

紹介の動線でいちばん大事なのは、紹介した人を選考のやり取りから外すことです。おすすめは、求人ページのURLやQRコードを紹介した人から友人に渡してもらい、本人から直接応募してもらう方法です。

  • 紹介した人は「これ見てみて」と渡すだけで役目が終わる
  • 応募した後のやり取りは、会社と本人の間で完結する
  • 不採用や辞退になっても、紹介した人が間に立っていないので、関係がこじれにくい

紹介した人が履歴書を預かったり、面接の日程を伝言したりする形にすると、手間と気まずさが一気に増えます。誰の紹介かは、応募フォームに一項目あるか、紹介用のQRコードを分けておけば分かります。分かればよいのは「誰かの紹介であること」で、紹介した人に結果を伝える必要はありません。

また、求人媒体の掲載は止めずに出しておいてください。紹介で話を聞いた人が、あらためて求人媒体から応募してくることがあるからです。応募の入口がないと、せっかく興味を持った人の行き先がなくなります。

「紹介しても、採用されるとは限らない」ことは、強化期間を知らせるときに最初から伝えておきます。後から言うと角が立ちますが、最初に共有しておけば、不採用になっても受け止めやすくなります。

紹介のお礼を出すなら、法律の確認が先

紹介してくれたスタッフにお礼をしたい、と考える会社は多いと思います。ここは注意が必要です。職業安定法は、労働者の募集を行う者が、その募集に従事する従業員に対して、賃金や給料その他これに準ずるものとして支払う場合などを除き、報酬を与えることを禁じています(出典: e-Gov法令検索「職業安定法」第40条 2026年10月確認)。お礼を出すなら、就業規則や賃金の規程でどう定めて、どう支払うかを、社会保険労務士などの専門家に確かめてから始めてください。

従業員以外の人、たとえば辞めた元スタッフやお客さまにお礼を払って人を紹介してもらう形は、さらに注意がいります。職業安定法は、雇う側が自社の従業員以外の人に報酬を与えて募集をさせるときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならないとしています(出典: e-Gov法令検索「職業安定法」第36条 2026年10月確認)。

そのうえで、私たちの考えは、お礼の金額で紹介を増やそうとしないことです。金額を上げても紹介は増えにくく、お礼が大きいほど「お金のために誘っている」と見られるのを嫌がって、かえって声をかけにくくなる人もいます。お礼はあくまで添えるものにして、「会社として今、一緒に働く人を増やしたい。手伝ってほしい」とまっすぐ伝えるほうが、紹介は出やすくなります。制度を正式に始めた後で中身を変えると社内の不信につながるので、確認は始める前に済ませておきます。

効果を確かめて、広げる

リファラル採用は、やった気になって終わりやすい取り組みです。最低限、次の数字を残してください。

  • 強化期間中に声をかけた件数(紹介の件数)
  • そのうち応募に至った件数
  • 面接の実施数・入社数
  • 紹介で入った人の、3か月後・6か月後の在籍

紹介はあるのに応募に至らないなら、原因は求人ページの中身か、紹介の手順が面倒すぎるかのどちらかです。応募まで来るのに入社しないなら、選考の中身を見直します。応募から入社までのどこで人が減っているかの見方は「店舗のアルバイト採用がうまくいかない理由とコツ」も参考にしてください。

回り始めたら、同じ考え方を近い入口にも広げられます。

  • 出戻り(アルムナイ採用): 一度辞めた元スタッフに、もう一度声をかけます。気持ちよく辞めた人とのつながりを切らないでおくと、戻るハードルが下がります
  • お客さまからの採用: 店舗では、常連のお客さまが「ここで働きたい」と口にすることがあります。スタッフに「そういう声を聞いたら必ず教えて」と頼んでおくと拾えます

どちらも、すでに自社を知っている人が相手です。ただし先に触れたとおり、従業員以外の人にお礼を払って紹介を頼む形は職業安定法の許可の対象になり得るので、声をかけるのは会社から直接にしてください。

まとめ

  • リファラル採用が動かない理由は、期限がない・人物像が伝わっていない・気まずい・紹介したい店になっていない、の4つ
  • 動かす近道は、期間を区切って経営者や幹部が言い続けること。金額より周知の強さが効く
  • 紹介した人を選考の間に立たせず、URLやQRコードで本人から直接応募してもらう。お礼を出すなら、職業安定法に沿った形を社会保険労務士に確かめてから

次の一歩は、求める人物像を1行で書き出し、次の全体ミーティングで強化期間の始まりを宣言することです。制度の完成度より、始まったことが全員に伝わっているかどうかが結果を分けます。

よくある質問

リファラル採用の制度を作ったのに紹介が出ないのはなぜですか?

期限のない「いつでも紹介して」になっている、どんな人を紹介すればよいかが伝わっていない、紹介した後の気まずさが残る、そもそもスタッフが紹介したいと思える店になっていない、のいずれかであることが多いです。

紹介を増やすには、紹介のお礼の金額を上げればよいですか?

金額を上げるより、期間を区切って経営者や幹部が本気で呼びかけるほうが効きます。お礼が大きいほど、お金のために誘っていると見られるのを嫌がって声をかけにくくなる人もいます。

紹介してくれたスタッフにお礼を払ってもよいですか?

職業安定法第40条は、募集に従事した従業員に、賃金や給料などとして支払う場合を除いて報酬を与えることを禁じています。お礼を出すなら、就業規則や賃金の規程でどう定めるかを、社会保険労務士などに確かめてからにしてください。

紹介された人の応募は、どう受け付ければよいですか?

紹介したスタッフに求人ページのURLやQRコードを渡してもらい、本人から直接応募してもらう形がおすすめです。紹介した人を選考のやり取りに入れないので、不採用や辞退になっても関係がこじれにくくなります。

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