ChatGPT・Claudeで求人原稿を作るときの注意点|Indeedの掲載基準と人の確認
この記事の結論
ChatGPTやClaudeで求人原稿を作るときは、人が先に「実際の条件と仕事の中身」と「使わない言葉」を型にしてからAIに下書きを任せ、掲載する前に人が掲載基準と事実の両方を確かめます。AIの下書きには、1本の原稿に複数の職種が混ざる、条件があいまいになる、性別を示す言葉や実際より盛った表現が入る、といったずれが起きやすいからです。店舗のアルバイト求人でも考え方は同じです。
求人原稿を書くのは、店長やオーナーにとって手間のかかる仕事です。仕事の中身を言葉にし、ホールとキッチン、平日と週末のように求人を分けて書き、媒体の画面に入れる。ChatGPTやClaudeのようなAIを使えば、この手間はかなり減ります。私たちも採用の支援の中で、原稿の下書きや修正にAIを使っています。
ただ、AIが書いた原稿をそのまま出すと、媒体の掲載基準や法律に合わない言葉が入ることがあります。この記事では、店舗のアルバイト求人をAIで作るときに、人が先に決めること、AIの下書きで起きやすいずれ、出す前に確認することをまとめます。原稿そのものの組み立て方は求人原稿の書き方を見てください。
AIに任せるのは下書きと書き分け、出すかどうかは人が決める
AIが得意なのは、材料をもとに文章の形を整えることです。仕事内容の箇条書きから読みやすい文章を作る、同じ店のホールとキッチンの原稿を書き分ける、長すぎる説明を短くまとめる。こうした作業は、人が一から書くよりずっと速く終わります。
代表・中野谷のひとこと
採用でいうと一番工数がかかるのは、やっぱり原稿の修正と入稿まわりなんですけど、そこはほぼほぼAIでできたりします。原稿の作成も、型があればある程度までは出せます。
(YouTube「採用業務のAI化 なにしてる?」より)
代表が「型があれば」と言っているところが大事です。AIは、店の本当の条件を知りません。時給、働ける時間帯、休みの取り方、仕事の流れ、一緒に働く人。こうした事実を決めて渡すのは人の役目で、書き上がった原稿を出してよいかを決めるのも人です。私たちは、原稿の下書きはAI、掲載してよいかを決めるのは人、と分けています。
AIに渡す前に、人が「原稿の型」を作る
AIの下書きの質は、渡す材料でほぼ決まります。何も渡さずに「居酒屋のホールスタッフの求人を作って」と頼むと、どこの店にも当てはまる文章が返ってきます。それどころか、実際とは違う時給や待遇がもっともらしく書かれることもあります。
頼む前に、次の材料を1枚にまとめておきます。
- 実際の条件 — 給与(時給の幅とその決め方)、勤務地、働ける曜日と時間帯、休憩、交通費、試用期間
- 仕事の流れ — 出勤してから帰るまでに何をするか、最初の1週間で覚えること
- 職場の様子 — 何人ほどで店を回しているか、誰が教えるか。年齢や性別ではなく、働き方で書く
- 過去の原稿 — 応募が来たときの原稿と、来なかったときの原稿
- 使わない言葉 — 店で決めたNGの言葉の一覧(次の章で触れる、性別を示す言葉など)
私たちの使い方では、媒体の掲載基準の要点もあわせてAIに読ませておくと、それに沿った下書きが出てきやすくなります。それでも漏れはあるので、人の確認を省く理由にはなりません。
AIの下書きで起きやすい5つのずれ
Indeedは、求職者の役に立たない求人を振り分けるために「掲載基準」を定めています(出典: Indeed「Indeedで求人情報が表示されない理由。掲載基準を見直してみよう」2026年10月確認)。AIの下書きを、この掲載基準と厚生労働省のルールに照らしてみると、店舗の求人で起きやすいずれは次の5つです。
1 1本の原稿に、複数の職種や店舗が混ざる
AIに「ホールとキッチンの求人を作って」と頼むと、1本の原稿に両方を書いてくることがあります。Indeedの掲載基準は、1つの求人には1つの職種と1つの勤務地を原則とし、複数の求人をまとめて出さないよう求めています。職種や店舗ごとに原稿を分け、それぞれをAIに書き分けてもらいます。
2 条件があいまいになる
「経験に応じて優遇」「シフトは相談に応じます」のように、AIは角の立たない書き方を選びがちです。掲載基準では、勤務地、職種名、応募条件、給与体系を明記し、応募条件や給与などの大事なことをあいまいにしないよう求めています。給与は「時給1,100円〜1,300円」のように幅と決め方を、時間帯は実際の曜日と時刻で書き直します。
3 性別を示す言葉が入る
AIは世の中でよく使われる言い回しを選ぶので、「主婦歓迎」「ウエイター」のような言葉を自然に入れてきます。Indeedの掲載基準は、性別・年齢・国籍など、仕事をする力と関係のない理由で応募を制限する求人は掲載しないとし、「主婦」は「主婦(夫)」のように性別を限定しない書き方にするよう示しています。厚生労働省も、男女のいずれかを表す名称で募集する職種を示すことを違法の例として挙げ、「ウエイター」「○○レディ」「男性歓迎」「女性向きの職種」を例に示しています(出典: 厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」令和8年6月作成)。
代表・中野谷のひとこと
特に主婦とかの言葉ですね。男性の主夫もいるじゃないですか。そういう言葉を使うとエラーが出ちゃうので、気をつけないといけないです。
(YouTube「【使わないと損】AIで利益最大化! 経営者が「やるべきこと」と「AIに任せること」の線引き」より)
年齢も同じです。「若いスタッフが活躍中」のような言葉はAIが出しやすいので、見つけたら、時間帯や仕事の中身で書き直します。
4 実際より良く見せる言葉が足される
「アットホームな職場です」「すぐに稼げます」「誰でも簡単」のように、AIは原稿を魅力的に見せる言葉を足してきます。実際と違えば、応募する人を誤解させます。職業安定法は、求人や労働者の募集に関する情報について、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています(出典: 厚生労働省「職業安定法に基づく周知 労働者の募集広告の表示について」2026年10月確認)。AIが足した言葉は、店の事実で裏付けられるものだけを残します。
5 応募の条件に、仕事と関係のないことが入る
応募条件や面接で聞く項目までAIに任せると、家族構成や、体力・見た目に関わる条件のように、仕事と関係のない項目が入ることがあります。掲載基準は、家族構成など採用に必要な範囲を超える情報を応募者に求めないよう求めています。厚生労働省も、業務上の必要がないのに身長・体重・体力を要件にすることを、間接差別として禁じています(出典: 厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」)。条件は、実際の作業の中身で書きます。
出す前に、人が確認すること
AIの下書きが上がったら、掲載の前に次の表で確かめます。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 職種名 | 1つの職種になっているか。性別を示す言葉が入っていないか |
| 勤務地 | 実際に働く店の住所か。1本に1店舗になっているか |
| 給与・時間 | 店の実際の条件と合っているか。幅と決め方が書いてあるか |
| 仕事内容 | 実際の1日の流れと合っているか。言い過ぎていないか |
| 応募条件 | 年齢・性別・国籍ではなく、仕事に必要なことで書いているか |
| 写真・画像 | 実際の職場とスタッフか(AIで作った画像の扱いはAIで作った画像を求人・ホームページに使うときの注意点) |
確認する人は、原稿ごとに1人に決めておきます。直したところは、AIの下書きと一緒に残しておきます。どこをどう直したかが貯まっていくと、次にAIへ渡す「使わない言葉」の一覧が育っていきます。
なお、Indeedの掲載基準は、表示の順番を操作する行為や、求人を頻繁に出し直すことも禁じています。AIに「応募を増やす方法」を聞くと、こうした案が混ざってくることがあるので、採らないでください。審査で止まったときの見直し方はIndeedで求人が掲載されない・非掲載になる原因と対処法にまとめています。
Indeedの「求人作成AIサポート」も、下書きの1つとして使う
Indeed自身も、AIで求人を作る機能を用意しています。2026年10月時点の公式ページでは、入力した基本情報をもとにAIが求人票のドラフトを作る「求人作成AIサポート」が、無料のアカウントで使える機能として紹介されています。有料のスポンサー求人を始めると使える「Indeed PLUS AIアシスタント」は、AIが求人原稿の改善の提案から反映までを支援する機能と案内されています(出典: Indeed「有料および無料で使える機能のご紹介」2026年10月確認)。
ChatGPTでも、Claudeでも、媒体の機能でも、出てくるのは下書きです。店の事実と照らし合わせて、出してよいかを決める仕事は人に残ります。
応募者やスタッフの情報は、AIに入れない
原稿を作るのに、個人の情報は要りません。過去の応募者の履歴書や、スタッフの名前・連絡先をAIに貼り付けるのはやめてください。個人情報保護委員会は事業者に向けて、個人情報を含む指示を生成AIサービスに入れるなら、それが特定した利用目的を達成するのに必要な範囲内かを十分に確かめるよう求めています。同意なく入れた個人データが応答の出力以外の目的で扱われれば法律に反するおそれがあるため、機械学習に使われないことなども確かめるよう示しています(出典: 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」令和5年6月2日)。
スタッフの声を原稿に入れたいときは、本人の了解を取り、名前を伏せて渡します。社内で何を入れてよいかを決める方法は生成AIを社内で使うときの情報の扱いにまとめています。
まとめ
- AIに任せるのは下書きと書き分け。実際の条件と使わない言葉は人が先に決め、掲載するかは人が決める
- AIの下書きでは、職種の混在、条件のあいまい化、性別を示す言葉、盛った表現、仕事と関係のない応募条件が起きやすい。Indeedの掲載基準と厚生労働省のルールに照らして直す
- 直したところを残していくと、次に渡す型が育つ。応募者やスタッフの個人情報はAIに入れない
次の一歩として、いま出している求人を1本選び、実際の条件と仕事の流れを1枚に書き出してみてください。それをAIに渡して下書きを作らせ、元の原稿と並べて読むと、どこを人が見るべきかがはっきりします。
動画で見る
代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。
求人原稿の修正や入稿、効果測定など、採用の仕事のどこをAIに渡しているかを代表が話しています。
よくある質問
ChatGPTやClaudeで作った求人原稿を、そのままIndeedに載せてもよいですか?
そのままは載せず、人が読んでから掲載してください。Indeedの掲載基準は、1つの求人に1つの職種と1つの勤務地を原則とし、勤務地・職種名・応募条件・給与体系をはっきり書くこと、性別や年齢など仕事と関係のない理由で応募を制限しないことを求めています。AIの下書きには、これに合わない書き方が混ざることがあります。
AIに求人原稿を頼むとき、何を渡せばよいですか?
実際の給与・勤務地・時間帯・休み、出勤してから帰るまでの仕事の流れ、職場の様子、過去に応募が来た原稿、店で使わないと決めた言葉の一覧です。店の事実を渡さずに頼むと、どこの店にも当てはまる文章や、実際と違う条件がもっともらしく書かれやすくなります。
求人原稿の下書きに、スタッフや応募者の情報を入れてもよいですか?
名前や連絡先、履歴書の内容は入れないでください。原稿づくりに個人の情報は要りません。スタッフの声を原稿に使いたいときは、本人の了解を取り、名前を伏せて渡します。
Indeedにも、AIで求人を作る機能はありますか?
あります。2026年10月時点のIndeedの公式ページでは、入力した基本情報をもとにAIが求人票のドラフトを作る「求人作成AIサポート」が、無料のアカウントで使える機能として紹介されています。こちらも下書きなので、掲載する前に人が確認する点は変わりません。