求人原稿の書き方|クリックと応募が変わる職種名・写真・給与の見せ方
この記事の結論
求人原稿は、一覧画面で見られる「職種名・1枚目の写真・給与・キャッチコピーの冒頭」の4つから直すのが近道です。職種名はどのカテゴリーの求職者に表示されるかまで決めるので最優先で、詳細ページは「条件→仕事内容→画像→キャッチコピー」の順で組み立て、変えた効果は自社の管理画面の数字で確かめます。
求人を出しているのに応募が来ない。予算を増やしても手応えがない。そんなとき、多くの会社が最初に疑うのは「掲載費が足りないのでは」という点です。しかし管理画面を開いてみると、表示回数(インプレッション)は十分あるのにクリックされていない、というケースが少なくありません。求人原稿は、書き方次第でクリック率も応募率も大きく動く領域です。この記事では、求職者が実際に見ている要素から逆算して、原稿をどう書けばクリックと応募につながるのかを整理します。
はじめに: 原稿は「お金をかけずに動かせる」数字を決める
先にお断りしておくと、「この通りに書けば必ず応募が何倍になる」という書き方はありません。採用の結果は職種・エリア・時期・競合状況で大きく変わるため、そう言い切れる人はいないはずです。
ここで言いたいのは別のことです。クリック率や応募率は、掲載費を1円も増やさずに原稿の書き方だけで動かせる数字です。同じ会社の同じ求人でも、職種名と写真を入れ替えただけで数字が別物になることは、現場では珍しくありません。大きく動くこともあれば、ほとんど動かないこともあります。だからこそ、業界平均ではなく自社の管理画面の数字で確かめる前提で読み進めてください。
原稿の差がどれだけ効くかを示す数字を一つ挙げます。当社の支援先では、Indeedで有料配信した589求人のうち49.3%が、30日間で応募0件でした(出典: AccompanyOn「店舗採用データ 2026」2026年。2026年7月31日〜8月29日頃の30日間・当社支援先の実績で、市場平均ではありません)。同じようにお金をかけていても、応募まで届く求人と届かない求人に分かれる。支援の現場で見ている限り、その差の多くは職種名・写真・原稿の中身から生まれています。
原稿を直す前に、どの数字が悪いのかを確かめる
原稿を書き直す前に、まず今の求人がどこで止まっているのかを見ます。採用は「表示される → クリックされる → 応募される」という順に人が減っていく流れです。見るべき数字は2つだけです。
- クリック率(CTR)= クリック数 ÷ 表示回数
- 応募率(CVR)= 応募数 ÷ クリック数
比べる物差しとして、当社の支援先34社のIndeed有料配信では、合算で表示→クリックが6.4%、クリック→応募が3.3%でした(出典: 同上「店舗採用データ 2026」、同じ30日間)。職種やエリアで大きく変わるので合否ラインではありませんが、自社の数字がこれと大きく離れている段があれば、そこから手を付けます。
表示回数が少ないなら、文章より先に掲載の枠組み(職種カテゴリーや掲載枠の数)の問題です。表示はあるのにクリックされないなら、一覧画面で見えている要素がズレています。クリックはあるのに応募されないなら、詳細ページで不安が消えていません。同じ「応募が来ない」でも打ち手は違います。段ごとの原因の切り分けは「Indeedで応募が来ない7つの原因と改善チェックリスト」で詳しく整理しています。
一覧画面で求職者が見ているのは4つだけ
求職者は求人サイトの一覧画面を、高速でスクロールしています。その数秒で目に入るのは、実質この4つです。
- 職種名
- サムネイル写真(1枚目)
- 給与(時給・月給)
- 勤務地とキャッチコピーの冒頭
裏を返せば、詳細ページにどれだけ丁寧な文章を書いても、この4つで「自分向けではない」と判断されたら読まれません。原稿を直す順番は、この4つが先です。
職種名の書き方: 分類とクリックの両方を決める
職種名は求人原稿でもっとも重要な項目です。理由は、職種名が2つの仕事を同時にしているからです。ひとつは「どのカテゴリーの求職者に表示されるか」を決めること。もうひとつは「自分に関係のある仕事だ」と思わせてクリックを取ることです。
同じ仕事でも、職種名の付け方で表示先のカテゴリーが変わります。専門的すぎる呼び名は母数の小さいカテゴリーに入り、表示回数が伸びません。Indeedなら管理画面の左側にあるアナリティクスから採用市場レポートを開き、職種名を入力すると、その職種名で探している人の規模を確認できます。お客さまとの打ち合わせでも、まずこの画面を一緒に開くことが多いです。母数の大きいカテゴリーに寄せる言葉を職種名に足すのが基本です。
そのうえで、求職者が自分ごと化できる言葉を組み合わせます。「接客経験が活かせる〇〇スタッフ」なら前職の経験と紐づき、「未経験から始める〇〇」なら応募のハードルが下がり、「夕方から働く〇〇」なら働ける時間で引っかかります。
一つ注意があります。職種名に入れると掲載が弾かれやすい言葉があります。私たちが試してきた範囲では、「歓迎」や、給与・収入・募集といった言葉を職種名に入れると弾かれることが多くありました。基準は媒体ごとに違い、変わることもあるので、弾かれたら言葉を変えて出し直す、を繰り返すのが現実的です。
サムネ写真・給与・キャッチコピーの整え方
サムネイル写真は「誰と働くか」が分かる1枚を選びます。求人はスマートフォンで見られることが多く、小さな画面で目に留まるのは建物や商品より人の顔です。ここで大切なのは、実際に一緒に働くメンバーをそのまま写すこと。性別や年齢で応募者を絞り込むような写真の選び方は、採用の法律上の問題になり得ます(出典: 厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」)。作り込んだ広告写真よりリアルな写真のほうが反応が良く、画素の粗さは気にしなくて構いません。
給与は、相場から見劣りしないレンジを頭に出します。月給表記なら年収換算を併記すると、一覧での見え方が変わります。雇用形態ごとに求人を分けると給与レンジが自然に変わるため、複数の見え方を無理なく作れます。
キャッチコピーは、一覧で見えるのが冒頭の数語だけだと考えて設計します。会社の理念やこだわりは後ろに回し、「残業ほぼなし」「シフト自由」「未経験からスタート」のように、求職者が一番気にしている条件を先頭に置きます。もちろん、実態と違うことは書きません。
詳細ページは「条件 → 仕事内容 → 画像 → キャッチコピー」の順で組み立てる
クリックしてもらえたら、次は応募ボタンを押してもらう段です。詳細ページは、書く順番を決めておくと迷いません。
まず条件(給与・シフト・勤務地)。求職者が最初に確認するのはここで、条件が合わなければ他は読まれません。次に仕事内容。スペックの羅列ではなく「1日の流れ」「入社後の研修」「どんな人が活躍しているか」を書くと、働く姿が具体的に浮かびます。画像は最低3枚、できれば4枚。誰と働くか、どこで働くか、何をしているか、そして条件の視覚化(まかないありならまかないの写真)です。最後にキャッチコピーを整えます。
もう一点、地味に効くのが店長やオーナーの一言です。「面接は私が担当します」の一文があるだけで応募後に誰と会うのかが分かり、書いている求人が少ないぶん差別化にもなります。
私たちは自社でも店舗を運営していて、求人の見せ方や募集条件を変えたときに応募数や応募者の層がどう変わるかを、お客さまに提案する前に自分たちの店で確かめています。ここで挙げた順番や書き方は、そうして残ってきたものです。
書いてはいけない表現と、法令面の注意
原稿には、掲載自体が弾かれる表現や、法令上避けるべき表現があります。
- 媒体側のNGワード — 職種名やタイトルに使えない語があります。基準は媒体ごとに異なり改定もされるため、各媒体のガイドラインを都度確認してください
- 求職者が先にお金を払う形式 — 制服等の購入が前提の求人は、多くの媒体で掲載できません
- 労働条件の明示 — 職業安定法第5条の3では、労働者の募集にあたって、従事すべき業務の内容や賃金、労働時間などの労働条件を明示することが求められています。また第5条の4では、求人情報について虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、情報を正確かつ最新の内容に保つことが求められています(出典: e-Gov法令検索「職業安定法」2026年9月確認)。「盛った」給与や勤務時間を書かない、募集を終えた求人や条件が変わった求人を放置しない、が基本です
- 給与の下限 — 記載する金額は、勤務地の地域別最低賃金を下回らないよう確認が必要です。最低賃金は都道府県ごとに毎年改定されるため、掲載前に最新のものを確認してください
- 募集条件の書き方 — 性別・年齢を限定する表現には法令上の制限があります。「若い方歓迎」のような書き方は避けるのが無難です
これらは一般的な注意点であり、個別の判断は所轄の労働局や専門家にご確認ください。
まとめ
- クリック率・応募率は掲載費を増やさずに動かせる数字。ただし業界平均ではなく、自社の管理画面の数字で効果を確かめる
- 一覧で見られているのは、職種名・サムネ写真・給与・キャッチコピーの冒頭の4つだけ。原稿の直しはここから。職種名は表示先のカテゴリーまで決める
- 詳細ページは「条件 → 仕事内容 → 画像 → キャッチコピー」の順で組み立て、働く姿が浮かぶ具体を入れる
次の一歩は、いま出している求人の管理画面を開き、表示回数とクリック率をメモすることです。数字を控えてから原稿を直せば、変えた効果が測れます。測れない改善は、続けても積み上がりません。
動画で見る
代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。
「職種名の書き方」の章(職種名で表示されるカテゴリーが決まること、弾かれやすい言葉)を、代表が実際の求人を例に解説しています。
よくある質問
求人原稿は、どこから書き直せばよいですか?
一覧画面で見られている職種名、1枚目の写真、給与、キャッチコピーの冒頭の4つからです。ここで自分向けではないと判断されると、詳細ページは読まれません。中でも職種名は、どの求職者に表示されるかまで決めるので最優先です。
求人の職種名はどう決めればよいですか?
求職者の母数が大きいカテゴリーに入る言葉を入れたうえで、「接客経験が活かせる」「未経験から始める」「夕方から働く」のように求職者が自分ごと化できる言葉を組み合わせます。Indeedなら管理画面のアナリティクスにある市場レポートで、職種名ごとの求職者の規模を確認できます。
求人の詳細ページは、どんな順番で書けばよいですか?
条件(給与・シフト・勤務地)、仕事内容(1日の流れ・研修・活躍している人)、画像(誰と・どこで・何をするか)、キャッチコピーの順で組み立てます。店長やオーナーが面接を担当する旨の一言を添えるのも効果的です。
求人原稿で気をつけるべき法律は?
職業安定法では、募集時に業務内容や賃金・労働時間などの労働条件を明示すること、求人情報に虚偽や誤解を生じさせる表示をしないことが求められています。給与は勤務地の最低賃金を下回らないか、性別や年齢を限定する表現になっていないかも確認します。