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2店舗目を出すタイミング|多店舗展開の前に整えること

この記事の結論

2店舗目を出すタイミングは、売上の数字より、「オーナーが現場に立たなくても1店舗目が回っている」「人は採れるのに、席や役割が足りずスタッフの次の行き場がない」の2つがそろったときが目安です。出す前に、店長を任せられる人、教え方の型、2店舗分の採用の仕組み、毎日見る数字の4つを整えておくと、2店舗目が1店舗目の足を引っぱらずに済みます。

1店舗目が軌道に乗ってくると、次に考えるのが2店舗目です。売上が伸びたから、良い物件が出たから、知り合いに勧められたから。きっかけはいろいろですが、2店舗目は1店舗目とまったく別の難しさがあります。オーナーが1人で2つの店に立つことはできないからです。

結論から言うと、2店舗目の出しどきは「オーナーが現場に立たなくても1店舗目が回っている」「人は採れるのに、席や役割が足りずスタッフの次の行き場がない」の2つがそろったときです。そして出す前に、店長を任せられる人、教え方の型、2店舗分の採用の仕組み、毎日見る数字の4つを整えておきます。

私たちも、自分たちの店舗の2店舗目を、既存店と同じエリアで準備しています。この記事では、その中で考えてきたことを交えながら、タイミングの見方と、多店舗展開の前に整えることを整理します。場所の選び方は出店場所の選び方で詳しく書いています。

2店舗目を考えるきっかけは、売上より「人」

2店舗目を考えるとき、多くの人はまず売上を見ます。もちろんお金の見通しは欠かせません。ただ、私たちが自分の店で2店舗目を考え始めたきっかけは、売上より人でした。

代表・中野谷のひとこと

やっぱり1店舗の店長が、マネジメントをもっと深くやっていきたいって言っているので、このまま1店舗でやっていたら、多分その子のキャリアってもうないと思うんですよ。その子が辞めないためにも、やっぱり増店とか、仕事をどんどん与えてあげるっていうのは本当に大切かなと思っています。

(YouTube「【衝撃】離職率激減する店舗運営の細かいテクニック!意外とやっていない店舗の人材定着術とは」より)

小さな店では、店長の上のポジションがありません。店長として力をつけた人ほど、次にやりたいことが店の中に見つからず、離れていくことがあります。もう一つは席の問題です。私たちの店舗でも、席が少なく、採用で人を増やしたくても増やせない状態になりました。小さなお店では、誰かが長く休む間に人を補充すると、戻ってきたときの席がなくなってしまうこともあります。席を増やすことは、休んでも戻ってこられる場所を増やすことでもあります。

私たちは、店舗で身につけた力を生かして、店舗から事務や採用の仕事へ移る道や、ライフステージが変わっても働き続けられる道も用意しています。2店舗目は、その選択肢をもう一つ増やすことだと考えています。

出しどきのサイン

次のうち、いくつ当てはまるかを見てください。

サイン 確かめ方
オーナーが店に立たない週でも、数字が落ちない オーナーがシフトに入らなかった週の売上・予約・口コミを、ふだんの週と比べる
予約が埋まって、お断りや先送りが続いている 希望の日時で予約が取れなかったお客さまの数を、1か月記録する
応募は来るのに、席やシフトが足りずに採れない 求人の応募の数と、実際に採用できた数の差を見る
店長やリーダーが、店の外の仕事をしたがっている 面談で、数字・採用・教育など、やってみたい仕事を聞く
開業の費用と、軌道に乗るまでの運転資金の見通しがある 1店舗目の利益と、手元に残せるお金で、何か月持ちこたえられるかを出す

とくに大事なのは、1つ目のサインです。オーナーがいる日といない日で数字が大きく変わるなら、まだ2店舗目の準備の段階ではありません。

早すぎるサイン

反対に、次の状態なら、2店舗目より先に1店舗目を整えます。

  • オーナーが毎日シフトに入らないと店が回らない
  • 1店舗目の求人を出しても、応募が集まっていない
  • 新人に教えられる人が1人しかいない
  • 売上や予約の数字が、オーナーの頭の中にしかない

この状態で2店舗目を出すと、オーナーも教える人も2つの店に分かれ、どちらの店も手薄になります。

後任に任せる準備にも時間がかかります。代表の中野谷は、オーナーが毎日店に立っている店の方と、オーナーが抜けても回る体制について話したとき、「いきなり、よーいどんでこの人に代わります、というのはできない。その人にお客さんをつける作業から始めて、それがうまく回れば、そこから離れながら近場でもう一店舗、というのも全然ある」と話しています。オーナーや店長についていたお客さまを、少しずつ次の担当者につないでいく期間を、計画の中に入れておいてください。

出す前に整えること4つ

1. 店長を任せられる人と、その人の後任 2店舗目の店長は、1店舗目のやり方を知っている人に任せると、接客や教え方をそろえやすくなります。そのぶん1店舗目に穴が空くので、後任のリーダーを先に育てておきます。中に適任がいないときは、外から採った人に、まず1店舗目で一定の期間働いてもらってから任せます。複数の店舗をまとめる役をいつ置くかはエリアマネージャーの役割で整理しています。

2. 教え方の型 1店舗目では、教える人の頭の中にあるやり方で回っていたかもしれません。2店舗目では、教える人も教わる人も増えます。最初の研修で教えることと順番、一人立ちの目安を紙にしておくと、店が増えても教え方がぶれません。私たちの店舗でも、教える側のスタッフが続けて抜けたときに、教え方が人の頭の中にしかないことの怖さを経験しました。

3. 2店舗分の採用の仕組み 2店舗目の開業前には、オープニングのスタッフを一度に集める必要があります。そのうえで、開業後は2つの店の求人を並べて管理することになります。開業日から逆算した採用の段取りは新店オープニングスタッフ採用の段取り、店が増えたときの採用の型は多店舗展開の店舗採用を仕組み化する方法にまとめています。

4. 毎日見る数字 2つの店を見るようになると、オーナーが毎日両方の店に立つことはできません。売上、予約の埋まり具合、その日の出勤の3つを、どちらの店も同じ形で毎日見られるようにしておきます。

2店舗目は、近くに出すほうが楽になる

場所は、自分の業態が探されているか、競合がどれだけ強いか、人を採れるかで選びます。そのうえで、私たちが2店舗目について振り返って思うのは、人の余力を先につくっておくことの大切さです。

代表・中野谷のひとこと

僕が1年前の自分に言うなら、今のうちに増店して人を増やしておかないと、後々きつくなるよって言いたかったです。そのために店舗を増やしとけ。しかも近くで。

人が急に減ることは、どの店にも起きます。近くにもう一つ店があれば、スタッフが行き来でき、1店舗では止まっていたはずの予約を止めずに済むことがあります。私たちが2店舗目を既存店と同じエリアで探しているのも、いま働いているスタッフが長く働き続けられる場所を増やしたいからです。

スタッフと一緒に決める

2店舗目は、オーナーが1人で決めるより、いまのスタッフと一緒に考えるほうがうまくいきます。私たちの店舗では、スタッフ全員が集まるミーティングで、もう1店舗増やす案を話しました。すると、スタッフから「少し高めの価格帯のメニューをやってみたい」という声が出てきました。2店舗目の中身を考えるうえで、現場の声はそのまま材料になります。

スタッフと一緒に考えるときは、次のことを聞いておきます。

  • 2店舗目で働いてみたい人はいるか。通える範囲か
  • 2店舗目で、どんな役割をやってみたいか
  • 1店舗目に残りたい人は、誰と働きたいか

1店舗目の主力を全員2店舗目に移すと、1店舗目の質が落ちます。誰がどちらの店に立つかは、両方の店で教えられる人がいるように組んでください。

出したあと、最初の数か月で見ること

2店舗目を出したあとは、新しい店の数字だけでなく、1店舗目の数字も同じように見ます。

  • 1店舗目の次回予約や口コミが、出す前より落ちていないか
  • オーナーと店長の時間が、どちらかの店に偏りすぎていないか
  • 2店舗の採用の応募と、採用できた数
  • スタッフが2つの店を行き来したときの、移動の負担やシフトの組みにくさ

新しい店に気を取られているあいだに1店舗目が落ちるのは、よくある失敗です。2つの店の数字を毎週並べて見る習慣を、最初からつくっておきます。

まとめ

  • 2店舗目の出しどきは、オーナーが現場に立たなくても1店舗目が回り、人は採れるのに席や役割が足りなくなったとき
  • オーナーが毎日店に立っている、応募が集まらない、教えられる人が1人しかいないなら、先に1店舗目を整える
  • 出す前に、店長と後任、教え方の型、2店舗分の採用、毎日見る数字の4つを整え、スタッフと一緒に中身を決める

次の一歩として、オーナーがシフトに入らない週を1週間つくり、その週の売上・予約・口コミを記録してみてください。その結果が、2店舗目の準備がどこまで進んでいるかを教えてくれます。

動画で見る

代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。

【売上独占】新規出店や増店する場合にライバル不在の穴場駅を見つける方法
2店舗目の出店エリアを考える代表が、Web集客の会社の代表と一緒に、検索の量・競合の数・口コミの数を調べながら話しています。

よくある質問

2店舗目は、いつ出すのがよいですか?

売上が伸びたときより、オーナーが店に立たない週でも1店舗目の数字が落ちず、予約や応募はあるのに席や役割が足りなくなってきたときが目安です。スタッフから、もっと任された仕事をしたいという声が出てきたときも、増やしどきのサインです。

2店舗目を出すのが早すぎるのは、どんなときですか?

オーナーが毎日シフトに入らないと回らない、1店舗目の求人に応募が集まっていない、新人に教えられる人が1人しかいない、店の数字がオーナーの頭の中にしかない、といった状態です。この状態で2店舗目を出すと、両方の店が手薄になります。

2店舗目の店長は、外から採るべきですか、中から育てるべきですか?

1店舗目のやり方を知っている人を中から上げるほうが、教え方や接客の質をそろえやすくなります。そのぶん1店舗目に穴が空くので、その人の後任を先に育てておきます。中に適任がいないときは、外から採る求人と並行して、1店舗目で一定の期間働いてもらってから任せる形にします。

2店舗目は、1店舗目の近くに出したほうがよいですか?

スタッフが行き来できる距離なら、研修や急な欠員のカバー、シフトの融通がききやすくなります。ただし近すぎると同じお客さまを取り合うので、場所は検索の量や競合の様子とあわせて決めます。

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