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店舗採用・応募支援

採用単価・応募単価の目安と採用KPIの立て方|店舗のアルバイト採用は自社の推移で見る

この記事の結論

採用単価の目安は、職種・地域・雇用形態で大きく変わるため、他社の平均ではなく自社の前期の数字を基準に「上がったか下がったか」で持ちます。応募単価と採用単価を分けて出し、表示から入社までの各段にKPIを置いて、いちばん外れている段を1つずつ直すのが、店舗の採用で単価を下げる近道です。

「採用単価の目安はいくらですか」という質問には、実は正解の数字がありません。職種・地域・雇用形態・時期で大きく変わるうえ、何を費用に含めるかの決め方すら会社によって違うからです。それでも採用単価は、店舗の採用で必ず管理したい数字です。

この記事では、採用単価と応募単価の違いを整理し、当社の支援先のデータを目安の1つとして置いたうえで、他社の相場ではなく自社の数字でKPIを立てる手順を示します。

採用単価の「目安」は、他社の相場ではなく自社の推移で持つ

一般に語られる採用単価の幅はとても広く、アルバイト・パートと正社員では桁が変わります。同じ業種でも、都市部か郊外か、募集する時間帯、近くの競合店の数によって、必要な費用は変わります。外部の平均値を目標に置いても、自店の判断にはほとんど使えません。

実務で役に立つ「目安」は、次のような形で持つものです。

  • 自社の前の四半期の採用単価がいくらだったか
  • 今期はそこからどちらに動いているか(上がっているか、下がっているか)
  • 上がっているなら、採用の流れのどの段で人が減ったせいか

比べる相手は他社ではなく、過去の自分たちです。こう考えると、KPIは「達成できたかどうかの点数」ではなく、「どこを直すかの地図」になります。

代表・中野谷のひとこと

その広告費、効いているか説明できますか。効いていない広告費は、止めればそのままお金が残ります。

応募単価と採用単価は、別の数字

まず、言葉の意味をそろえます。

指標 計算式 分かること
応募単価 採用にかけた費用 ÷ 応募数 応募を1件集めるのにいくらかかったか
採用単価 採用にかけた費用 ÷ 採用数 1人採用するのにいくらかかったか

多くの店が見ているのは応募単価のほうですが、これだけで判断するのは危険です。応募単価が安くても、連絡がつかない、面接に来ない、辞退される応募ばかりなら、採用単価は跳ね上がります。

応募から入社までにどれだけ人数が減るかは、店ごとに違います。仮に応募10件から1人が入社する店なら、採用単価は応募単価の10倍です。この「何件の応募で1人が入るか」を自社の実績で出しておくと、応募単価から採用単価を見積もれるようになります。

あわせて、費用に何を含めるかも決めてください。求人媒体の費用だけなのか、採用代行や紹介の費用、面接にかかる社内の人件費まで含めるのか。定義を変えると数字は簡単に動くので、社内で一度決めて固定します。

応募単価の目安: 当社支援先のIndeedのデータ

自社の推移で見るのが基本ですが、最初の物差しがないと比べようがない、という声もよく聞きます。そこで、当社の支援先の実績を1つの目安として置いておきます。

区分 社数 Indeed有料配信の応募単価(社ごとの中央値) 中央の半数の範囲
全業種 34社 3,556円 1,948〜6,172円
飲食 18社 2,325円 1,508〜3,470円
アルバイト・パート 23社 2,059円 1,301〜4,548円

出典: 当社「店舗採用データ 2026」。2026年7月31日〜8月29日頃の30日間、有料配信の広告費を有料配信経由の応募数で割った値です。アルバイト・パートは、広告費が出て応募0件だった3社を中央値の計算から除いています。店舗ビジネスを中心とした当社支援先の実績で、市場平均ではありません。

この数字を見るときは、2つのことに気をつけてください。

1つ目は、無料枠の応募も合わせて見ることです。Indeedの広告費を、有料・無料を合わせたすべての応募で割った「実質応募単価」は、当社の支援先56社の中央値で1,893円、飲食21社では1,486円でした(出典: 同データ、2026年1〜8月)。有料配信の数字だけを見ると、応募1件のコストを高く見積もりがちです。

2つ目は、雇用形態を分けて見ることです。代表の中野谷は、正社員の求人と週5日のアルバイトの求人とでは、1件の応募を取るのにかかる金額が大きく違うことがある、と話しています。そのため、社員の応募単価が上がってきた店には、週5日のアルバイトの求人で応募を集め、原稿で社員登用の道を見せて、そこから社員を目指す人を採る方法も提案しています。上の表でも、アルバイト・パートの中央値は全業種より低く出ています。

なお、採用単価(1人採用あたり)については、当社にも公開できる横断のデータはありません。だからこそ、採用単価は自社の数字で持つ必要があります。

採用KPIは、採用の流れの各段に置く

採用単価だけを見ていても、下げ方は分かりません。採用は次の流れで進むので、KPIもこの段ごとに置きます。

段 見る数字 何で決まるか
表示 求人が表示された回数 職種名、求人の分け方、予算
クリック率 クリック数 ÷ 表示回数 職種名、1枚目の写真、給与の見せ方
応募率 応募数 ÷ クリック数 仕事内容の具体さ、応募条件の広さ
連絡がついた割合 連絡がついた数 ÷ 応募数 連絡の手段と速さ
面接の設定率 面接の予約数 ÷ 連絡がついた数 面接までのハードル
面接の実施率 面接の実施数 ÷ 予約数 前日の確認、道順の案内
内定承諾率 承諾数 ÷ 内定数 面接でのすり合わせと、内定の早さ
初日の出勤 初日に来た数 ÷ 承諾数 内定から初日までの連絡

表示からクリック、クリックから応募の割合は、職種やエリアで変わります。比べる材料として、当社の支援先34社のIndeed有料配信を合算すると、表示からクリックは6.4%、クリックから応募は3.27%でした(出典: 当社「店舗採用データ 2026」2026年7月31日〜8月29日頃の30日間・市場平均ではありません)。合否の線としてではなく、自社の数字を眺めるときの物差しとして使ってください。表示からの切り分けは「Indeedで応募が来ない7つの原因」で詳しく解説しています。

KPIの使い方は「いちばん外れている段を1つ選ぶ」

数字を並べたら、すべてを同時に直そうとしないことです。手順は次の4つです。

  1. 各段の数字を出す
  2. 前の月や、自社のほかの求人と比べて、いちばん大きく外れている段を1つだけ決める
  3. その段に効く打ち手を実行する
  4. 1〜2週間たったらもう一度見て、次に詰まっている段へ移る

よくある見立て違いが「応募が少ない」です。表示が少ないのか、表示はあるのにクリックされないのか、クリックはあるのに応募されないのかで、打つ手はまったく違います。ここを取り違えると、正しい努力が空振りします。

広告費を足したら、「足した分」だけで割ってみる

応募が足りないとき、まず広告費を足したくなります。そのとき見落としやすいのが、足した分の効き方です。

代表・中野谷のひとこと

かければかけるほど、ターゲットからずれた人にも見られていくんで。手前で取れるところは安いんですけど、後々は高くなっちゃって。全体を見たら、まあまあ悪くないよね、って話になっちゃうんですけど、かけるタイミングがずれちゃうと、本当に金額ばか上がりしちゃうんで。

仮の数字で見てみます。数字は説明のためのもので、実際のデータではありません。

広告費 応募数 応募単価
増やす前 100,000円 20件 5,000円
増やした後(全体) 200,000円 30件 約6,667円
足した分だけ 100,000円 10件 10,000円

全体を平均すると少し上がっただけに見えても、この例で足した広告費の分だけを計算すると、応募単価は増やす前の2倍になっています。広告費を増やすときは、増やす前と後で「足した分で何件増えたか」を分けて記録してください。足した分の単価が自社の許せる線を超えたら、そこが広告費の上限です。Indeedのクリック課金の仕組みと予算の考え方は「Indeedのクリック単価の仕組みと予算の決め方」にまとめています。

採用単価を下げる打ち手は、たいてい広告費の外にある

採用単価を下げようとすると、まず広告費を削りたくなります。しかし分子を削ると応募も減り、採用数が減って、単価は思ったほど下がりません。

実際に効くのは、集めた応募を落とさない運用です。

  • 応募から最初の連絡までの時間を縮める(応募の直後がいちばん気持ちが高い)
  • 連絡の手段を重ねる(媒体のメッセージ・メール・SMS・電話)
  • 面接の前日に確認の連絡を入れて、当日来ない人を減らす
  • 面接で条件をすり合わせ、内定を早く出す

どれもお金はほとんどかかりませんが、採用数を押し上げます。同じ広告費で採用数が増えれば、採用単価はそのまま下がります。応募から面接までの動き方は「応募対応のスピード設計」で解説しています。

もう1つ、当社の支援先では、有料配信した求人のうち49.3%が30日間で応募0件でした(出典: 当社「店舗採用データ 2026」34社・2026年7月31日〜8月29日頃の30日間・市場平均ではありません)。ただし、そうした求人に使われた広告費は全体の一部で、広告費の大半は応募が出た求人で使われていました。単価が悪いときは「お金を無駄にしている求人」を探すより、「応募まで届いていない求人」を1本ずつ直すほうが効きます。

定着まで見て、初めて採用単価は正しくなる

もう1つ加えたいのが定着です。採用してすぐ辞めた人の分は、実質的に費用だけがかかっています。

そこで、媒体ごとに「採用数」だけでなく「入社後3か月の在籍数」まで追ってください。たくさん採れるのに続かない経路と、採用数は少なくても続く経路が見えてきます。続いた人数で計算し直すと、どの媒体の単価が良いかの順位が入れ替わることがあります。予算は、その結果に寄せるのが筋です。入社後の受け入れ方は「新人がすぐ辞める店舗の共通点」にまとめています。

月に1回、1枚のシートで回す

KPIは、見る人が動ける形にしないと続きません。私たちの店舗でも、目標を月の売上だけにせず、スタッフが明日の行動に落とせる数字を2〜3個並べて置くようにしています。月の売上だけでは、何をすればいいのかが分からないからです。採用のKPIも同じで、店長が自分で動かせる数字(応募から最初の連絡までの時間、面接の前日の確認をした割合など)を、費用の数字の横に置いておくと、毎月の振り返りが「足りない」で終わらず「次に何をするか」に変わります。

シートに並べるのは、次の項目で十分です。

  • 媒体ごとの費用・応募数・採用数・3か月後の在籍数
  • そこから出した応募単価・採用単価(費用の定義は固定)
  • 採用の流れの各段の数字と、いちばん外れている段
  • 先月決めた打ち手と、その結果

まとめ

  • 採用単価の目安は、他社の相場ではなく自社の推移で持つ。費用の定義を先に固定する
  • 応募単価だけで判断しない。当社支援先のIndeed有料配信の応募単価は社ごとの中央値で3,556円だが、雇用形態や無料枠の扱いで大きく変わる
  • 採用の流れの各段にKPIを置き、いちばん外れた段を1つずつ直す。広告費を足したときは、足した分だけで単価を見る
  • 単価を下げる打ち手は広告費の外にある。応募後の運用と、3か月後の在籍まで見て初めて数字が正しくなる

次の一歩は、直近3か月の「費用・応募数・採用数」を1枚に並べることです。これだけで応募単価と採用単価が出て、翌月からは推移として読めるようになります。

よくある質問

採用単価の目安はいくらですか?

職種・地域・雇用形態・時期で大きく変わるので、外部の平均は目標になりにくいです。自社の前期の採用単価を基準にし、上がったか下がったかで見てください。参考として、当社の支援先34社では、Indeedの有料配信の応募単価が社ごとの中央値で3,556円でした(2026年7月31日〜8月29日頃の30日間・当社支援先の実績で市場平均ではありません)。

応募単価と採用単価はどう違いますか?

応募単価は採用にかけた費用を応募数で割った数字、採用単価は採用数で割った数字です。応募単価が安くても、連絡がつかない・面接に来ない応募ばかりなら採用単価は高くなるので、両方を出して見ます。

採用KPIには何を置けばよいですか?

表示回数、クリック率、応募率、連絡がついた割合、面接の設定率と実施率、内定承諾率、初日の出勤と3か月後の在籍まで、採用の流れの段ごとに置きます。すべてを同時に直そうとせず、いちばん外れている段を1つ選んで手を打ちます。

広告費を増やしたら、応募単価が上がってしまったのはなぜですか?

広告費を増やすほど、狙った人から外れた人にも表示が広がるためです。全体を平均すると少しの上昇に見えても、足した広告費の分だけで応募単価を計算すると、大きく上がっていることがあります。増やす前と後で、足した分の効き方を分けて確かめてください。

採用単価には何の費用を含めればよいですか?

求人媒体の費用だけにするのか、採用代行や紹介の費用、面接にかかる社内の人件費まで含めるのかを、社内で一度決めて固定します。定義を変えると数字は簡単に動くので、比べられなくなります。

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