採用がうまい店長がやっていること|店舗の採用を分ける6つの習慣
この記事の結論
採用がうまい店長は、応募を集める力より「応募が来てからの動き」で差をつけています。連絡を早く・重ねて入れる、面接の入口を軽くする、面接で口説く、初日と最初の研修期間に手をかける、そして自分の店の数字を知っている。どれも才能ではなく、段取りで真似できることです。
同じチェーンで、同じ求人原稿を使い、同じ時給で募集しているのに、店舗によって採用できる人数が違う。多店舗を運営している会社なら、必ず心当たりがあるはずです。立地の差だけでは説明がつきません。差がついているのは、応募が来てからの店長の動き方です。
先に言っておくと、店長は店舗運営のプロであっても、採用の専門家とは限りません。売上もシフトも教育も抱えながら、片手間で採用もやっている。それでも採れる店長には、共通する習慣があります。この記事では、店舗の採用を分けている店長の習慣を、応募後の流れに沿って6つ紹介します。
1. 応募への最初の連絡が速い
採用がうまい店長は、応募に気づいてから最初の連絡を入れるまでが短い。これがいちばん大きく、いちばん真似しやすい差です。
アルバイトの応募者は、複数の店に同時に応募していることが珍しくありません。しかも応募した直後が一番その気になっている瞬間で、時間が経つほど熱は冷めていきます。数日後に連絡しても、もう別の店で面接が決まっている、ということが普通に起きます。
採れる店長は、この速さを気合いで出しているわけではありません。
- 応募通知をスマホで受け取り、見る時間帯(開店前・休憩・閉店後など)を決めている
- 最初に送る文面をテンプレートにして、迷わず送れるようにしている
- 自分が営業中で動けない時間に、誰が代わりに返すかを決めている
速さの詳しい設計は応募対応のスピード設計で解説しています。
2. 連絡を「届くまで」重ねている
もう1つの共通点は、1回連絡して終わりにしないことです。メッセージ、メール、SMS、電話。使える手段を重ねて、相手に気づいてもらうところまでやり切ります。
連絡がつかない応募者の中には、断りたい人だけでなく、単に気づいていない人がかなり混ざっています。とくに若い応募者はメールを見る習慣が薄いので、メールを送っただけで「連絡した」ことにしてしまうと、そのまま流れていきます。電話が1回つながらなければ時間を空けてもう一度、SMSで「メールでご案内しています」と一言添える。こうした地味な重ねがけが、面接に会える人数を変えます。媒体によってはメッセージしか使えない場合もあるので、その場合は「返信がなければ翌日もう一度」を店のルールにしておくと安心です。
3. 面接の入口を軽くし、候補日をこちらから出している
面接の予約が決まらない店長は、入口が重くなっていることが多いです。最初から本番の面接で、履歴書を持参、日程は「いつが空いていますか」と聞くだけ。これでは予約が決まりません。
採れる店長は逆をやります。
- 最初は「お店を見に来る」くらいの軽い場として案内する(履歴書は後でよい、服装は自由)
- 候補日を2〜3個こちらから出して、選んでもらう
- 何分くらい、何を話すのかを先に伝える
前日にリマインドを送り、店の場所が分かりにくければ目印を添える。予約から面接日までを空けすぎない。当日来ない問題の対策は面接ドタキャン対策で詳しく書いています。
4. 面接で「選ぶ」だけでなく「選ばれる」努力をしている
来てほしいと思える人ほど、ほかの店の選考も進んでいます。採れる店長は、面接を審査の場だけにしません。
- 相手が何を大事にしているか(シフトの融通・収入・人間関係・将来)を先に聞く
- その軸に合わせて、この店で働く良さを具体的に伝える
- 本当に来てほしい人には、なぜ来てほしいのかを言葉にして伝える
そのうえで大事なのが、仕事の大変な面も先に伝えることです。私たちの店舗でも、面接では体力的にきつい部分や、地道に続ける必要がある部分をあえて先に話すようにしています。良いことだけを聞いて入った人ほど、入社後に「聞いていた話と違う」と感じて離れてしまうからです。条件のすり合わせはその場で終わらせ、不安を家に持ち帰らせない。これも採れる店長の共通点です。
5. 初日と最初の研修期間に手をかけている
採用は、初日に来てもらって、仕事を覚えてもらうところまでが本番です。承諾から初日まで間が空くと気持ちが冷めるので、採れる店長はその間も連絡を切らさず、初日に誰が迎えるかまで決めています。
もう1つ意識したいのが、最初の研修期間の組み方です。週1回ずつ少しずつ教えると、前回覚えたことを忘れ、教える人も毎回変わり、2ヶ月経っても一人前になれない状態が生まれます。本人は「もう2ヶ月目なのに何もできない」と感じて辞めてしまう。私たちは、最初の数週間だけは出勤を詰めてもらい、短い期間で基本を覚えてもらうほうが定着しやすいと考えています。私たちの店舗でも、最初の数日で仕事の型を先に覚えてもらい、早めに一人で立てるようにしています。
6. 自分の店の採用の数字を言える
最後の習慣は、数字です。「今月は何件の応募があり、何人と連絡がつき、何人が面接に来て、何人採用できたか」を言える店長は、詰まっている場所が分かるので打ち手を外しません。
応募数しか知らない状態だと、応募を増やすことばかり考えて、実は面接に来ていないのが原因だった、という空振りが起きます。紙1枚で構いません。応募・連絡がついた・面接・採用・初日出勤の5つを毎月書き出すだけで、自分の店の弱いところが見えてきます。
店長の「習慣」を店舗の「仕組み」にする
ここまでの6つは、どれも才能ではなく段取りです。ただ、店長が1人でこれを全部抱えると、忙しい月から順に崩れます。店長が店舗運営で手一杯になり、採用が後回しになって人が足りなくなり、さらに忙しくなる。店舗の採用で一番避けたいのは、このスパイラルです。
だからこそ、応募者への最初の連絡や日程調整のように、速さと回数が勝負の仕事は仕組みや外部に任せ、店長は面接と受け入れという「店長にしかできない仕事」に集中する形がおすすめです。店長の面接負担の減らし方は面接の業務負担から店長を解放する方法で解説しています。
まとめ
- 店舗の採用の差は、応募を集める力より、応募が来てからの店長の動き方でつく
- 連絡は速く・届くまで重ねる。面接の入口は軽く、候補日はこちらから出す
- 面接では大変な面も先に伝え、初日と最初の研修期間に手をかける。自分の店の数字を知っておく
まず1つ変えるなら、応募から最初の連絡までの時間です。明日から、応募通知を見る時間帯を決めて、最初の文面をテンプレートにしてみてください。
動画で見る
代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。
応募者に「気づいてもらう」ための連絡の重ね方と、採用後の最初の研修期間を短く詰める考え方を代表が解説しています。
よくある質問
店長の採用力に差がつくのはどこですか?
応募が来てから最初の連絡まで、面接の予約の取り方、面接での伝え方、初日の迎え方の4か所です。求人原稿が同じでも、この応募後の動き方で採用できる人数が変わります。
忙しい店長でも応募対応を早くするには?
応募通知を確認する時間帯を決める、最初の連絡文をテンプレートにしておく、自分が動けない時間に誰が代わるかを決める、の3つです。気合いではなく段取りで速さを作ります。
面接で店長が気をつけることは何ですか?
審査だけの場にしないことです。相手が何を重視しているかを先に聞き、その軸でこの店で働く良さを伝え、条件のすり合わせをその場で終わらせます。仕事の大変な面も先に伝えておくと、入社後のずれが減ります。
店長に採用を任せきりにしてよいですか?
店長は店舗運営のプロでも、採用の専門家とは限りません。応募者への初動連絡や日程調整などは仕組みや外部に任せ、店長は面接と受け入れに集中できる形にするのがおすすめです。