Column コラム

面接・AI面接 更新

AI面接とは?仕組み・メリット・導入の流れを解説

この記事の結論

AI面接とは、応募者がスマホなどで都合のよい時間に質問へ回答し、その内容をAIが解析して一次評価まで返す選考手法です。日程調整の手間を減らして会える人数を増やし、評価の基準をそろえられますが、最終的な合否は人が判断します。

「AI面接」という言葉は聞くようになったけれど、実際に何をどこまでやってくれるのかは分からない — 採用の相談を受けていると、この状態のまま検討が止まっている会社が少なくありません。結論から言うと、AI面接とは「応募者がスマホなどで質問に回答し、その内容をAIが解析して一次評価まで出す選考手法」です。人が担っていた「面接を実施する」「評価する」の2工程を機械に寄せる、という理解が出発点になります。この記事では、AI面接の仕組み、導入で実際に変わること、向き不向き、導入までの流れを、店舗ビジネスの採用現場の目線で整理します。

AI面接とは:「面接の実施」と「一次評価」をAIが担う選考手法

まず、よく混同される3つを整理しておきます。

呼び方 誰が質問するか 誰が評価するか
オンライン面接(Web面接) 人(画面越しにリアルタイム) 人
録画面接(動画選考) あらかじめ用意した設問 人(後から動画を見る)
AI面接 AI(設問に沿って進行し、深掘りもする) AIが一次評価を出し、最終判断は人

つまりAI面接の特徴は、「日時を合わせなくてよい」ことに加えて「評価の下ごしらえまで返ってくる」ことです。オンライン面接は面接官の時間が丸ごと必要ですし、録画面接は動画は溜まるものの、見て評価する時間は人に残ります。AI面接はその両方に手を入れる位置づけになります。

AI面接の仕組み: 応募から評価が手元に届くまで

実際の流れは、おおむね次のように進みます。

  1. 応募者に面接用のURLを送る(メール・SMSなど)
  2. 応募者は都合のよい時間にURLを開き、スマホやPCで受験する。アプリのインストールが不要なサービスも多い
  3. 画面上のAI面接官が質問し、応募者が話す。回答内容に応じて追加の質問を投げる仕組みを持つツールもある
  4. 回答は録画され、AIが内容を解析してスコアや要約を作成する
  5. 採用担当者に結果が通知される。担当者は動画とレポートを見て合否を判断する

ここで押さえておきたいのは、質問は「勝手にAIが考える」わけではない、という点です。何を聞くか(=何を見たいか)は導入側が設計します。この質問設計の質が、そのままAI面接の質になります。逆に言えば、汎用的な質問をそのまま使うと、汎用的な評価しか返ってきません。

ツールによっては、面接の途中に職場紹介の動画を差し込んだり、アンケートフォームを挟んで基本情報を取ったりできます。選考であると同時に「自社を知ってもらう場」としても使える、という発想は持っておくと導入価値が上がります。

AI面接の導入で実際に変わる3つのこと

  • 会える人数が増える — 24時間・場所を問わず受験できるため、日程調整という工程そのものが減ります。採用の原則は「入口を広げて、良い人を選ぶ」ですが、入口を広げると面接工数が増えて現場が回らなくなる。応募を増やすと質が落ち、質を上げようと条件を絞ると応募が減る。私たちはこのジレンマを「入口を広げて、出口で選ぶ」と言い換えていて、その出口の役をAI面接に任せるのが本筋だと考えています。
  • 判断のブレが減る — 全員に同じ質問を、同じ観点で評価します。面接官の経験や好み、その日の忙しさで基準が動く問題に対して、共通のものさしを一本持てます。複数の店舗・複数の面接官がいる会社ほど効きます。
  • 面接が「データ」として残る — 動画・スコア・要約が蓄積されるので、後から見返せます。面接で何を話した人が、入社後どのくらい働き続けたか。ここを突き合わせられるようになると、「どんな人を採れば戦力になるか」を経験則ではなく記録で語れるようになります。私たちがAI面接に力を入れている一番の理由も、ここにあります。

3つ目は効果が出るまで時間がかかりますが、中長期ではここが一番大きい変化です。

もう一つ、店舗の採用で効くのが「求人には書ききれない条件の確認」です。たとえば「週1日から勤務OK」と掲載しても、実際には曜日や時間帯の確認が欠かせません。細かい条件を求人原稿に並べれば応募の間口が狭まり、応募者一人ずつに聞けば店長の負担が増えます。勤務の希望や経験をAI面接で先に聞き取っておけば、店長は条件のすり合わせと最終判断に集中できます。

AI面接が向いている会社・慎重に考えたほうがよい会社

私たちがAI面接を試験的に使っていただいた会社でも、評価されたのは「求人の条件をあえてゆるく書いて応募を集め、面接で見極める」という使い方でした。応募を増やしても、実際に話している様子を見て判断できるので安心できる、という声です。

向いているのは、次のような条件に当てはまる会社です。

  • アルバイト・パートの採用が通年で発生する(飲食・小売・サービス業の店舗など)
  • 店舗や拠点が複数あり、面接官が分散している
  • 応募は来るが、面接の設定・実施が現場の負担になっている
  • 「未経験NG」などの条件を外して母集団を広げたいが、面接が増えるのが怖い

一方、慎重に考えたほうがよいのは、採用が年に数名で単発の場合、一次選考の段階から実技や専門的な確認が必要な職種、応募者層がオンライン受験に不慣れで受験率が上がりにくい場合などです。この場合は無理に全応募者へ広げず、特定の職種や店舗に絞って試すほうが現実的です。店舗のアルバイト面接で、AI面接をほかの面接代行のタイプとどう比べるかは「店舗・アルバイトの面接代行のおすすめ」で整理しています。

AI面接の導入までの流れ(5ステップ)

  1. 現状の面接工程を書き出す — 応募受付、初回連絡、日程調整、面接、評価、結果連絡。それぞれ誰が何分使っているかを洗い出します。ここを飛ばすと、導入後に「何が良くなったか」を説明できません。
  2. 質問を設計する — 自社で活躍している人の共通点から「見るべき観点」を言語化し、それを質問に落とします。ここは外部の力を借りてよい部分です。
  3. 応募者への案内文と受験導線を作る — 応募直後にどう案内するか、受けてもらえなかったときにどう追いかけるかまで決めます。
  4. テスト運用する — いきなり全店で始めず、1店舗・1職種から。社内メンバーに受験してもらって画面の見え方を確認しておくと安心です。AI面接の効果は、説明を聞くだけでは実感しにくいものです。私たちも自社で運営する店舗でAI面接を運用し、応募者対応の工夫や課題を確かめてきました。まず小さく回して、自社の応募者で手応えを見るのが近道です。
  5. 本格運用と月次の振り返り — 受験率、評価と実際の働きぶりのズレを毎月見て、質問を育てていきます。

導入前に決めておきたい3つのこと

  • 最終判断は誰がするか — AIのスコアは判断材料であって、合否の決定そのものではありません。人が動画とレポートを見て決める運用にしておくことが、応募者に対しても社内に対しても説明のつく形になります。
  • 応募者への伝え方 — AIが相手の面接に抵抗を感じる応募者は、一定数います。慣れない選考方式に応募者が身構えると、受験してもらえません。「いつでも受けられる」「スマホで完結する」といった応募者側のメリットを前面に出した案内文にすることと、受験してもらえない人へ電話やSMSで一声かける体制がセットで必要です。
  • 動画と個人情報の保管ポリシー — 誰が閲覧できるか、いつまで保管して、いつ削除するか。職業安定法では、労働者の募集を行う者は、求職者の個人情報を募集業務の目的の達成に必要な範囲内で収集・保管・使用しなければならないとされています(出典: 群馬労働局「求職者等の個人情報の取扱いについて」)。個人情報保護法でも、利用目的をできる限り特定し、取得時に本人へ通知または公表することが求められています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)。運用を始める前に社内ルールとして決めておきましょう。

まとめ

  • AI面接とは、面接の実施と一次評価をAIが担う選考手法。オンライン面接・録画面接との違いは「対話するか」「評価まで出るか」
  • 効果が出るのは「会える人数が増える」「判断のブレが減る」「面接がデータとして残る」の3点。質問設計の質がそのまま評価の質になる
  • 導入は工程の書き出しから。最終判断者・応募者への伝え方・保管ポリシーの3つは、始める前に決めておく

次の一歩としておすすめなのは、直近1か月で「面接の設定と実施に何時間使ったか」をざっくり数えてみることです。その数字があるだけで、検討が「なんとなく便利そう」から「自社にとって意味があるか」に変わります。

動画で見る

代表の中野谷が発信している YouTube「店舗運営チャンネル【採用と集客】」から、この記事に関係する回です。

AI面接で採用は変わる?茂木さんに新規事業を本気で相談!
AI面接を試した会社の手応えと、面接データを定着まで追いかける構想を代表が話しています。

よくある質問

AI面接とは何ですか?

応募者がスマホやPCで面接用のURLを開き、AIの質問に回答すると、その内容をAIが解析してスコアや要約などの一次評価を返す選考手法です。最終的な合否は、動画やレポートを見て人が判断します。

AI面接と録画面接の違いは何ですか?

録画面接は設問に答えた動画が届き、見て評価する作業が人に残ります。AI面接は面接の進行に加えて一次評価まで返ってくる点が違います。

AI面接はどんな会社に向いていますか?

アルバイト・パートの採用が通年で発生し、店舗や面接官が分散していて、面接の設定と実施が現場の負担になっている会社に向いています。採用が年に数名の単発なら、特定の職種や店舗に絞って試すのが現実的です。

AI面接の導入前に決めておくことは何ですか?

最終判断を誰がするか、応募者への伝え方、動画と個人情報の保管ポリシーの3つです。求職者の個人情報は、募集業務の目的の達成に必要な範囲で扱うことが職業安定法で求められています。

← コラム一覧へ 店舗採用データ 2026 →