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店舗採用・応募支援

内定辞退を減らすクロージングの技術|店舗の面接で「ここで働きたい」と思ってもらう伝え方

この記事の結論

内定辞退を減らすには、面接の後半を「選ばれにいく時間」に変えることです。相手が気にしている軸に合わせて働くメリットを伝え、合格が見えた人には、採用したい理由と店のよさを伝える時間を別に取ります。不安はその場で消し、合格は早く、できれば電話で伝えてください。

応募は来る。面接にも来てくれる。それなのに、合格を伝えると「やっぱり今回は」と断られる。店舗の採用でこの状態が続くと、「もっと応募を集めれば、いつか承諾してくれる人に当たる」と考えがちです。ただ、私たちが現場を見てきた限り、内定辞退の多くは応募の数ではなく、面接の中身と、合格を伝えるまでの時間で決まっています。

この記事では、内定辞退を「面接で選ばれにいく技術(クロージング)」の問題として分け、次の面接から変えられることを整理します。

応募者は、面接のあとにもう一度比べている

採用したいと思える人ほど、ほかの店や会社の選考も同時に進めています。条件が近い会社がいくつかあれば、最後に効くのは「ここで働きたいと思えたか」と「どこが先に決めてくれたか」です。

数字にもそれが表れています。マイナビの調査では、アルバイト先を決めた要因として「すぐに合否通知の連絡がきた」を選んだ人が30.1%で、2番目に多い回答でした(出典: マイナビ「アルバイト就業者調査(2026年)」。全国の現在アルバイトをしている10〜70代の男女9,000人へのインターネット調査、2026年2月18日〜3月2日実施、複数回答)。

少し古い調査ですが、面接の後に辞退した理由を聞いたものもあります。ディップの調査では、面接実施後の辞退理由として最も多かったのは「他の仕事が見つかった」の42.1%でした(出典: ディップ株式会社 ニュースリリース 2019年3月1日公表。2018年9月実施、1年以内にアルバイト・パートに応募した15〜69歳の男女3,061人へのインターネット調査)。「採用連絡が遅かった」という理由も18.1%ありました(出典: 同)。

面接は、こちらが相手を見極める場であると同時に、相手にこちらを選んでもらう場です。辞退が多い店は、この「選ばれにいく」部分がまるごと抜けていることが少なくありません。ここは費用をかけずに直せます。

まず承諾率を出し、どこで断られているかを見る

内定承諾率は「承諾した人数 ÷ 合格を伝えた人数」です。直近の数か月分でいいので、合格を伝えた人と承諾した人を数えてください。あわせて、断られたのが面接の直後か、合格を伝えたあとか、初日の手前か、を書き出します。

面接の直後に断られるなら面接の中身、合格を伝えたあとなら連絡の速さや条件のすり合わせ、初日の手前なら入社までのフォローの問題です。初日の手前で消える場合の手当ては「内定後の入社前辞退を防ぐフォロー設計」で別にまとめています。この記事では、面接と合格の伝え方を扱います。

技術1: 「この店で働くメリット」を、相手の軸で伝える

承諾してもらうためにいちばん効くのは、面接の中で「あなたがこの店で働くと、こういうよさがある」を具体的に伝えることです。

大事なのは、店が言いたいよさではなく、その人が気にしている軸で語ることです。

  • シフトの融通を気にしている人には、実際のシフトの組み方と、休みの相談のしやすさを
  • 人間関係を気にしている人には、どんなスタッフがいて、最初は誰が教えるのかを
  • 先のことを気にしている人には、この仕事から広がる道を

そのためには、面接の前半で相手が何を大事にしているかを聞いておく必要があります。順番は「聞く → その軸に合わせて、店のよさを言い換えて返す」。この流れができると、こちらの説明が急に「その人の話」になります。仕事の様子が分かる写真や動画を面接の前後に見てもらうのも、働く姿を思い描いてもらうのに効きます。

技術2: 合格が見えた人には、店のよさを伝える時間を別に取る

面接の終わりに、時給やシフトの条件を説明して終わっていないでしょうか。条件は大切ですが、それだけでは他社と横並びになります。

見極めのための面接と、選んでもらうための話は、分けて考えたほうがうまくいきます。代表の中野谷がお客さまに勧めているのは、一次面接で合格が見えた人にだけ「先日は面接ありがとうございました。ぜひ最後に当社のよさをお伝えしたいので、少しお時間をください」と連絡し、その人とだけ話す時間を取るやり方です。全員に長い会社説明をするより、店長の時間も使いやすくなります。

その時間で伝えるのは、条件の繰り返しではなく、採用したい理由です。「採用します」だけなら事務連絡ですが、「あなたのこういうところが、うちのこの場面で必要です」まで言うと、相手にとっては選ばれた記憶になります。他社と迷っているとき、条件が横並びなら、必要とされている実感があるほうに気持ちは傾きます。これは面接官の性格ではなく、言うと決めているかどうかの問題です。

技術3: 不安は、その場で消す

面接の中で出てきた不安や迷いは、持ち帰らせないことが大切です。シフト、給与、初日の時期、通いやすさ。その場で答えられることは答え、寄せられる条件はその場で寄せます。持ち帰った不安は、家に帰ってから辞退の理由に育ちます。

答えにくいことも先に伝えておきます。私たちの店舗では、手が疲れやすいといった仕事の大変な面も、面接で先に正直に話すようにしています。よいことだけを聞いて合格した人ほど、あとでずれに気づいて断るからです。大変さも含めて納得した人のほうが、承諾にも、その後の定着にもつながります。面接での聞き方をそろえる方法は「面接官によって評価がバラバラ問題を構造化面接で解決する」で扱っています。

技術4: 合格は早く、できれば電話で伝える

よい人ほど、ほかからも声がかかっています。店の中で相談している数日の間に、他社で決まってしまうことは珍しくありません。合格はできるだけ早く出してください。これは技術というより体制の話で、次の2つを先に決めておくと動けます。

  • 誰が、どこまでの条件なら、その場で合格を出してよいか
  • 面接から合格の連絡までを、最長で何日にするか

伝える手段は、できれば電話です。

代表・中野谷のひとこと

合格の方には、電話で合否を伝えてあげたほうがいいです。メールでポンと送っているだけだと、ちょっと不安だったけどうまく聞けなかった、ということがあるじゃないですか。別にメールでもいいんですけど、それで逃げられていいなら、という感じなんですよね。合格を出したのに、その後逃げちゃうっていうのはもったいないので。

電話なら、その場で入社の意思を確かめ、残っている質問に答え、初日の相談まで進められます。

なお、入社祝い金のようなお金を前面に出して承諾を後押しする方法は、私たちは勧めていません。

代表・中野谷のひとこと

入社祝い金みたいなものは、求職者向けとしては、僕はあんまりお勧めしていなくて。目先の金額欲しさで来る人を採用するかどうか、という問題も出てくるので。短い期間だけ働いてもらえればいい、それで回収できる、というなら全然問題ないんですけど、だいたいの採用ってそうじゃないじゃないですか。長く働いてほしいというところで採用していくので。

(YouTube「【悪用厳禁】マーケティングの心理学を採用に応用したら応募が殺到した話」より)

小さく添える程度なら問題ありませんが、比べられたときの差は、家賃の補助のように働き続けるほど効くものや、仕事の中身・働き方のよさでつけるほうが、入社した後にもつながります。

面接官によって承諾率が違うなら、うまい人のやり方を型にする

複数の人が面接している店では、面接官ごとの承諾率を見てください。特定の人だけ極端に低い・高いなら、それは向き不向きより「やり方が共有されていない」ことの表れです。

そろえるのは質問の一覧だけではありません。「相手の軸を聞く」「その軸に合わせてメリットを返す」「採用したい理由を言葉にする」「不安をその場で消す」という順番そのものを共有します。承諾率の高い人の面接に同席して、何を言っているかを書き出すのがいちばん早い方法です。面接まで進んだ人が途中で離れる理由は「面接ドタキャンと連絡がつかない問題の対策」もあわせてご覧ください。

まとめ

  • 内定辞退は、面接の中身と合格を伝えるまでの時間で決まる。面接は見極める場であり、選ばれにいく場でもある
  • 相手の軸でメリットを伝え、合格が見えた人には採用したい理由と店のよさを伝える時間を取る。不安はその場で消す
  • 合格は早く、できれば電話で。面接官ごとの承諾率を見て、うまい人のやり方を型にする

次の一歩は、直近の数か月で合格を伝えた人と承諾した人を数えることです。そのうえで、次の面接では「なぜあなたと働きたいのか」を必ず口に出すと決めてください。それだけでも、断られ方は変わってきます。

よくある質問

内定辞退が多いとき、まず何を確認すればよいですか?

直近の内定数と承諾数を数えて、承諾率を出すことです。あわせて、辞退が面接の直後に多いのか、合格を伝えた後に多いのか、面接官によって偏っていないかを見ると、直す場所が分かります。

面接で「ここで働きたい」と思ってもらうには何を話せばよいですか?

前半で相手が何を重視しているか(シフトの融通、人間関係、将来の道など)を聞き、後半でその軸に合わせて自社で働くメリットを具体的に伝えます。合格が見えた人には「あなたのこういうところが、うちのこの場面で必要です」と、採用したい理由まで言葉にしてください。

合格の連絡はいつ、どの手段ですればよいですか?

できるだけ早く、できれば電話で伝えます。応募者はほかの会社の選考も進めていることが多く、連絡が遅れるほど先に決まった会社へ行ってしまいます。電話なら、その場で入社の意思や初日の相談まで進められます。

入社祝い金を出せば内定辞退は減りますか?

金額を前面に出すと、お金を目当てに来る人が集まりやすくなるので、私たちは勧めていません。小さく添える程度なら構いませんが、長く働いてほしいなら、仕事の中身や働く人、働き方のよさで選んでもらうほうが、入社した後にもつながります。

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